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炎上させる人に欠けているもの。

燃えているのはたった一人だが…
燃やしているのは圧倒的に大勢の他人だ。

ネットの世界で起きる炎上は…

基本的には放火。

そこに火種があったとしてもせいぜい線香花火程度のものなのに…一瞬で延焼させて地獄の業火に変えるのはいつも,正義感に溢れたただの他人。

なぜ利害関係のない他人の言動にそこまで腹を立てるのか,様々な人が議論しているが,僕は昨日,ふと…1つの答を見つけることができた。

人を炎上させる放火魔たちに欠けているもの…

それは…

「信頼感」だ。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

昨日,僕はある記事を読みました。

尊敬する友人である金子ちひろさんが,自身の体験をもとに掘り下げた性の話。

最近,リミッターを解除して「満たしあえるセックス」を追求する赤裸々な記事を書いている彼女だが…

僕は昨日…

記事を読み終えて思考が進み…最終的に「炎上させる人に欠けているのは信頼感」という結論に至りました。

ここからは,金子さんの記事を読んだあとに僕の中で起こった思考を可能な限り忠実に言語化していきます。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

あ〜わかるわ。
反応しない男はダメだよね。
それはお互い楽しくない。
反応大事。
…ん?

待てよ…?

「反応大事」って,多少大げさにでもきちんと反応した方がいいってことだけど…それって普段,女性がよく言ってる「演技」も多少含まれるよね…。

でもやっぱりそれって,大事だよね。
…あれ?

そもそもこれ,きっと金子さんの彼氏も読むよな…。
大丈夫なのかな…?

俺なら,自分のセックスの時の様子書かれたらちょっと嫌かもな…うーむ…
…いや

ポリアモリーを公言して,積極的にコミュニケーション取りながらセックスを追究しているちひろさんが…

行為の時の男性の反応を記事にするのに,彼氏に黙ってるわけはないな。

そこは了承済みにちがいない。
俺なら自分の反応は記事にされるとちょっと抵抗もあるけども…

本人が納得した上で出してるんならまぁいっか!

俺は素直に楽しく読ませてもらおう!
…あれ?

もしかして…

この記事読んで「彼氏とのセックスを記事にするなんて,彼氏の気持ち考えろ!」ってクレーム入れる奴いるのか?

…いそうだな。
そうか…

俺はちひろさんがどんな人か知ってて,そこに信頼があるから…

会ったことも話したこともない彼氏のことも最終的には心配にならなかったんだな。「ちひろさんならわかってるだろう」って。
つまり…

作り手に対して「わかっててやってるん”だろう”」という信頼感があれば,放火はしないんだな。

「その行為で被害を受けそうな人」がいても,
「俺なら不愉快だな」と思っても…

この人がやってるなら対応済みなんだろう。
この人がやってるんだから想定済みだろう。

と思える。

信頼感がないから,その人の行為で被害を受けている人を勝手に作り上げて,被害者の気持ちを代弁するつもりでクレーム入れちゃうんだろうな。

こんな感じ。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

僕は正直,僕の行為中の様子を奥さんに記事にされたらちょっと嫌です。

だから…

書くと言われたら「え〜書くの?マジで?」と言うかもしれません。

だって,この先,人に「私の彼氏です」と紹介されるたびに,その記事読まれてることを考えなきゃいけなくなるから。

でも…

それはあくまで僕の感覚だし,もしちひろさんの彼氏もそうだったとしても…ちひろさんはそういうことを想定できない人じゃない。

「彼女のことだから,きちんと話し合ってから公開してる”だろう”」という信頼に基づく想像があったから…

僕は,

「被害者としての彼氏の気持ち」を勝手に代弁するような気にはならなかった。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

世の中で人に放火する奴らは…

自分とは違う感覚の人に対して信頼感がないのだろうと思う。

目の前の人の行為に対して…

「自分なら不快」
「自分なら不安」

という感覚に襲われる。

そして,

「きっとこの人の向こう側に,自分と同じような感覚の”被害者”がいるにちがいない!」

と考え…「その被害者のために」炎上を生み出す。

このママタレはきっと,タレントしながら家事や子育てもやれているんだ。時に人の手を借りながら,時に稼いだお金を使いながら。

今の私にはできないけど,彼女はきっとそうなんだ。

そう思えたら,ママタレのインスタに

「子どものことを考えろ!」
「子育ては遊びじゃない!」

なんて書き込まないだろう。

そういうのは,単純な知識の問題ではなく,世界に対する基本的な信頼感の問題だと僕は思う。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

この国では,買物してお釣りを数える人はほとんどいない。お釣りは,正確にごまかされずに返ってくることが当然だからだ。

でも…

違法薬物の売買や不良同士の中古車の売買では,確実に金を数えてる。お互いに。

お互いがお互いを信用してないからだ。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

僕は基本的にこの国の製品を信頼している。買ったら不備はないだろうと思っているし,頼んだものは来ると思ってる。

僕は基本的に友人たちを信頼してる。基本的にはウソを言わないと思ってるし,ウソをついてるならそれが必要な理由があるんだろうと思ってる。

僕は基本的にマンガの作者も信頼してる。マンガの中にピンチで笑える奴が描かれていたら…自分には笑えないとしても,「こういう場面で笑える奴がいるんだろうな」と思う。

僕は基本的に人を信頼してるから,何か突飛なことをしている人を見ても,それが僕にとって納得いかないことだとしても…自分が被害にあっていない限りは文句いわない。

突飛なことをやってるその人も「それで人が傷つくかもしれないことは十分にわかってやってるんだろう」と僕には思えるからだ。

人は見えないところがあって当然。

見えないところに被害者を想像するのか,
見えないところに穏やかな空間を想像するのか…

想像の起点には…

目の前の人に対する信頼が…
自分を取り巻く世界に対する信頼が…

大きな分岐点として存在しているような気がする。



放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。