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ヘリポート
2021年9月17日 19:29
セプテンバー 街の匂いが金木犀に包まれる。風は一気に涼やかに、湿り気のあった8月が過ぎていった。青々としていた稲は金色の穂をたっぷりとつけて重たそうに首をかしげる。なんとなく空が高く、吸い込まれそうになる。寒くも暑くもない肌なじみのよい気温。太陽がギラつく夏のパキっとした鮮やかさから、なんとも力を緩めた光が差し込んで、からし色や臙脂、茶色を纏いたい季節になってきた。 窓を開けて車に乗るのが