娘のファーストキャリアについてアドバイスするならば
多分、時価総額ランキングだと思うんですけど、ツイッターで回ってきた画像。バブルのピークでは日本が世界経済を席巻していたようで、今の日本がGAFAMといった外資ITばかり話題になるのと同じような感じだったのでしょうか。ここから判るのは30年も経つと景色は一変しており、親世代が自身の経験を元に子供に将来のことを安易にアドバイスするのは危険だと思っています。
私が社会に出たのは上の画像から10年弱程あとですが、それでも名残は残っており、経済学部だったこともありNTTやメガバンクの前身やらが人気でした。ちなみに商社あたりは商社不要論が論じられていたことは覚えています。いずれにせよ1世代違うと個別の企業評価はまるで違う。
そうは言っても、キャリアプランなるものはなるべく将来を予測しながら先手を打っておくべき類のものですから、今後のトレンドのようなものについてはしっかりと考えておく必要があります。
国や産業単位で予測を立ててどうすべきか?みたいな問に答えるのは難しいのと外した時のダメージがでかすぎるしアジャストもできないので、個として何があっても生き残れるように力を付けつつ柔軟に対応できるようにするのが良いように思えます。確実に言えそうなことは日本では高齢化社会の問題が顕在化することくらいでしょう。
私の時はなんだかんだで日本は世界2位の市場で日本のプレゼンスは普通に高かった。外資系企業なんかではこれはとても重要で、日本のプレゼンスが低いと本社での重要度も当然下がる。Sell IBM in Japan, Sell Japan in IBMはすべての外資系企業勤務の人にとって念頭に置くべき考え方です。
しかしながら、今の日本は経済世界3位、10年後くらいには4位だろうか。
2050年の世界、中国減速もGDPは1位に 日本は成長最下位で7位 米国はインドに次ぐ3位 |ビジネス+IT (sbbit.jp)
当然「これから」キャリアをスタートする人は日本市場なんかとは心中はできません。海外勤務を含めて選択肢を確保する必要はあるだろう。2023年現在、日本のメシが美味いとか安全とか居心地がいいとか関係ない。
さて、前置きが長くなりましたが、大学3年生の娘の2023年2月現在での就活でのカードは以下のような感じらしいです。
1)外資系コンサルティングファーム3社
2)日本のグローバルメーカー(B2Bでセグメント1位)
3)外資系消費財メーカー営業職
4)マーケティングの会社
1は内々定有、その他は最終選考という状況。さて私ならどう読み解くか?
あまり勧められないのは(3)だろうか。私は多国籍企業のファイナンス専門職ですが、子供にはこれは勧めにくい。理由としては、前述の日本のプレゼンスの低下に加えて日本のローカルプレイヤーは利益率も低いくせにやたら品質が高くて外資系メーカーは基本的に日本市場では勝てない。競合が花王とか日立とかソニーや任天堂だったりすると日本市場は特殊なんですね。例外はラグジュアリーブランドくらいかもしれません。結果的に勝てないし将来性が無いという意味で重要性が低いんですね。
一応、多国籍企業で専門職なら海外勤務ルートもあるんですけど、グローバル企業の海外ポジションを取ろうと思ったら普通に海外有名大学卒は必須ですし、アグレッシブな外国人と同じ土俵で戦える日本人がどれだけいるというのか。これは昔の中国韓国が通った道でそのうちそれなりに出てくるとは思います。
多国籍企業の日本支社からの海外赴任についてはツイッターでレスをいただいているのでご参考まで。これは私にはよくわかりません。
(4)についてはよくわからないのですが、新卒で入る会社は事実上の最終学歴で社会人になったらついて回るわけで、新卒カード切っていく意味があるかは微妙でしょう。今もてはやされてる企業は確かに大概ピークアウトですが、たとえピークアウトしてようが普通に知名度や大企業を選んだほうがいいです。よくあるスタートアップやら中小企業が鍛えられるみたいなのは単なる生存バイアスであり嘘です。社会人のスタートという観点では絶対に有名大企業の方がいいです。
さて(1)か(2)なんだけど。わかりません。2については「女性」が活躍=出世できるのか?でしょうか。(1)はまあ生き残れればその後どうにでもなるでしょうから悪くないと思います。結局最後は人で選ぶんでしょうけどどっちでもいいというのが正直なところ。
ただ、大雑把に考えるなら(1)はおそらくどこかで転職します。(2)は会社と心中するつもりが良いと思います。
このご時世なので転職可能性みたいなところや海外留学みないなことも踏まえるならば(1)のコンサルから日系大企業は行けるが、日系大企業から外資コンサルは厳しいというのは大事な視点かもしれません。
個人的にはコンサルタントは今のご時世では新卒で行くべきで、これからリセッションで反動も予想されるなか5年後くらいに中途で行くのは自殺願望あるの?って思います。
もう一つの視点としては嘘か誠かわかりませんけどいわゆる働かないおじさんの存在で。これは日系だろうが外資だろうが居るわけですが、どういう環境で仕事をした方が満足できるのかは考えてもいいかもしれません。偏見ですがコンサルタントの忖度能力は異常に高いでしょうし上に好かれることが承認の条件なのは何処も同じです。
まあどのようなルートをたどろうとも最終的にはその人の器のようなところに上手く収まると思うので、時間の許す限り考えてみてそれでも迷うなら直感を信じて選んでもいいのではないかと思います。
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