見出し画像

人が求めている絵、を考える。

はい。
人が求めている絵。まだまだ自分のような木端絵描きには難しいというか、悩ましい問題だったりしますね。
どうも世間からの評価を得られないなーとか、なんかそういうの。
その辺りを自分用の思考整理も兼ねてやっていこうかなーと思います。
とりあえずここでは個人制作で描く背景有りキャラクター有りの一枚絵を想定して書いていきます。
仕事の場合はクライアントさんの話をちゃんと聞くだとか、また少々違う話になってくると思います。

さて、人はどうやら感情に魅力を感じるらしい、という話は前回しました。

それは例えば、激しい怒りとか、悲しみとか、強い感情でなくとも“静かに暮らしたい”だとか、そういった穏やかなものでも伝わりさえすれば同意してくれる方が居るものだと思います。
感情は願いとか欲と言い換えてもいいものだと思っています。はたまたシチュエーションでも良いですね。
そしてもう一つ、性癖。
性癖を分かりやすく、伝わりやすく描けば、そこに願いのようなストーリー性が無くとも同意してくださる方は居ますね。

若干話が脱線するんですが、どうしてこういったものが共感を呼んだり、好まられたりするのかなーってところも考えておくと本能に起因するのかなって気がしますね。
性癖に関してはずばりそうなんですが(細かい性癖の内訳とかそういったあたりはその人それぞれの人生に理由があるものだと思うので飛ばします)、感情とかもそうですよね。
人は群れる動物なので、他人の考えていることや、同意できることなどには興味を持つものかなと思います。

まぁ、この辺りを分かりやすく描くというのが一番難しいんですが…。
大体の初心者絵描きはこういった欲などを表に出すのを恥ずかしがって、遠慮して描きがちです。その結果何を言いたい作品なのかが伝わらない。
僕の場合は恥ずかしがっているわけではないのですが、単純に表現が分かりにくくていまいち伝わらないようです。もっと表情をうまく描くとか、ポーズを伝えたいことに沿わせるだとか、工夫が必要ですね。そもそも伝えたいことが自分の中でハッキリしてない場合も多いんですが…。

あと若干また話が逸れるんですが、キャラクターイラストならなるべく全身を描いた方がいいのかもしれない、という仮説を最近持っています。
いやなんというか、例えば表情を見せたい絵なら顔のアップ、あるいはバストアップくらいの構図でいいんだと思うんです。
そして全身を描くことに拘りすぎると、イラストの視点…イラストを見る人とキャラクターの距離感が遠くなるというか、キャラクターよりも背景のが主役にもなりかねない、はたまたゲームの立ち絵のような感情の薄い絵になってしまいます。
ここで重要なのはシチュエーションが伝わること。
なんとなく、全身はこんなポーズをとっている、くらいが伝わる切り取り方は大事なのかなと思っています。
あんまり変にアップにし過ぎても伝わらないのかなーと。

さてはて、一次創作ならこれくらいのところを前提に好きなものを描けばいいでしょう。
なんだかんだ一番大事なのは自分が描きたいものを描くことです。自分を殺してまでやる創作に大した意味はありません。うまく伝えたいものを伝えられないどころか、長続きもしやしません。
どうせ自分が考えてることなんか伝わらない、といった考えもあると思いますが、そのメッセージに共感してくださる方はきっとどこかに居ることでしょう。人ひとりが持つ願いや欲なんてのはおおよその場合ありきたりなものです。他の人に伝わることなんか無いんだ…とか、変に自分を負の方向に特別視しているパターンとかありがちですが、まーーどこかに共感してくださる方は居ますね。大体の場合伝え方がうまくいってないだけです。少数派なのはもしかしたらそうかもしれませんが。

二次創作になるともう少しだけ考えることは多くなります。
いや、わりと大体の人は感覚でやれてることなのかなーとは思うんですけど。
二次創作の場合、基準となる世界観が公式としてそこにあるわけです。
そこから外れすぎたことをするとウケづらいと考えます。
性癖が絡むとちょっと例外が出てくる気もしますが…貧乳ロリキャラをクソデカ巨乳に改変して描いたりした時に、巨乳ってだけで一定のウケは得られると思うんです。でもまぁそういうのは置いておきましょう。

