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アフリカ事件簿 #8 ~宿が、ない。~

宿関係のトラブルはピンからキリまでつきないのであるが、まずはわたしのアフリカ生活の中でも最も衝撃的だった出来事を書こうと思う。
 
アフリカの「モーリシャス」という国で国際会議を開くことになったのだが、社内でモーリシャス経験者はおらず、全てが未知だった。そんな中、わたしが国際会議の数日前にモーリシャスに入って事前に準備を進め、あとから同僚が合流し、開催する運びとなった。
 
国際会議の準備だけでも不安なのに、一人。しかも、初めての、英語圏でない国(モーリシャスの公用語はフランス語)。

この頃のわたしは転職して半年ちょっと、いっこうに仕事に慣れず、また社内で誰に頼っていいかもわからず、精神状態は悲惨なものであった。南アフリカ共和国からモーリシャスへ向かう飛行機の中では、ずっとボロボロ泣いていた。(ちなみにモーリシャスは、観光大国である。同じ飛行機でバカンスに向かう家族などは、ひとり号泣しているわたしを見て何を思っただろう・・・)

何はともあれ夜のモーリシャスの空港に到着し、モーリシャス政府の運転手が迎えに来てくれて、○ooking.comという宿泊施設予約サイトで予約していたホテルに向かう。

フランス語版で印刷したBookin○.comの予約確認書をもとに住所の場所に向かうのだが、宿が見つからない。近所の人に運転手が聞いてくれてくれているものの埒が明かず、ついには警察へ駆け込む。警察に予約確認書を渡して事情を身振り手振りで説明したところ・・・
 
「この住所は、ないですね」

!!!

予約した宿が、見つからない。
のではなく、

予約した宿が、(存在し)なかった。
 
結局、運転手が探してくれた近所のホテルに空きがあり事なきを得たのであるが、ショックとか悲しいとか辛いとか全てが吹き飛び、「こんなことあるんだ!?」と笑えた。人ってこんな風に笑えるんだ・・・と思ったあの日。
 

★後日談
国際会議の準備を進める傍ら、警察(首都の本部のいかついところ)に赴いて事情を聴かれ(英語)、警察の方がスラスラと作文。これで間違いないか?と聞かれてサインをした。
どうやら、わたしの宿がなかったのは「サイバーテロ」(という表現が適切かは疑問が残るが、ともかくわたしの聞き取れた中では)ということだった。〇ooking.comにもメールで事情を説明し、無事に返金対応してもらえた。
 
★後日談その2
到着日に泊まったホテルのフロントで、わたしが泣きそうな笑いそうな顔でチェックインしていたところ、日系企業の人(日本人ではない)に話しかけられた(英語)ため事情を説明したところ、近所のレストランで「災難だったね~」とごはんをご馳走してもらった。捨てる神いれば拾う神もいるものである。
 
★良い子の皆さんは、こんなことがあったら現地の日本大使館等に相談しましょう(わたしは焦りのあまり、すっかり頭から抜け落ちていた)。

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