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【恋愛】出会いとは常に日常にある。

僕は両性愛者である。
僕の持論で出会いは不確定要素の高い確率だと
思っている。
毎日の通勤電車の中、遊びで外へ出たときに
すれ違った人々
たまたま、そこに偶然が重なった時に
出会いが生まれる
その偶然が重なった時に、自分がどうするかで
その出会いが変化すると思っている

僕が初めて男性に告白した人との出会いは
務めている会社での主任会議だったと
僕は覚えているが、相手は違った

告白をした男性を以下、佐藤さんと呼ぶ

その主任会議で司会進行をしていた
僕は、最前列の一番左の席に座りボケーっと
しながら佐藤さんの話を聞いていた

佐藤さんを見た時の印象は
丁寧で物腰が柔らかい話し方をする人だな
まぁ、どっかの現場から本社へ引きずり出された
可愛そうな人だろうなってな具合

本当にそれ以上、それ以下でもない。
主任会議が余りにも暇すぎて
アクビを噛み殺しながら、出来るだけ寝ないように
努力をしていた、本当に暇な主任会議だと
今でも思う

それから、数ヶ月後に
僕が本社への異動がきまった
今まで上司から本社へ上がって来いと行くと度なく
本社勤務を誘われていたが、あの手この手を使い
のらりくらりと逃げて
またある時は裏から手を回して
自分の出世をわざわざ潰していたが
本社への異動が決まった時は
僕が逃げられないように周りを囲まれていた

現場で送別会を行ってもらい
栄転だね!と言われても
僕にとっては左遷と等しい
Yシャツを着て邪魔なネクタイを首に巻き
スラックスにビジネスシューズとスーツを
身にまとい満員電車で揺られ
本社へ行くなんて、バカバカしいとしか
思ってなかった、そんな事を考えながらも
本社についてデスクを宛行われる
デスクの引き出しを開けてみたら
誰のか分からない文具や書類が入っていた

僕は「はぁ……」とため息をついて
本社での初めての仕事が
自分で使うデスクの掃除とは先が思いやられるな
バカバカしいと思っていた

午前中はデスクの片付けで終わってしまった
昼休憩になり、役員に食事に誘われ一緒に
昼食を食べた
この役員は、僕がアルバイトをしている時から
良くしてもらっている人だ

昼食の会話で
「午後から二重螺旋君の挨拶を兼ねた会議するから」と
役員は僕に伝えた
「僕の自己紹介なんて必要ないでしょう?現在のマネージャーよりも僕の社歴のほうが長いですし、そもそも会議は嫌いですしデスクを片付けたいんですけど」と伝えたら
役員は「そうだよな〜、社歴で言うと今のマネージャーよりも長いんだよな〜。まっ、本社に来ましたよ、宜しくね程度で構わないから」なんて返事が返ってきた

それ位なら、まぁ構わないか。
適当に話をして、とっとと終わらせて
デスクの片付けをしようと軽く考えていた

昼食を終え、役員に僕はタバコを吸ったら上に
上がりますから、ここですみません。と伝え
喫煙所に向かった。

喫煙所には佐藤さんがいた
勿論、話なんてしない、話すことがないからだ
しかも話す必要もないと思っていた
けど、会釈くらいはしておこうと思い
頭をペコっと下げる。
佐藤さんもペコっと頭を下げる

僕はスマホを片手にタバコを吸い
趣味の事を調べていた
気づいたときには佐藤さんは喫煙者から
いなくなっていた

続く