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2023年9月の記事一覧

「ニュートレーダー×リッチトレーダー」 スティーヴ・バーンズ

先生として登場する「金持ちトレーダー」は指値のみで取引をするスタイルで、ザラ場でもパソコン画面を見ていない。アドバイスを受ける「新人トレーダー」は、以下のスタイルの投資家を目指している。 ・持ち越しあり(スイング or 長期) ・個別株 ・トレンド追従型 ポジションと勝率 ・1%のリスク:3%のリターンはであれば、非常に良い取引。 33%の勝率でも利益が出るし、25%の確率でもトントンになる。 ・本当にベストのタイミングであるなら、フルサイズで取引すれば良い。しかし、

疲れすぎないための方法

心の疲れをとる技術 下園壮太 ・エネルギーを消耗しそうな出来事は、同じ時期に重なりすぎないようにスケジュールを組む(旅行、繁忙期、家族イベント、手術など) ・無理して動けるのは最長1ヶ月と考えておく。 日常生活では「休む」「睡眠」も他の予定と同じように、時間を決めて取るようにする。 「社会的うつ病」の治し方 斎藤環 ・身体のケアを受ける 歯科、美容院、エステ、リフレクソロジーなど ・何かを大切にする コレクションや作品など「モノ」の場合もあるが、基本的には「人」 家

「動物感覚」 テンプル・グランディン

 著者のテンプル・グランディンは動物学者。牧場や食肉工場の動物に、人道的な扱いをするためのシステムを作ることに力を注いでいる。自身の自閉症の特性が、動物の心を理解するのに役に立っているという(あとがきでは、アスペルガー症候群と注釈されていた) 彼女の書く文章は端的で、翻訳書によくある「ちょっと気の利いた言い回し」のような表現がほとんどなく、事実を淡々と述べるスタイルの文章です。 第2章 動物はこんなふうに世界を知覚する動物は物事をあまり一般化しない 「飼い主の男性」に慣

「三島由紀夫」とはなにものだったのか 橋本治

平野啓一郎氏による三島由紀夫論が気になっているが、なかなか重い腰が上がらず、代わりに橋本治による三島由紀夫論のほうを再読した。 今回は試しに、執筆された順番で読んでみた(けっこう印象が変わる) 1) 序〜第一章 終章 6、7 2) 第二章 1、2、4、6、7 第三章 1、2、3、5、6、8 終章 4、5 3) 第二章 3、5、8、9 第三章 4、7、9、10、11、12 終章 1、2、3 補遺 本書は一貫して 「『豊饒の海』を書き終えたら死ななければならなくなった作

叶えられた祈り

 主人公は作家であり男娼でもある人物。お金持ちのコンパニオンもやっていて、ある日大きな事件に巻き込まれるという筋書き。 (コンパニオン=買い物に付き合ったり、食事の支払いをするなど、雇い主と一緒に行動する友人役のこと) 実名に近い形で社交界の暴露話を描いたため、著者=トルーマン・カポーティは多くの人の反感を買ったという。編集者や有力な人物に顔を売るのと同時に性関係をもつことが、ごく当たり前のように書かれており、スター同士が「素敵な関係だった」ことも普通だし、話題の中心は他人

私は「うつ依存症」の女 エリザベス・ワーツェル

 彼女が鬱を発症したのは小学生のころ。自傷癖があり恋愛にのめりこむ性格である。ハーバードに入学してからも症状は続き、精神科のケアをいくつも受けた。20歳で良い薬に出会い、自殺未遂などを経てようやく症状が落ち着く(というところで本書は終わる) クリスティーナ・リッチ主演で映画化もされています。映画で見ると怒鳴り合う夫婦の姿がリアリティすごい  主人公はステレオタイプな「メンヘラ」であり、とにかく他人に構ってもらいたいタイプ。うつ病というより、うつ症状を伴う何か別の精神疾患の