コロナが流行ってるなら、病院のベッドの数を増やせばいいんじゃない?

「コロナで世界を学ぶ」第33回。

なんか、いきなり感染者数が増えちゃいましたねw

昨日の東京の新規感染者数が2800人超えで、全国だと8000人近く。今日の速報値で東京3200人近くで、神奈川が1000人を超えてるので、全国だと8000人とか9000人になって、これまでの最高記録を更新するのではないでしょうか?

そんな中、今回は「病院のベッドの数」についてお話ししていきたいと思います。


日本のベッド数は非常に多い

実は、日本の病院のベッド数って、「世界一」と呼ばれるほど多いんですよ。1000人あたり13床となっていて、他の国の2倍とか3倍の数なんです(これでも、最近は減らしているくらい)


コロナに対応したベッドの数は少ない

ところが、「コロナに対応したベッドの数」となると、世界標準よりも少ないんですね~

ただし、これも悪いコトばかりではなくて…

ベッドの数が多いと、みんな油断しちゃうんですよ。1万床のベッド数に対して500人が入院してると「たいしたコトない」ように思えるでしょ?

これが1000床のベッド数に対して、500人だとどうです?50%!半分が埋まってるんですよ!「さあ!大変!なんとかしないと!」って思うでしょ?

そういう仕組みもあって、日本の感染者数は少なく抑えられているのではないかと思います。


じゃあ、ベッドの数を増やせばいいんじゃない?

「数が足りないの?だったら、コロナに対応したベッドの数を増やせばいいんじゃない?」と、当然思いますよね?ところが、これが結構大変なんですよ~

ベッドの数だけ増やすなら、超簡単です。でも、誰が看護するんですか?

もちろん、お医者さんや看護師さんたちが看護にあたるわけですが。コロナって他の病気と違うので、つきっきりで見てないといけないんです。他の理由で入院している人なら、1人のお医者さんや看護師さんで5~6人の患者さんの面倒を見ることができます。

ところが、コロナの場合は、1人で1~2人の患者さんの相手しかできないんです。


病院の一部だけをコロナ対応に変える

で、今、がんばってコロナ対応のベッド数を増やそうとしてるんですけど。これが、なかなか上手くいってないんですね。

なぜかというと「他の業務もあるから」なんです。

病院って、別にコロナの相手だけをしてるわけじゃなくて、他の患者さんも大勢いるんですよ。むしろ、そっちがメイン!

なので、コロナ対応のベッドを増やすとしても、病院の一部を利用して6床とか8床とか増やす程度のモノなんです。そのために、仕切りでガードしてウイルスが漏れないようにしないといけません。

超めんどくさいんです!しかも、そこまで対策しても、ウイルスが漏れちゃって、関係ない人にまで感染しちゃうかも知れない。

だから、どこの病院もやりたくないんですよね~

さらに言えば、お金もかかるし、できれば「呼吸器系の専門医」も1人くらいは置いておきたいんです。でも、そんな先生がいっぱいいるわけじゃないんですよ。1人育てるだけでも長い年月がかかるので…


もちろん、国も補助金を増やしたりして「どうにかベッドの数増やしてよ!」って交渉してるんですけど、なかなか難しいんですね。

やるとしても「善意」なんです。病院全体にコロナが広がったら大変だし。お金のコトを考えると割に合わないので。


病院のベッドが埋まっていないと利益が出ない

お金と言えば、実は病院って「常にベッドが埋まってないと利益が出ない」ようにできてるんです。なので、日本の入院日数って、かなり長いんですよね。

これは、いいコトでもあります。アメリカなんて、出産のために入院して、赤ちゃんを産んだら翌日には「はい!出て行って!」ってレベルですからね。それに比べれば、随分と幸せな国なんです。

でも、一方で「必要もないのに長く入院させられてる」という面もあります。

この辺、難しいところですよね~


で、コロナって「今年だけの病気かも知れない」んです。そうでなくても、時期によって入院患者数がマチマチなんですよね。

…っていうコトは、利益を出しづらいと思いませんか?だって「ずっとベッドが埋まっていないと利益が出ない仕組み」なんだもの。

そういうコトもあって、どこの病院もやりたがらないのかも知れません。

いずれにしても、「コロナに対応したベッドを増やす」って、簡単じゃないんですね~

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。