気まぐれな仔猫
6部作 第3話
彼女と喧嘩した
毎回 早口の英語で捲し立てる
つい勢いで 出て行くよ!と
言ってしまった ……
彼女の性格を良く理解していたのに
言ってしまった ……
彼女からの一言は
男に、二言はないよね!だった
…………
そう 彼女は本当に自然体の人
取り返しがつかない言葉
1年の同棲生活が終わった
その日から駐車場に停めてある
SUVの中に荷物を詰め込み
車の中で寝た ………
翌日も、その翌日も……
そして不動産屋へ向かった
色々と物件を見ては 悩み
職場が近い 京王線の駅前
少し変わった間取りの2LDKを
借りる事にした
6畳二間に 12畳のDK
1人で住むには丁度良かった
彼女とのマンションを追い出され
家具も寝具も何も 無い部屋
住むだけで100万は掛かった
全く バカ丸出し!
仲間が色々と手伝ってくれて
少し変わった勾玉の硝子形のテーブルや
貰った250ℓの冷蔵庫
ベッドは奮発してクイーンサイズ
部屋の中イメージは南国風に
ブロックの上にTVを置き
照明は全て間接照明にしてみた
ベッドの横には波を照らし出す灯り
壁一面に 波が揺れている
車にサーフボードを積むのに
ラックと カスタムにマフラーを買い
シートはRECAROのSRを付け
車高を3インチアップしていた
そのカー用品店で ある女の子が
担当になった
見るからに……苦手な茶髪の子
口調も 私では無く アッシ ……
例えば、マフラーを選ぶのに
どのメーカーが良いか 音は?とか
聞くと、カタログやパンフレットを
持って来て そうだね〜アッシだったら
バラでパーツを揃えてオリジナルを
作るかなぁ〜!的な ……
初対面で どう考えても 僕の方が
歳上なのにイキナリのタメ口
フロアの責任者に あの子……大丈夫?と
思わず聞いてしまった ……
部品が入荷され 連絡を受け
店に行くと あのヤンキー娘が待っていて
色々な話しを している内に
余程 車が好きな事 まぁ熱弁が止まらない
そうなると、不思議と意気投合してしまう
ヤンキー娘に、思わず 越したばかりで
良かったら部屋に遊びに来るかい?と
勿論!下心などは無く 純粋に
もっと車の話しや その子自身の事を
知りたくて 言った 一言だったが
良く考えたら、そんな危ない事
何をされるか解らない………
しまった!余計な事を放ってしまった
と、思ったら 行く行く 仕事終わったら
だから、下で待っててよ〜っ!
僕は何か違うよな ……そうは思った
あっけらかん と行くって言うか普通?
まぁ、見事な走り屋仕様 フルバケットに
スッポリ収まり 彼女の雰囲気には
合っていた
塗装も塗り替え 車高は低く フルエアロ
大経ホイールに引っ張りタイヤ
ドリフト仕様 にビックリ
新たな住居に 案内して
色々な話しを聞かせて貰い
とても9つ下とは思えない 以外と
シッカリしている子だった
日付けが変わる前に 帰宅させたが
またもや、勢いで 彼氏居るの?と
聞いてしまった ……
答えはYes ……そこで一言
彼氏が居るのに、他の男の家など
ダメでしょ!
僕の中では、それは当たり前の事だった
が、誘う方も聞いてからにしろよ!
1度 仲良くなると 彼氏が居るか どうか
より 話しがしたくて良く店に通う様になり
他の女子店員とも 仲良くなって
その仲良くなった女子店員の1人と
これまた意気投合して 一緒に食事に行ったり
実家へ帰省した時は迎えに行ったりと
別に、付き合っている訳では無く
ただ妹の様な存在 10歳離れていたし
カー用品店に行く理由が増え 誰が目当てか
何が目的なのか自分でも解らないまま
3日に1回 もしくは4日に1回くらいだったか
店員全員が知り合いに なっていて
今日、休みですよ彼女は!と言われたり
僕が店を出た後に 彼女が来たら
今日来たっしょ!と電話が鳴る
何故解った?と聞くと 大体は香水の残り香
または、誰かしら店員からの報告
ある朝 仕事に行こうと玄関を出て
スグ横のエレベーターに乗り
下に着くと 見慣れた車が ………
中で寝ていた彼女を起こし
?どうしたの 何かあったの?と
聞いたら 車上荒らしに 遭ったと
その日は急遽 休みにして
彼女の車直しに ドタバタの1日だった
割られた助手席側の窓ガラス
コレを入手するのには友達の力を借りた
部品のブローカーを通し 解体屋や
色々と当たってくれ チューニングショップに
たまたま 有る事が判明 スグ買い付けに行き
友達のショップで 仲間が寄り集まり
ウィンドウを直した
その後 そのショップ内で 皆でカレーの
宅配を頼み 僕は彼女と一緒に1つのサラダを
カレーと共に 食べていたが!そう
この友達のショップで働いているのは
捲し立てた英語の 元カノ ……
終始 嫌味を言って来たが、別段
ヤンキー娘と付き合っている訳じゃ無く
偶然こうなった だけで! たまたまサラダは
一緒に食べたが 彼女は大盛りカレーで
1人でサラダを食べる程 余裕が無いからで
……もう見苦しい言い訳にしか ならない
ただ、事実を言っただけで
本当は僕が出て行くとは思っては
いなかっな のかも ……
その日 その夜 何故か彼女はウチでTVを
見ていた…… 不自然に いや、この子には
こんな事は 日常茶飯事なのかも
ジェネレーションギャップか、根本的な
考え方の違いか 悩んだ!
