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エッセイ集 へいたのはなし

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エッセイ集です。ここに書いていることだけは本当の話です。おそらく、多分、だいたいは。
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2024年1月の記事一覧

エッセイ 文明の力(ネコ戦記2024年1月)

エッセイ 文明の力(ネコ戦記2024年1月)

 毎月、月末あたりにその月の公募活動などをあけすけに書いています。
なんてあけすけな! 恥を知れ!

 1月はnoteをお休みしがちでした。忙しかったとか体調を崩していたとかそういうことでもなく、なんていうか、noteの記事ではなかっただけで裏でごそごそ公募用の書き物をしており、かつそれが公募の締め切りに間に合わなかった、という非常にカッコ悪いことになっております。

 日常の変化と言えば、私、何

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エッセイ 晒し一巻きほどの人生(「まぼろしを織る」ほか感想)

エッセイ 晒し一巻きほどの人生(「まぼろしを織る」ほか感想)

 私の母は浅草の靴職人の家に産まれた。高校生の頃、祖父が競馬の借金で首が回らなくなった上に酒浸りになったため、祖母に連れられて叔父と一緒に名古屋まで逃げてきた。祖父から逃げてきたはいいが、名古屋の方に親類がいるわけでもなかったらしく、しかも転居してほどなく連れてきた祖母が亡くなってしまったため、母は叔父を食わせるため10代で就職して働いた。

 ほしおさなえ著「まぼろしを織る」を読んだ。絹織物の仕

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エッセイ 盛岡文学さんぽ(盛岡旅行記その3)

エッセイ 盛岡文学さんぽ(盛岡旅行記その3)

 去年の冬の盛岡旅行記、「その3」で最後です。
 一応、小説アカウントなので、「らしい」ものも見てきました。

 これは、TEA HOUSE リーベさんのスパイスティーです。木曜日にスキを押した際、写真で出るお菓子を毎週アイスクリームにしようとしてお腹をすっかり冷やしてしまった夕方に駆け込みました。壁材や階段の飴色の木が歴史を感じさせる純喫茶です。ニ階の一部が吹き抜けになっていて、劇場の二階席のよ

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エッセイ 南部せんべいを食べ比べる(盛岡旅行記その2)

エッセイ 南部せんべいを食べ比べる(盛岡旅行記その2)

 漫画Dr.スランプに「則巻千兵衛」(のりまきせんべい)と言う名前のキャラクター(アラレちゃんを作った博士です)がいて、これが「海苔巻きせんべい」のもじりだとは分かっていたものの、「海苔巻き煎餅」自体が東海の辺境民たる自分には珍しいお菓子でした。

 この漫画には時々名古屋弁が登場して、どうも鳥山明は愛知県民らしい、とは思っていたものの、幼い私には「海苔巻き煎餅」は東京のお菓子で、せんべい、といっ

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エッセイ 盛岡は橋の街(盛岡旅行記その1)

エッセイ 盛岡は橋の街(盛岡旅行記その1)

 昨年の12月に盛岡を舞台にしたおはなしを書きまして、「スキ」を押すと東北にゆかりのあるお菓子の写真が日替わりで出る仕組みになっていました。このお菓子、実際に私が盛岡で買った(一部いただいた)ものです。そうです。昨年の秋頃、文学フリマ岩手への参加とは別に、もう一度改めて盛岡に観光に行っていました。一度観光した街をもう一度訪れるのは、少し街と親しくなったような気がして嬉しい気持ちになります。人付き合

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エッセイ 踏みしめるのは自分の足で(『未踏』ほか 感想)

エッセイ 踏みしめるのは自分の足で(『未踏』ほか 感想)

 漫画「大白小蟹短編集 うみべのストーブ」を読んだ。大学卒業後、小説を書かなく(書けなく)なった女性を描いた「海の底から」に感じるところがあった。

 忘年会の集まりで、大学の友人たち二人がフリーライターやフリーターをしながら、歌集を出したり、文学賞の最終候補に残ったりしている近況を聞きながら、『仕事を一生懸命やっている』という評価の主人公(桃)は二人にこう言われる。

 自分についてになってしま

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エッセイ ねこの初だくみ(ねこの悪だくみ2024年1月)

エッセイ ねこの初だくみ(ねこの悪だくみ2024年1月)

 謹んで初春のお慶びを申し上げます。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 毎月、月初めに計画などを書いています。年の初めなので、今年やりたいことを10個掲げてみました。

⒈唐揚げを揚げる
 揚げます。昨年やり残したことです。
 社会人になりたての頃、初めての一人暮らしで試行錯誤した結果「揚げ物はしない」ことに決めていました。しかし、おいしいらしいのです。揚げたて。思えば決めてから何年も

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