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「進化の歴史」(絵本)

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ヘイヨーさんの画力を上げるため、イラストつきの物語を始めます。 1作目は「進化の歴史」(完成!) 現在はスピンオフ作品の「2121 ~100年後の未来~」を連載中!
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#現代編

戦後の日本(進化の歴史~第71話~)

戦後の日本(進化の歴史~第71話~)

シカゴの街を飛び出したナイ・カモネは、旅先で次々と姿を変えながら、ニューヨーク → パリの自動車レースに参加したり…

いくつもの戦争に巻き込まれたりしながら…

ついに、日本に戻ってきました。

「ひさしぶりの日本だな。最後にこの地を踏みしめたのが、黒船来航の頃だから、実に100年以上ぶりというコトになるか」

さて、戦後の日本に降り立ったのは…

選択肢

→ 人間

  ネコ

  イヌ

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港町のネコ(進化の歴史~第72話~)

港町のネコ(進化の歴史~第72話~)

船から1匹のネコが飛び降ります。

「ニャ~ン」

船員「なんだ、コイツ?まさか、ここまで乗ってきたのか?」

…と、船員が制止するまもなく駆けていき、ネコは港町へと消えていきました。

江戸の街を飛び出し、黒船に乗ってアメリカに渡ったカエデは、白人・黒人と様々な姿に変わりながら、禁酒法時代には暗黒街のボスとして名を馳せます。

その後は、世界中を渡り歩き、ネコの姿となってこの日本に帰ってきたので

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生物の頂点(進化の歴史~第73話~)

生物の頂点(進化の歴史~第73話~)

ネコは、降り立った港町で、しばらくの間ゆったりと暮らすコトに決めました。

ネコには名前がありませんでしたが、道行く人々が適当な名前をつけてくれ、エサまで与えてくれます。

おばあさん「タマ!タマや~い」

女子学生「トラちゃん、もふもふしてて、やわらか~い♪」

漁師さん「ホ~レ、大五郎。捕ってきたばかりの魚をやるぞ」

「ニャ~ン。ネコこそが生物の頂点なのかもしれないな…」と、ネコは寝転がった

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テレビの時代(進化の歴史~第74話~)

テレビの時代(進化の歴史~第74話~)

ネコは、よく勝手に人の家に上がり込んでは、畳の上でくつろいでいました。

第2次世界大戦で大敗した日本でしたが…

戦後、急激なスピードで復興を遂げます。

特に科学技術の発展は目覚ましく、1950年代からテレビの普及も始まります。

おや?

テレビの中ではプロレスラーが戦っているではありませんか。

どっかで見たコトがあるような、ないような…

リングアナ「さあ、マエソンこと前田尊徳選手の登場

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マエソン vs パンダマン(進化の歴史~第75話~)

マエソン vs パンダマン(進化の歴史~第75話~)

「ありゃ、マエソンの子孫の子孫じゃないか。それに、もう1人の方も、昔『鬼ヶ島』にやって来たヤツに似てるな~」とネコは思いました。

リングアナ「さあ!世紀の一戦の開始です!」

カ~ン!とゴングが鳴り、プロレスの試合が始まりました。

リングアナ「マエソン、いきなり飛んだ~!」

しかし、マエソンの調子がよかったのは最初だけ。

試合は、終始パンダマンが圧倒します。

リングアナ「マエソン、ピンチ

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安倍のせんべい屋(進化の歴史~第76話~)

安倍のせんべい屋(進化の歴史~第76話~)

ネコは家を出ると、近所の商店街を散歩して回りました。

「ニャ~ン」と一声鳴くと、ネコは商店街を駆けていきます。

すると、途中でおせんべいを焼くいい匂いがしてきました。

安倍せんべいの店主「は~い、らっしゃい!らっしゃい!おせんべいはいらんかね?由緒正しき、陰陽師の家系の焼くせんべいだよ~」

学生B「安倍んちのオヤジが、また言ってる~」

学生A「そうそう。陰陽師の家系とか、うさんくさいよね

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タバコ屋のババア(進化の歴史~第77話~)

タバコ屋のババア(進化の歴史~第77話~)

ネコは店主のスキを突いて、サッとおせんべいを1枚かっさらいました。

安倍せんべいの店主「あ!コラ!この泥棒ネコ!」

ネコは店主の方を振り返り、キッとにらみつけます。

安倍せんべいの店主「ウッ…なんか弱いんだよなぁ、あの目。遠い昔になんかあったのかなぁ…?」

ネコはおせんべいをバリバリとカッ食らうと、通りの角のタバコ屋の前を通りかかりました。

学生B「山田んちのババア、あたしが生まれた時か

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ヤマンバの思い出(進化の歴史~第78話~)

