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ショートショート ハロウィンのプリン

 鹿は甘いものが大好きでした。中でもプリンに目がありません。朝昼晩もおやつも夜食もプリン。食べすぎて体が卵の黄色に変わり、カラメル色の斑点ができました。大丈夫。むしろお気に入り。

「かぼちゃ入りのプリンがあるらしい。」友達の鹿が言いました。実はかぼちゃも大好物です。早速自分で作ってみました。甘い。うまい。夢中で作って食べてすぐにかぼちゃがなくなりました。友達に相談します。「いい方法があるよ。」

 ハロウィンの前、黄色い毛並みにカラメル色の斑点のある鹿が家の門に立ちます。「ランタンを作るなら、中身をいただけませんか? 少しだけでもいいんです。」

 みんな快くかぼちゃを分けてくれました。ある家が「今年は豊作だから」とまるごと一個分けてくれます。大きなかぼちゃ。是非とも持って帰らなければ。口にくわえて引っ張って、ヒュッと鹿の首が伸びました。ハロウィンの、パンプキンプリン好きの、鹿…じゃなくてキリン?

ショートショート No.158

Novelber No.2「屋上」 | Novelber No.4「紙飛行機」

140字小説版