夜中になり さて明日は仕事しないと
幾ら自営業でも 2日連チャンではね!
と言った僕の言葉に じゃ、アッシは
シャワー借りるね バスタオル出しといて〜
………いや全く持って意味が解らない
落ち着くね〜この部屋!と ベッドの隣りで
僕の貸した部屋着の彼女が言った
正直 心臓はバクバクもの!
ただ、僕の中では 自分の彼女(付き合っている)
以外 変な?いや下手な? まぁ、手を出す事は
間違っても無い 自分のポリシーだから
そんな悶々している中 隣りでは静かに寝息が
あの日から、たまに夜にピンポーンと鳴り
ウチに泊まる………あのさ、前にも言ったけど
彼氏が居るのに 他の男の家に行くって
良くないよ! 良く考えてみて 彼氏が
他の女性の家に行くのって嫌じゃん?
と言ったら アッサリと あぁ、彼氏とは
別れちった と笑っている………
本当に掴み所が解らない 良い子なんだが
理解が難しい 難易度はMAXだろう!
店に顔を出すと、もう噂になっていた
妹の様に可愛がっていた子も 他の子達も
絶対に止めた方が良い!!!あの子だけは
と 皆が言う ……その真意が全く解らない
いや、確かに 普通とは違う感覚だけど
悪い子では無いし ………いや解らない
気まぐれな猫の様な子だから 人には
解らないのかも
やがて夜中のピンポーンにも慣れ 仕方ない
ので合鍵を渡し 好きな時に 好きに使えば
良いよと
やがて彼女はカー用品店を辞め
チューニングショップに職場を替えた
その辺りから 付き合うか!ってなり
今迄 バクバクものの悶々とした夜は
解消され 普通に ……いや普通なのかな?
相変わらず 衣服や下着類は ウチに置いてあるが
来る日と 来ない日
たまに、実家
彼女の実家は以外と近く まぁ、それなりの
住宅街に イギリス車とドイツ車が 停まっていて
両親は 会社の経営者の父親と、違う会社の役員の
母親 確か………妹が居たような?
母親は海外へ行く事が多く お土産には
ブランド物のバッグや 財布 正直
上流階級だろうか これも普通なのだろうか
ある日 彼女が雑誌に載った
元々が モデル並の顔立ちとスタイル
まぁ当たり前だとは思った
自分の車をバックに 3枚程 2人で行った
横浜中華街で 買ってプレゼントした
アンクルの飾りを身に付け全国誌に
その辺りから 少し様子が変わって行った
1度だけ聞かれたが 僕はNOと言った
夜の仕事
確かに キャバクラなどでは受けも良く
稼ぎも数段良くは なるだろう!
僕は基本的に夜の仕事が好きでは無かった
内容は ともかく 日中に働く事が 人らしい
古い考えだった 今思うと その人のライフスタイルに 昼も夜も 第三者に関係無いし
逆に自分だって 夜勤が在ったり 夜の仕事に
変わりはなかった
彼女が泊まりに来るのが 夜中って事が増え
理由を何気に聞いたら ドリフトを 山奥で
やっているから と ………
泊まりに来ない日は、カー用品店の女の子達から
聞いたが 前のチューニングショップの店長の
家に泊まったりしていて
ドリフトと言っていたのも 実は水商売だと
別に 怒りはしないし ただ好きでは無いと
言ったのが 嫌われると 思ったらしく
本当に野良の 仔猫みたいな子だった
ある日 ポストに合鍵が入っていた ………
その鍵を見て 悲しむ事も 淋しいとも
感情は湧いて来なかった 会いたいとは
思うけれど
1年過ぎた位に 新宿で仕事が終わり
電車で帰るか って 時に携帯が鳴り
伊勢丹で買い物しているが
プレゼントに贈る男性用 下着の
可愛いの どれが良いかな?と
アドバイスして、南口で待ち合わせ
彼女の車に久々に乗り
何故か そのまま立川の映画館へ………
相変わらず気まぐれで 安定していた
更に半年後 何を思ったのか 電話が有り
tattooを入れたい!と
反対はしたが 入れたい!と
仕方がないので 大和の知っているショップへ
柄を散々悩んだ挙句 僕の背中と腕を真似
太腿に 似た柄を入れた
何故?その柄を選んだのかは謎のまま
連れて行き 連れて帰り
その日が 顔を見た最後だった
1年後 電話で 妊娠させられた かも?
どうしたら良いかなぁ?と相談されたから
応えたが会う事は無かった
気まぐれな仔猫は今 何を しているのだろう
ちゃんと普通の生活を 家族で過ごしていて
欲しいな
そんな仔猫って居るのかな
皆様🤗こんばんは🌟
では良き夜を🍀
熱中症には気を付けて下さいね!
1度茹で上がった ゆで卵は
二度と 普通の 卵には 戻りません
人の脳も同じです‼️
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