キャラだの個性だのでかたづける前に一旦考えてみた方がいい事実。
1.後天的な学習による動作の継承
少年院で面会に立ち会っていると何度も実感することだが…親子というのはやっぱり似ている。
体格や顔つき、声などの身体的な特徴が似るのはまぁ当然のこと。そんなことではいちいち感心しないが…面会で実感するのはそこじゃない。歩き方や話し方などの、動作の方だ。本当によく似ている。
僕は生物学的な意味での遺伝の仕組みをそこまで深く理解していない。歩き方や話し方も遺伝の影響が少なくないのかもしれないが…正直、遺伝より後天的な学習の方が大きな影響を与えていると思ってる。
親子で歩き方や話し方が似るのは、親の歩く姿を見て自分の歩き方を獲得するからだし、話し方も同じだ。一番身近で、最も濃密に接触する手本が親だから、歩き方や話し方が親に似る。遺伝子より学習の結果だと僕は考えている。
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2.動作で損する人たち
人は動作からもその人の内面を推察する。
肩で風を切ってガニ股で歩く人間を見ればたいていの人はヤクザかイキったガキだと思う。
うつむいてやたらゆっくり歩く人には「悩み事でもあるんだろうな」と思うし、消え入りそうな声で話されれると「自信がないんだな…」と思う。
たいていの場合それは事実で、そうした意味で歩き方や話し方が、キャラや個性と紐づいているというのもあながち間違ってはいない。
が…
ということを、多くの人が見落としている。というか、そこを無視して個性に紐づけることで自分を正当化している人(たいていの場合、あまり充実した人生を生きられていない人)が多いように感じている。
法務教官や学校の先生は見られる仕事だ。
子どもたちはその一挙手一投足を見ている。動きだけじゃない。髪型やメイク、ファッションにいたるまで、子どもたちは本当によく見ている。
当然…子どもたちから見た先生の印象も、そうした要素によって左右される。
言わずもがな、先生は信頼や安心、愛情を感じてもらえた方がいい。が…残念なことに、みずからの振る舞いで不信や不安を生み出している先生も少なくない。
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3.動作を内面に紐づける残念すぎる人たち
後輩の歩き方や話し方を見て「あ〜損してるな」と思うと、時々それを指摘する。どういう印象を与えているのか、どうすれば印象が変わるのか…。
でも、実際にそれを直そうとする人は極めて少ない。たいていの場合、キャラや個性、自信の有無と癖を理由にして諦める。
語弊をおそれず言うならば…
と思う。
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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。