「姥捨て山システム」は正義か?
「コロナで世界を学ぶ」第23回。
今回は「姥捨て山(うばすてやま)」の話をしましょう!
「姥捨て山」とは?
「姥捨て山」って、何かというとですね…日本の昔話ですよ。
「お年寄りが増え過ぎて、食料も足りなくなるし、介護も大変なので、しょうがないから山に捨てに行く」みたいなお話です。
現実にはどうだったのか?
でも、現実に行われていたのは、全く逆の対策でした。
つまり、お年寄りは生き残り、生まれたばかりの赤ちゃんを捨ててたんです。
たとえば、「体の弱い子」とか「障害のある子」あるいは「望まれずに生まれてきた子」を川に流してくるなどして。
現代社会からすると、とんでもないお話ですよね。
コロナとどう関係があるの?
で、「姥捨て山」が新型コロナウイルスと、どう関係するかというとですね…
コロナって、主に「高齢者が死亡したり、重症化したりする」んです。逆に、若者はあまり重症化しないし、死んだりしない。
そこで、一部の人たちが「もう、年齢高い人たちはあきらめて、切り捨てちゃおうよ」って言うわけです。その代わり、お店を休業させたり時短営業させたりをやめて「経済を回復させよう!」という理論です。
これ、完全に姥捨て山ですw
ま、ヘイヨーさんも「一理あるな」とは思うんですよ。
「どうしようもなくなったら、そういう手もありなのかな?」なんて考える時もあるんです。冷たいようですけどね。
でも、この考え方、実は大きな欠点があるんですね~
コロナが怖いのは重症化や死亡だけじゃない
1つには、新型コロナウイルスって、重症化や死亡するのが怖いだけじゃないんです。
「後遺症」ってのがあってですね。これ、いろんな後遺症があって。たとえば、「味覚障害」っていって、食べ物の味がしなくなるとか。頭痛や倦怠感や、「髪の毛が抜ける」といったものまで。「100種類くらいあるんじゃないか?」と言われています。
これ、通常だったら、数日で治るモノなんです。でも、コロナの場合、何ヶ月にも渡って症状が続く人がいるんですね。それも、結構な数で。
ちょっと前にアメリカのニュースを見てたら、「1000万人くらいは後遺症で悩んでる」みたいなコトを言ってましたよ。アメリカの感染者数が3000万人くらいなので、3分の1程度ですね。
しかも、後遺症って、重症化した人だけじゃなくて、軽症とか無症状の人もなるらしいんです。こういうとこが、やっかいな病気なんですね。
いつか自分も年を取る
後遺症のコトを考えると、若者も人ごとじゃないんですけど…
それとは別に「姥捨て山システム」には、致命的な欠点があります。
それは、「いつか自分も年を取る」ってコトなんです。「年寄りは見捨てて、若者だけ救えばいいよ!」って言ってる人たちは、ここを忘れてしまっているんです。
じゃあ、自分が年を取って高齢者になった時に、次の世代の若者たちから見捨てられそうになったら、どうするか?
「自分が若い時に同じコトをやったんだから、素直に運命を受け入れるよ」となると思いますか?
そんな殉教者みたいな行為ができる人なんて、ほとんどいないんです。「いやいや、助けてくれよ!見捨てないでくれよ!」って言うに決まってるんです。人間って勝手ですからねw
結局のとこ「人ごと」なんです。「自分が同じ立場に立たされたら、どう思うか?」まで考えてない。つまり、想像力が足りてないんです。だから、「年寄りは見捨てればいいよ」なんて意見が出てくるんですね~
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