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【恋愛】出会いとは常に日常にある。⑤

役員から現場の現調を頼まれて
「今日の午後、お昼を済ませてから現調に行きましょうか」と佐藤さんに話しかけられた
「僕は暇なんでいつでも構わないですよ」と返答をした。

暇だ暇だと言いながらも、システムの確認や新しい技術の使用方法や、まとめサイト見たりバイクカスタムを考えていて、それ程暇ではなかった。

お昼は適当にコンビニで菓子パンを選び休憩スペースでスマホで趣味の情報を集めつつイヤホンで音楽を聞きながら食事をしていたら
僕の前に座る人影、座る場所がないから座ってきたんだろうと思い気にせずに僕は食事をしていた。

僕の前の人影は、手を伸ばしヒラヒラと動かしている。
うざったいなコイツなんだよ?コッチは一人の世界に浸りながら食事してるのに邪魔するなよ。と思いながら顔を上げたら佐藤さんだった、イヤホンを外すと「二重螺旋さん、すみません。食事中に13:30分になったら現場へ向かいましょう、そうすれば直帰も出来て明日には役員へ報告できますので」と話しかけられた。
「構わないですよ。」と一言だけ返事を外したイヤホンを耳にはめて、僕はまた一人の世界に入る。佐藤さんは僕の前で食事を始めた。
僕の休憩時間が終わり、デスクに戻り現調へ行く準備をしてから、適当な仕事をしていた。
時間は13:30分、佐藤さんが現れ「現調に行きますか、その前にタバコを吸いましょう。」と伝えてきて、僕はそのまま佐藤さんの後をついていく
喫煙所の中で「二重螺旋さんと仕事をするのは初めてですね。」と話しかけてきた。僕は「そうですね」と口にタバコを咥えたまま返事をする。会話はそれ以上続かなかった
タバコを吸い終えて「佐藤さんが行きますか」と言い、僕は後ろをついていく、ついていく理由は簡単だ。どの電車に乗り、何処で乗り換え、何処で下車をするなんて調べてもいないからだ。だから後をついていく。
電車に乗り込んだら、僕はそそくさとイヤホンをして音楽を聞き始めた。佐藤さんはまた僕の顔を訝しげな目で見ていた。

続く