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8月23日:リーダーを避けることがデフォルトの国でリーダーが育つことの難しさ。
おはようございます。
小学校の時、珍しく学校を休んだ日に勝手に立候補させられて児童会役員になった安部です。
#冷静に考えても人権侵害だと思う
#高校の時も強制的に学級委員をやらされた
さて今日は、コロナ禍が浮き彫りにしたダメリーダーのダメさと、その背景についてです。きっと多くの人が少なからず直面する事実だろうと思います。
1)はじめに〜公安職の話〜
9年勤めた少年院。
施設によって非常ベルが鳴る頻度は大きく異なる。僕が勤めていたところはそんなに鳴らなかった。
とはいえ…
ベルが鳴るかどうかに関わらずトラブルはたくさんあるし、制圧や手錠を使った連行もそれなりに経験した。法務教官は公安職だ。
公安職というのはある意味でトラブルに対応するのが仕事。時々、警察官や消防士を「あいつら暇そうにしやがって…」と揶揄する声を耳にする。
しかし
突発的に起こる危機的状況に対して十分に対処するためには、平時なら余るほどの人員を常に揃えておく必要があるのだから、ある意味で暇そうに見えるのは当然と言える。(当然ながら実際は暇ではない)
法務教官も同じだ。
学校なら生徒の用便には「サクっと行っておいで」で済むだろうが、非行少年を単独で歩かせることはできない。したがって、少年院では生徒がトイレに行くにも事務所に連絡して職員を一人派遣してもらう必要がある。
派遣された職員だってただ待機しているわけではないけれど…少なくとも「常に誰かは待機してる」という状態は必須なんだ。
危機的状況というのは、それに耐えうる最低限の人員を確保しておき、それを迅速に駆使することで対応するものだ。その手腕にこそ…リーダーの実力が表れる。
ー・ー・ー・ー・ー・ー
2)リーダーの本質は危機的場面でこそ表れる。
危機的状況は瞬時の状況判断の連続だ。衝突する利害のどこに折り合いをつけるかというバランス感覚が問われる。
瞬間的なやり取りだから「その判断をどう伝えるか」にその人の人間性や部下に対する考え方が如実に出る。
普段温厚で耳障りのいいことを言っている人が、危機的状況下で部下の都合を一切無視した自分本位なことしか言えないなんてのは、そこらじゅうで起きてる話だ。
トロッコ問題に代表される思考実験。そこには「なかなか起こりそうはないけれど実際に起きたら判断に迷う危機的場面」が多く登場する。橋の両側で妻と娘が別々に溺れていたらどちらを助けるか…など考えたくもない究極の二択だ。
「なかなか起こりそうもない」が起きてこその危機。災害ではそういう状況がそこらじゅうで起きていたはずだ。
『ORANGE』というTBSで放送されたスペシャルドラマには究極の選択に悩まされる救急救命士の姿がリアルに描かれている。
平穏無事な状態での状況判断というのは簡単だ。
正解は一つではないが少なくとも間違いは明確で、しかも緊急性は低い。穏やかに冷静に、そして話し合いながら対応することができる。
難しいのは…
どっちも大切なのにどちらかしか対応できない時や今すぐに決断をくださなければならないような緊急性の高い時、そして未知の状況だ。
危機的状況に際して普段どおりの手順を踏むことはできず、リーダーは自分で決めて迅速にそれを伝えなければならなくない。
当然「伝わらない」や「誤解が生まれている」という状況は発生しやすくなる。その溝に対する対応も喫緊の課題となる。
要するに…
危機的状況こそ、その人のリーダーとしての資質のすべてが凝縮されているのだ。
ちなみに…
危機に際して部下との間に溝を深めるような人間は、大抵平時でも小さな溝を生み続けている。
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3)リーダーになろうとしない日本人
学級委員でもPTA会長でも…リーダーの選出は多くの場合、立候補を募ることから始まる。そして大抵の場合、立候補は生まれない。
最初から立候補など募らず、全員を候補者として全員で「ふさわしい人」を選べばまだましだと思うのだが…
立候補を募る
+
候補者がでない
という状況は、場合によってはなし崩し的に惰性でリーダーを選ぶことに繋がる。そして…その空気感も含めて全員が共有してしまうから、リーダーに対する期待値は低くなる。当然、リーダー自身も消極的に仕事を処理することになる。
この国では、リーダーというのは「やらされるもの」だ。
そして
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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。