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表紙の良さが8割

「デイトレード」は教科書的な本として広く紹介されている。

表紙(装丁、タイトル文字)のイメージから、少なくとも50年は読み継がれている名著と思い込んでいたが、よく見たら2002年刊行、著者のトレード歴12年と書いてあったので驚いた。

「何年ぐらいトレーディングをやっているのですか?」
「もう12年になりますね。6年間は初心者として、そして6年間はプロとしてね」
「負けたことはありますか?」
「もちろんです。負けることに関しては、誰にもひけを取らないですよ」

p37

内容的に買って損はないとは思うが
この本がロングセラーになっているのは、表紙の力が8割だと思う。守先正さん(モリサキデザイン)のグラフィックデザインが本当に格好いい。

 ・テクニカル分析(チャート)
 ・2日〜2週間の短期
 ・個別株

著者のスタイルのうち、テクニカルの考え方として役に立ちそうな箇所を引用してまとめた。



・ 情報は少ないほど良い

最高のトレーダーは、ミニマリストである。彼らは、安定的に機能する2つか3つの手法に気づき、そして、それを繰り返し使用する

p24

私が知っている成功したトレーダーたちは皆、買うか、売るか、様子見か、無視するかの判断を極めて単純な方法で行なっている。彼らは物事を必要以上に複雑にしない。

p124

・ 技術の習得

ほんの2〜3ヶ月でこのゲームを征服できると考えているなら、それは間違いだ。マーケットが十分に理解できるようになるまで、絶え間ない努力を払って数ヶ月から数年かかるばかりか、熟練の域というのは、考えられる限りの損失を経験し、肌で感じた後に自然と達するもののようである。

p22

トレーディングをすることで生計を立てようとする者の8割以上は6ヶ月以内に失敗する。

p100


・ 動かないこと

ポジションをとるとき利食いするときの両方で、
ベストなタイミングまで待つ(何もしない)ことが重要になる。

>ポジションをとる前に売却戦略を描いておくこと

>プロのトレーダーというものは、単なるギャンブラーというよりも、ポーカーのプロのようなものである。

p224

損益を見て動揺しないための、3つの方法が提案されている。

1)毎回の取引に際して、ポジションすべてを手仕舞うための水準を2つ設定する。
 →損切りと利益確定

2)ストップ・ロスに達するか、あるいは目標株価に達するか、いずれかが起こった場合にのみ売却する。

3)どうしても当初の売却水準に達するまで我慢できなくなった場合には、その時点でポジションの半分を売り、残りは当初の戦略通りとする。

p171


・ ホームランを狙わない

大儲けを狙うことは初心者の証でもある。トレーディングでの成功は数字を積み上げていくことであるといっても過言ではない。熟練したトレーダーは、1回で1万ドルを狙うのではなく、1000ドルを10回狙う

p123

プロのトレーダーは安定的にヒットを打てる打者なのだ。

シングル・ヒットを打つこと、つまり小さいが安定的な利益を得ることを極めなければならないのである。それが正しくできれば、そのアプローチは時には大きな利益をもたらしてくれる。

p242

アイザック・ディネーセンが、小説を書くことについて
「私は希望もなく、絶望もなく、毎日ちょっとずつ書きます」と言っていたのを思い出す。


その他

▶️ 利益を取りやすいのは寄りと引けの時間帯。
方向感がなくなるランチタイムに、わざわざ入る必要はない

東部標準時の11時25分から14時15分
我々はこの3時間を「白昼の無風地帯」と呼ぶ

p253

▶️ マーケットの下落局面で実力がわかる

全銘柄の9割が上昇している時に利益を上げることに才能は要らないということを認識してほしい。トレーダーの真の才能が明らかになるのはマーケットが下落している時である。

p278


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