地政学の逆襲 [抜書き]
アラブの春がチュニジアで起こったことは偶然ではない。古代ギリシア・ローマ時代の地図を見ると、今チュニジアがある場所には集落があって、現代の殺風景なアルジェリアとリビアとは全く違う様相を呈している。地中海にシチリア島近くまで張り出しているチュニジアは、カルタゴやローマ帝国だけでなく、ヴァンダル、ビザンティン、中世アラブ、オスマンの支配下にあった時にも人口集積地だった。過去2000年に渡って、カルタゴ(チュニス)に近い場所ほど、発展の度合いも高かった。実際、ローマの将軍大スキピオ