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エッセイ 電車でGo to にゅうよーく(長良川鉄道「みなみ子宝温泉駅」のはなし)

※この記事は長良川鉄道の「鮎料理列車」に乗った時の復路のお話です。
 「鮎料理列車」の様子はこちら。

 鮎料理列車の終点は郡上八幡駅。「郡上踊り」で有名な城下町です。

 駅もどこなく趣があります。郡上八幡の市街は美しい水をたたえた水路と川に囲まれた古い街並みで、歩くだけで楽しいところなんですが、何分この日はこのまま帰宅しなくてはいけなかったので、帰りの電車でとんぼ帰り。
 とはいえ、ちょっと寄り道してきました。
 こちらです。


 子宝の湯。一見ただのお風呂屋さんに見えます。
 しかし、ここ、駅なんです。
 長良川鉄道には温泉に直結している駅があるんです。その名も「みなみ子宝温泉駅」です。

写真の看板は、駅におりたホームに立っています。


自動ドアを潜って、振り向くとこんな表示。

 ぐっと駅らしくなりました。

 長良川鉄道は1時間に1本から2本しか電車がありません。そこを逆手にとって、一回寄り道に電車をおりて、次の電車がくるまで1時間ほど、ゆっくり温泉に浸かれる、という寸法なのです。

 鮎料理列車には長良川鉄道の1日乗車券とこの子宝の湯の入浴券がおまけについていましたので、私もひとっぷろ浴びてきました。

 こんなお湯でしたよ、とお見せするわけにはいかないので、代わりにこの写真をどうぞ。

 一般道からも入れる「子宝の湯」の駐車場からの風景をとりました。緑に囲まれたいいところでしょう。道路の下には川が流れています。残暑の厳しいなかでも河辺のきもちのいい風が吹いていました。

 お風呂はひとちひとつが大きく、露天風呂もありました。とにかく風が気持ちがいいので、露天風呂はとても良かったですね。
 露天風呂で一緒になった女性が「孫がもう2時間も浸かってる」って、嬉しそうにおっしゃっていました。温泉が大好きらしい。帰りにアイスクリームなんか買って帰るんだろうか。素敵な休日です。

 お湯に浸かっていると「ずっとご一緒でしたよね?」と話しかけられて、今度は鮎料理列車で一緒だったご年配の女性とお話できました。年齢を聞いておどろいたくらい、すごく若若しくて綺麗な方でした。
 退職後、海外に旅行したりもしたけれど、今はもう体力的にも国内の日帰りできるところを旦那さんと一緒に楽しんでおられるとのこと。鮎料理列車には去年も来ていて、そのときは終点の駅まで言ってみたけど
「何にもなかったの!」
だそうです。だから今年は郡上八幡で折り返して子宝温泉に寄って正解だったんだそうです。そうかあ、終点にはなんにもないのかあ(それはそれで見てみたいですね)

 時間になって温泉から電車に乗りこむときもこの方は一緒で、でも旦那さんといらっしゃったので、私は遠くの席から拝見していました。仲良くなにか話しながらご帰宅されておられました。

 鮎食べて、列車にのって、温泉入って、いろんな女の人と話した夏の終わりの一日でした。

 楽しかったなあ。
 次はゆっくり、郡上八幡を巡れるといいなあと思いますね。

エッセイ No.74