つまるところ、解釈違い。
このキャラはそんなことしないってやつです。
いやまぁ、「そんなことは分かってるがでも俺はこれを描きたいんだ!!」みたいな場合には話は別です。共感してくれる人はどうしても少なくなると思いますが、それをわかった上でやる分にはなんの問題もないです。ニッチな需要はちゃんとその界隈に広まりさえすれば強いです。
ただ、わかってないまま描いている場合もあると思っていて。「あれ、このキャラのこういう絵、あんまり共感を得られないのかな…」という感じで、なんか世間からズレたような感覚に陥ったりすることが…少なくとも僕にはたまにあるんですね…。

これが起こってしまう原因はおおよそ以下じゃないでしょうか。
・解釈違いである。原作と比べて、キャラクターの性格などが変わってしまっている。
・顔や体型が似ていない。あるいは自分の絵柄の中で自然にそのキャラクターを表現できていない。シチュエーションなどが一致していてもキャラが一致しきれていないパターン。
・キャラもシチュエーションも一致しているが、いまいち何を言いたいのかわからない。表現の問題。
多分この辺。
キャラが似ないのは結構致命的。絵柄は印象に直結します。私らが見たいのはそういう方向性じゃない、なんてのは言われがちかと思うので、キャラを似せて描く技術はどうしても必要になりますね…。
例えば二頭身キャラでシリアスな絵描きましたとか言われても困るじゃないですか。絶対コミカルな仕上がりになってると思うし。

解釈一致の範囲でなら多少想像を膨らませてもいいものだと思っています。
このキャラこういうことしそうだよね、原作には無いけど。とか。
こういう未来あるかもしれないよね、とか。
そういうのありそう!の中に、それっていいね!があるといいのかなと。
それっていいね!の中身は最初に話した感情、欲、願いですね。

こういう範囲の中で、自分が描きたいものを見つける。
あるいは自分が描きたいと思ったものを、以上の考え方で考え直してみる。

まとめると、
・感情、願い、欲、シチュエーションを分かりやすく表現する。
・それが二次創作なら解釈不一致になっていないか考える。
うわ、2行で終わってしまった。
まぁ、恥ずかしがらずに描くのが大事ですね。控えめな表現にしてしまうと言いたいことが伝わらないものです。
あと二次創作でちょっと繰り返しちゃいますが、やっぱりそれを見る人達の共通認識は公式です。公式がやってることから外れすぎちゃうと、どうしても「こういうのを見たいんじゃない」って感想を持たれることに繋がっちゃいますね…。
いや多分そうなんですよ、別にいちいち感想を聞いて回ったわけじゃあないですけど。
いやまぁギャグとしてはぶっとんだこともアリだと思いますけどね。ギャグならそれはそれでギャグでやってるってことを分かりやすくしていて欲しいなーって。

「それって良いね」を引き出すのって結構難しいですよね…。
人ってコンテンツに対してわりと飽きるんですよね。
なので、散々見かけてるようなネタだとあまり反応はもらえないかもしれません。
ちょっと新しい提案とか、昔流行ってたけど最近あまり見かけないようなネタだとか、なにかしらの斬新さがあるとなお引き出しやすいのかなーと思います。
これはそんなに難しく考える必要はなくて、新しいアイデアってのは単なる要素の組み合わせで、なんというかちょっとした新しささえあればなんでも良くて、なんならめちゃめちゃ流行ってるネタでない限りそれぞれの人にとっては意外と新しいこともあるのかなー、とかなんとか。
逆に斬新すぎるものはちょっと良くないとも思っていて、理解の外にあるようなネタは共感されないんですよね。これは極端な例で、本当にぶっとんだものを想定してますけど。
やっぱり、新しい。でもちゃんと理解できる、くらいのバランスが良いのかなーと。
ま、あんまりこの辺に振り回されてすぎて好きなもの描けなくなっちゃう方が問題なので、頭の片隅に置いておけばいいかなーって程度の話ですが。

まぁまぁそんなところで。お付き合いいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?