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#21時の140字（20211101-1107）

森原ヘキイ

ここでは毎日21時にツイッターとインスタグラムで公開している140字小説を、一週間分まとめて紹介しています。


20211101

「ネクタイが似合うね」遅れてきた僕に微笑む彼女は相変わらず綺麗だ。また、ここで。高校卒業と同時に別の道を進んだ彼女と再会を約束した数年後のグラウンドは以前と何も変わらない。けれど。「結婚、おめでとう」掠れた言葉に俯く彼女の薬指には、僕が贈りたかった指輪が月の光を浴びて輝いていた。

森原ヘキイは、真夜中のグラウンド が舞台で『ネクタイ』が出てくる失恋する話を1ツイート以内で書いてみましょう。
#shindanmaker
https://shindanmaker.com/139886


20211102

「なにこれ」病室のサイドテーブルに置かれたCCレモンの缶の中には、なぜか見慣れた柄のシュシュを頭に巻いたボールペン。聞けば、妹がお見舞いに持ってきたらしい。「お花みたいでしょ、って」「へえ。いいんじゃない」早々に腰を上げた俺に、全てお見通しの母が笑う。「また可愛いの買ってあげてね」

森原ヘキイさんは『シュシュボールペンＣＣレモンの３つのお題で作文を書いてみてください
#shindanmaker
https://shindanmaker.com/148000


20211103

「大変！泡だらけの水が勝手にぐるぐるしてる！」「そうだね、洗濯機だからね」「こっちは泥水がしゅわしゅわしてるわ！」「それはコーラって言うんだよ、花子さん」百物語をしたことがきっかけで僕の家にまで憑いてきた驚かしのプロは、今日もカルチャーショックという名前の不思議に驚かされている。

森原ヘキイさんは『全自動洗濯機百物語コーラの３つのお題で作文を書いてみてください
#shindanmaker
https://shindanmaker.com/148000


20211104

サイダーやるから肝試し行こ、と墓場まで連れ出された。墓石に引っ掛かった布を見て、やれお化けだの気球だのと騒ぐものだから「落下傘だ」と教えてやる。「パラシュート花火の副産物」「へー、俺たちもしよ」「昼間にやるやつだぞ」引きこもりを太陽の下に出したい物好きは「ならまた明日」と笑った。

森原ヘキイさんは『気球肝試しサイダーの３つのお題で作文を書いてみてください
#shindanmaker
https://shindanmaker.com/148000


20211105

誰かに予定を狂わされるのが嫌いだ。今朝も早速イライラしながら、お気に入りのカフェに入る。いつものテラス席は空いていた。ホッとする私に、店員が一言。「先客がいらっしゃいます」「え？」テーブル越しに伸びた長い尻尾。ニャンという可愛い鳴き声。予想外の邪魔者を見て、私の頬は自然と緩んだ。

お題なし。猫ならしかたないニャア！


20211106

都会から来た転校生は持ち物もお洒落だ。学校指定の赤い鞄を提げる自分が恥ずかしい。「白いのいいね」呟いた私の鞄と自分の鞄を、転校生は何を思ったのか体育館の扉から外へ投げた。積もった雪の上で、赤い鞄だけが目立つ。慌てて回収に向かう私の背を、赤も悪くないじゃん、という呑気な声が押した。

森原ヘキイ:『雪』『体育館』『赤い鞄』で小説を書きましょう。頑張ってくださいね！
#shindanmaker
https://shindanmaker.com/326880


20211107

「世界最後の日に何食べたい？」「シフォンケーキ」唐突な質問に即答すると、本当に甘いものが好きだねえと彼女が笑う。「じゃあ最後ぐらいは私が作ってあげよう」料理の下手な彼女が、ウインクをしながら珍しいことを言ってくる。「なんだか逆プロポーズみたい」と揶揄えば「そうだよ！」と笑われた。

森原ヘキイさんは「終末論」「シフォンケーキ」「左目」を使ってなにかお話を作ってください。
#shindanmaker
https://shindanmaker.com/264399



ちなみにツイッターで一番反応を頂けたのが、


インスタグラムでは、

でした。ありがとうございました！！
なんとか毎日一作のペースで続けていけそうなので、また一週間頑張ります！

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 この記事があなたの何かのきっかけになれば本当にうれしいです。 ツイッターやブログにもいますので、そちらでもお会いできますように。