ヤマンバの思い出(進化の歴史~第78話~)

サラリーマン「ばあちゃん、ローダークひと箱な」

おばあさん「はい、ローダークひと箱。70円だよ」

ネコは、その様子をジッと見つめています。

おばあさんも、何か感じるところがあったのか、ネコの側までやって来ます。

そうして、昔ばなしをしてくれました。

おばあさん「信じられないかもしれないけど、あたしゃ、昔、人を喰らうヤマンバだったんだよ」

おばあさん「それが、人との出会いがあたしを変えて

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おばあさん、カエデを追っかける(進化の歴史~第79話~)

おばあさん、カエデを追っかける(進化の歴史~第79話~)

ネコは、おばあさんと一緒に暮らし始めました。

…とはいっても、ネコは気が向いた時にフラリと出かけていって、食事や寝る時間に帰ってくるというコトがよくありました。

おばあさんは、江戸時代や戦時中の話などをよく聞かせてくれました。ネコが人間の姿をしてアメリカやヨーロッパなどを旅していた時代のコトです。

「あたしゃ、カエデがおらんようになってしばらくして、あとを追っかけた。箱根の峠を越えて、江戸に

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高度経済成長の時代(進化の歴史~第80話~)

高度経済成長の時代(進化の歴史~第80話~)

「ニャ~ン」と、ネコはひと声鳴き、金魚すくいの水槽に近づきます。

ところが、金魚すくい屋の店主に「あ!コラ!ネコを近づけるな!」と怒られてしまいました。

おばあさん「怒られちゃったね。代わりにお面を買ってあげようね」

お面ネコ「ニャ~ン」

時は過ぎ…

その後、日本は高度経済成長の時代を迎え、急激な発展を遂げていきます。

おばあさんとネコが住んでいる港町も、ガンガン発展していき…

中華

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目的を失った人々(進化の歴史~第81話~)

目的を失った人々(進化の歴史~第81話~)

1960年代、1970年代と破竹の勢いで成長を続けた日本でしたが…

1980年代に入ると成長も止まり、安定期へと移行していきます。

カラーテレビ、クーラー、自動車といった便利な機械が一般市民に普及し、人々の心は一段落します。

すると、今度は「何を目標に生きていけばいいのか?」がわからなくなる人たちが大勢現れました。

時は1995年。

そんな人々の心を具現化するような事件が起こります。

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カバラニアの化石(進化の歴史~第82話~)

カバラニアの化石(進化の歴史~第82話~)

ノンビリとテレビを眺めていたネコは、驚きました。

「アレ?あの化石って…!?」

テレビのアナウンサー「この化石は、体がカバ。鋭い歯は、まるでピラニアのようであるコトから『カバラニア』と命名されました」

レポーター「カバラニアの化石を発見した人に話を聞いてみましょう」

やる気じいさん「こんにちは」

レポーター「こんにちは♪この方は、ひとりでコツコツと化石を掘り続けていて、近所の人たちからは

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過去からの帰還者(進化の歴史~第83話~)

過去からの帰還者(進化の歴史~第83話~)

時は巡り、2019年…

この時、「世界の終わりを告げる詩」は、ヒタヒタと忍び寄りつつあったのですが、人々はまだそのコトに気づかずにいました。

ある街の真ん中に、まばゆい光が発生します。

中からぽしとたぽしが現われました。

ぽし「ふぅ…ようやく元の時代に帰ってきたね」

たぽし「ほんと。いろんな時代を巡って疲れちゃったわ。さっさとお家に帰ってオヤツ食べるわよ!」

ぽし「え~!さっき、お団子

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世界を覆い尽くす闇(進化の歴史~第84話~)

世界を覆い尽くす闇(進化の歴史~第84話~)

大都会の真ん中で、ひとりの男性がうずくまっています。

ところが、都会の人々の心は冷たく、誰も声をかけようとはしません。

すると、男はムックリと立ち上がると…

人々に牙をむき始めました。

「キシャ~!」

この男が、世界で初めて発見されたゾンビウイルス感染者。

ここから先、世界は瞬く間にゾンビ化していくのでした…

~第6部 完~

※明日から、第7部が始まります。

※残りは第7部・第8

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