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#21時の140字(20211122-1128)

ここでは毎日21時にツイッターとインスタグラムで公開している140字小説を、一週間分まとめて紹介しています。


20211122

「なにこれ」「どっちも好きでしょ?」だとしても、輪の中にスミレを詰め込んだドーナツをプレゼントするのはどうなんだ。「スミレが好きなんて言った?」「見ていればわかるわ」彼女の言葉と笑顔に触れてしまったら、奇奇怪怪な物体を目の前にしても、苦いコーヒーが甘く感じられるのが不思議だった。

森原ヘキイ:『コーヒー』『すみれ』『ドーナツ』で小説を書きましょう。頑張ってくださいね!
#shindanmaker
https://shindanmaker.com/326880


20211123

紙パックのココアとリンゴジュースを持って教室に戻る。別ルートでパンを確保してきたAが机に並べながら僕を招いた。「あれ、俺らの頼んだ分だけ?」「あ」自分の分は忘れたと顔に書いた僕を見て「だと思った」とAが笑った、そのとき。Bの投げた僕お気に入りのコーヒー牛乳が、後頭部を直撃した。

森原ヘキイ:『りんご』『教室』『ココア』で小説を書きましょう。頑張ってくださいね!
#shindanmaker
https://shindanmaker.com/326880


20211124

「こんなにおいしいケーキを買ってきてくれる旦那さんがいて羨ましい!で、話って?」「この前、冷蔵庫の中に息子のブリキの玩具が入ってて」「え、なんで?」「お兄ちゃんが玩具に夢中で自分と遊んでくれないからって、拗ねて隠したらしいんだ」「あはは。可愛いね、妹ちゃん」「いや、旦那」「あっ」

森原ヘキイは「おもちゃ」「冷蔵庫」「最悪の才能」を使って創作するんだ!ジャンルは「ミステリー」だよ!頑張ってね!
#shindanmaker #sandaibanashi
https://shindanmaker.com/58531


20211125

鉛筆の形をした魔法の杖が、さらさらと音を立てて紙の上を滑ると、モノクロの少女の頭に鮮やかな桜のティアラが被せられた。一瞬でお姫様になった少女に感動した私は、勢いのまま外に飛び出す。そうしてシロツメクサの花冠を持って戻って来た私に驚く魔法使いの頭上へ、精一杯のありがとうを捧げた。

森原ヘキイ:『桜』『えんぴつ』『ティアラ』で小説を書きましょう。頑張ってくださいね!
#shindanmaker
https://shindanmaker.com/326880


20211126

「悪魔の竜を回収しに来たわ!」窓から不法侵入した天使が叫びながら息子の作ったぶちゃいくドラゴンを持ち去ろうとしたので「その竜は抜け殻だ!僕が既に討伐して美味しく調理した!」とスーパーで買ってきたうなぎの蒲焼を差し出すと、ご満悦で帰っていったので僕も嬉しくなった。妻には怒られた。

森原ヘキイは「天使」「竜」「家の中の目的」を使って創作するんだ!ジャンルは「時代小説」だよ!頑張ってね!
#shindanmaker #sandaibanashi
https://shindanmaker.com/58531


20211127

お前が怖いものはなんだ、と先生が神妙に聴くのが面白かった。少しだけ悩んで「母さんが死ぬとき」と答える。「母さんが死んでも、自分が泣けなかったとき」声も指も唇も、たぶん震えてない。大丈夫。「だから、まだ死なないでほしい」視線を落としたカウンターに、湯気を立てたお茶が優しく置かれた。

今現在執筆中の作品のワンシーン的なもので。


20211128

「ブランコに乗ってて気づいたんだ。地球儀って正しかったんだって」振り子のように揺られながら、この星の丸さを知った。そんな思い出話を、隣のブランコの彼女は笑って聞いてくれる。「なら今日はサンドイッチの美味しさに気づいてもらおう」と、膝の上のバスケットから手作りの三角を取り出した。

森原ヘキイ:『地球儀』『バスケット』『ブランコ』で小説を書きましょう。頑張ってくださいね!
#shindanmaker
https://shindanmaker.com/326880


長編執筆中は140字をお休みすることも考えたんですが、でも今現在考えているその長編のアイディアの中に、ひょっとしたら「140字を4週間毎日書いたからこそ思い浮かんだもの」があるかもしれないと思ったら、ここでやめてしまうのはもったいないんじゃないかと。何より『毎日更新』というのは、無名の私が確実に得られる実績で、何より自信にもつながるので、もうちょっと様子を見ながら続けていこうと思います!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 この記事があなたの何かのきっかけになれば本当にうれしいです。 ツイッターやブログにもいますので、そちらでもお会いできますように。