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読後感

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2024年4月の記事一覧

【読後感】ソシュール『一般言語学講義』影浦・田中訳(東京大学出版会)

【読後感】ソシュール『一般言語学講義』影浦・田中訳(東京大学出版会)

 ソシュールの言語学の講義録。ソシュールはスイスの言語学者。1857年に生まれ、1913年に亡くなった。ソシュールの思想は彼の講義に出席した学生のノートで知られてきた。中でも、バイイとセシュエが編集し出版された『一般言語学講義』は、近代言語学の確立に大きく貢献し、近代言語学の祖と言われている。だが近年、この講義録はバイイとセシュエがかなり大胆に編集したので、ソシュールの考えの流れを忠実に反映してい

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【読後感】中野信子『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(サンマーク出版)

【読後感】中野信子『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(サンマーク出版)

 中野信子『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(サンマーク出版)をKindle版で読んだ。
 運のいい人を科学的に書いているようなので、本書に興味を持った。私も強運の持ち主になりたいため。
 読みやすかった。運のいい人の共通点を科学的な事実で説明。運は生まれ持ったものではなく、考え方次第で良くなるとの事。意外だったのは、科学を標榜しているのに、祈ることも大切だと書いていること。それによって、運

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【読後感】カント『純粋理性批判』中山元=訳・解説(光文社古典新訳文庫)

【読後感】カント『純粋理性批判』中山元=訳・解説(光文社古典新訳文庫)

(2013.3.15 読了)

 哲学に興味のある人にとって、避けて通れない本がカントの『純粋理性批判』です。カントの代表作です。
 この書名にもある「批判」について触れたいと思います。一般的に批判というと、人の欠点をあげつらい攻撃するイメージがあると思います。ですが、カントの「批判」は違います。「明らかにする」という意味です。人間の理性と感性を明らかにすることです。この人間の存在の基本的な条件の

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