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9月29日:へいなか流 行動の促し方〜将来を人質に取る

おはようございます。

別に特殊なことを言おうとしているわけではないのに、目の前の人に必要なことは何かを考えて喋ると大抵ちょっと特殊なことを言ってしまう男・へいなかです。

今日は放デイでの実践例から、僕の常套手段のひとつをご紹介。

1)事例概要

特別支援学校高等部に通う男の子。基本的には非常に穏やかだが何か不足の事態が起きたり、情報処理が追いつかないと気が昂ってしまいがち。

先日こんなことがあった。

弁当箱を留めるゴムバンドが行方不明になり「前日に放デイに忘れていった」とのことで気分が落ち着かず、日課に参加できない状態に陥った。

放デイに来た直後からゴムバンドが気になって落ち着かない。他の子がいつもどおり日課をこなしていく中、彼だけが一人、荷物周辺やキッチンを右往左往。送迎した職員が一緒に探したが見つからず。

手詰まりになった。

ないね
また探してみようね
どこに行っちゃったのかな

そんなことを繰り返すだけ。もちろんまったく意味がないわけじゃない。一緒に探してあげることはとても大事。その中で本人は多少なり信頼を深めるし、何より一時的な落ち着きを取り戻す。…ほんの少しだけど。

30分経過。

ー・ー・ー・ー・ー・ー

2)安部が介入

所要時間10分。
最終的に彼は自分で全体の日課に参加した。

ゴムは見つかっていない。

さて何をしたのか。
ざっくり言うと次の2つを伝えただけ。

①状況の整理
②将来同じ状況が起きたらどうすべきか

「ゴムがない」「昨日施設に忘れていった」という主張を聞いた上で僕は彼にこう言った。

わかった。忘れていったのは多分事実だろう。でも今、探しても見つからなかった。

忘れていったのは事実だろうけど、もしかしたら自分で間違ってゴミ箱に入れた可能性はあるし、他の人が間違って捨てた可能性もある。

つまり「忘れていったのだから今ここにある」とは限らないということ。もし捨てられてたら、どれだけ探しても見つからない。残念だけどその可能性はあるし、そうだとしてもそれは忘れた自分の責任だ。わかるかい?

彼は確かに知的に制約はあるが、一応これに理解を示した。ゆっくりとこれを伝え、その上で数分待った。僕は別の作業をしながら。

彼は恐らく僕から聞いた話を頭の中で整理していたと思う。

数分後、「状況はわかったけどどうしたらいいかわからない」という感じの彼に僕はこう言った。

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こんにちは!へいなかです! 非行少年の地域定着支援を仕事にするべく、経済的な基盤をつくるためにアレ…

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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。