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正しければ変わらなくていいのか?

この記事は、僕が実際に塀の中で非行少年たちに語りかけた内容を記憶をもとに文字起こししたものです。生き方・在り方教育のヒントが見つかるとはずです。

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少年院に限らず、人が集まってればトラブルはあるわな。大なり小なり絶対に起こるもので、0になることはない。まぁ…少年院はさすがにトラブル多い方だと思うけどな。

なんで起こるかといえば…それは君たちが幼稚で下手だからだな。

少年院は確かに閉鎖的で多少窮屈な環境だ。24時間一緒にいて、それなりに人口密度も高い。でも…こんな環境は実はそこら中にあるわけだよ。甲子園に出るような強豪の野球部には全寮制のとこもたくさんあるしな。

じゃなんで君たちは下手なんだろな。コミュニケーションや問題解決が。

今日はそのへんの話をしよう。

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先日こんなことがあった。

突然ある人が不機嫌そうに俺のとこに来た。見るからに怒ってるから話聞いたら、こんなこと言うんだ。

ぶつかってきたのに謝罪もしなかった。
ムカつくんで文句言っていいですか?

いきなりそんなこと言われても意味わからんだろ?

だからとりあえず状況を聞いてみたんだよ。そしたらどうも…自分が廊下で作業してるところに通りかかった奴がいて、ぶつかったけど謝りもせず部屋に戻ってったってことらしい。だから文句言いたいと。

これどう思う?

俺は即却下した。

ダメだ。

文句なんて言う必要がないし
そもそも今のお前では話をさせる価値すらない。

ってな。

そしたらこんなこと言うわけだよ。

なんでですか。
向こうが悪いんだから文句言うの当然じゃないですか。

って。

ま…この中にその本人いるわけで、俺とのそのやり取り聞いてた人もいるだろうけど、これおかしいよな。

おかしいんだよ。
社会人としては二流以下だ。

おかしいところを整理しようか。

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業界あるある

放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。