世界が注目するカオス化する米国政治。市場の反応は?

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マネックス証券

チーフ外国株コンサルタント 岡元兵八郎

世界中のマーケットが注目していた米国ジョージア州の上院議員決選投票は、民主党候補が2議席とも勝利を収めることになりました。
これを受け民主党が上院で6年ぶりに主導権を握ることになりました。今回の二人の勝利を受け、上院は民主党、共和党議員共に50議席ずつとなるのですが、採決で賛否同数の場合はハリス次期副大統領が上院議長として投票権を投じることができ、実質民主党が上院の主導権を持つことになります。
これにより、大統領、上院、下院の三つを民主党が確保するという「ブルーウェーブ」の状況となりました。

大統領選の結果を議会での合同会議で正式に承認する予定であった首都のワシントンには、バイデン次期大統領の勝利を不満とするトランプ支持者が殺到しました。トランプ大統領がトランプ支持者を煽る発言をしたことがきっかけとなり、平和的に行われるはずであったデモは暴動へと変わり、トランプ支持者が連邦議会へ乱入し、議会で行われていた合同会議は中断されるという事態になりました。
その後、日本時間の朝10時には合同会議は再開されています。

係る事態を受け、ワシントンは現地時間朝の6時まで外出禁止令が発令されるという異例の事態となりました。
また、ツイッター(TWTR)はトランプ大統領が、2020年の大統領選挙について虚偽のツイートを行っているとして、同大統領のツイッターのアカウントを12時間使えなくするという異例の判断を行いました。

そんななか、昨日の株式市場の動きは

そんななか、米国株市場の動きはというと、ダウ工業株指数は1.44%、S&P500指数は0.57%共に上昇した一方、ナスダック総合は0.61%下落し一日を終えています。

昨日のマーケットでは、アップルやマイクロソフトなどの大型ハイテク関連には売りが先行する形となる一方、バイデン新大統領による追加大型経済対策が期待され、景気敏感株への買いが優勢となっています。皆さんの米株ポートフォリオで今年の米国経済回復関連銘柄をお持ちでない方は、今年はポートフォリオの調整を行う必要があると思います。
民主党による大統領、上下両院過半数獲得により、追加的な景気刺激策、クリーンエネルギー投資やインフラ投資が行われる可能性が本格化しており、皆さんの米株ポートフォリオもそのような準備が必要であると考えます。

今週の月曜日のマネクリで紹介した経済回復関連の参考銘柄は以下の通りです (株価は2020年12月31日の引値)

https://media.monex.co.jp/articles/-/15797

ボーイング (BA) $214.06
バンク・オブ・アメリカ (BAC) $30.31
ブッキング・ホールディングス (BKNG) $2227.27
シティグループ (C) $61.66
ディア (DE)$269.05
ゼネラル・エレクトリック (GE)$10.80
ゼネラル・モーターズ (GM) $41.64
サウスウエスト航空 (LUV)$46.61
ライブ・ネーション・エンターテイメント(LYV)$73.48
キャタピラー (CAT) $182.02
マーチン・マリエッタ・マテリアルズ (MLM) $283.97
ネクステラ・エナジー (NEE) $77.15
プラグ・パワー (PLUG)$33.91


大型テクノロジー銘柄が売られていますが、この売りは長くは続くとは思っていません。昨日変わったのはパセプション(見方)だけであり、ファンダメンタルズは変わっていないからです。

アップル (AAPL) $132.69
アマゾン (AMZN) $3256.93
アルファベット(GOOGL) $1752.64
ジュミア・テクノロジーズ(JMIA) $40.35
エヌビディア (NVDA) $522.20
ペイパル・ホールディングス (PYPL)$234.20
スクエア (SQ) $217.64


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