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自分取材計画で、感情をコントロール!

東京の平沢です。
巷でよく耳にする「感情をコントロールする方法」。感情といっても、怒りや恐れ、不安など様々ありますが、今回のブログでは「怖い」という感情をコントロールできた体験を綴りたいと思います。

先月、バレーボールで左手小指を骨折しました。
手術をしないと指が曲がったまま伸びなくなるとのことで、大病院で手術することになりました。実は7年前にも指の骨折で同じ手術を受けたことがあり、その時の手術が怖かったという感情が甦りました。
2度目なので手術の流れはわかっています。わかってはいるけれど怖いものは怖いのです。さて、どうしたものか。

なんとか「怖い」という感情をコントロールできないものかと考え、思いついたのが「自分取材計画」です。ハートフルコミュニケーションで「感情に振り回されないための第一歩は、自分の感情を観察して、その感情に気づくこと」と学んだことを思い出し、「そうだ! じゃあ当日は、“自分の感情を取材する日”と設定して臨むことにしよう!」と心に決めました。
どうやら、20年前にハートフルコミュニケーションで、「学んだことを自分で試してみる」ことの面白さにはまって以来、学びを生かして問題解決に取り組むことがすっかり習慣となっているようです。

具体的には、「自分が何を見て、聞いて、触れて“怖い”と感じるのか」、という観点で取材をしようと考えました。自分が怖いと思うことを洗い出すことで、その正体が見えてくると思ったからです。
というわけで、手術前は、漠然とした怖さに暗い気持ちになることなく過ごせました。また、「怖い」という感情に飲み込まれず、客観的に手術の時間をすごせそうだと思えて、少しだけ心が軽くなりました。

さて、迎えた手術の日。
以下、取材モードの私の手記だと思って読んでください。

〜〜〜

指の手術なのに、大きな手術室に案内される。白い天井に白いモニター。無機質な手術台。ドラマさながらの照明器具の白い明り。視覚的に「怖さ」をなくす要素はゼロだ。
少しでもリラックスできるよう、看護師さんにいろいろとリクエストする。パンツのベルトを緩めてもらい、眼鏡もはずしてもらう。体への締め付け感・取り付け感がなくなることで、少し楽になる。

看護師さんに「怖いです」と気持ちを伝えると「ですよね、泣き出しちゃう人もいるんですよ」とよもやま話が始まり、また少し落ち着く。いつもならぐっとこらえてしまうシーンだがそこは取材モード、てらいもなく伝えてみたが、怖いという気持ちを素直に伝えるのも「怖さ」を遠ざけるポイントだとわかった。

「消毒しますね~」と、のんびりとした手術を担当する先生の声。高くも低くもないトーンに安心感に包まれる。
柔らかい布のようなもので、生温かい消毒液が腕全体に塗られる。意外とほっとする。柔らかいものと温かい温度という触感は、絶大なリラックス感を誘った。先生の手も暖かくて落ち着く。

手術開始。
手術している指は見えないよう布で仕切られている分、耳からの情報が半端なく入ってくる。「麻酔がちょっと痛いけど我慢してね」と言われ、ぶわっと緊張する。心電計のピッピッという音が自分の緊張度に合わせて早くなるようで不安を煽る。

さらに追い打ちをかけるかのような看護師さんのつぶやきが聞こえてくる。「血圧190の130 高いですね…」高血圧もちなので、さらに不安になり気持ちが悪くなってくる。
視覚情報はまだ目を閉じていればなんとかなるが、音の情報は聞きたくない情報も否応なくはいってくるのでやっかいだ。さらに、ビュビューンというドリルのような機械音。指に釘を差し込んでいるであろう音に、恐怖がつのる。怖い音に集中しないよう、気がまぎれそうな音を探してみる。

すると、手術室内に中島みゆきの「時代」という曲が流れているのに気づく。好きなサザンの曲だったらもっと気が紛れそうなのに、と想像する。視覚的にも天井に面白い映画やYouTubeが見られたら怖いのを忘れそうなのにと思いを巡らせる。

「はい、終わりました~」と先生の声。やっぱり先生の声はほっとする。
手術は無事終了。時間にして約30分。短い時間だったが、自分の「怖い」という感情をじっくり観察できたように思う。

観察してわかったことは、私にとっての「怖さ」の正体は、「無機質な感じ」のするものだった。視覚情報だと、白い天井やライト、手術台。音の情報だと心電計やドリルのような機械音。

逆に「温かい感じ」のするものは、安心できるとわかった。先生のゆっくりした声であったり、のんびりしたよもやま話であったり、温かい手であったり、消毒液のぬるい温度感であったり。もし、次に怖いと思うシチュエーションが訪れたならば、温かい感じの情報を意識して収集すれば乗り切りそうな気がする。

また、怖さを遠ざけるポイントもわかった。それは、「そのままの気持ちを伝える」こと。
話して、聞いてもらい、さらなる情報を得ることで(他の人はもっと怖がっていたという情報)、怖いのは私一人だけじゃないんだと気持ちが軽くなった。自分の中で抱えていた問題が、視野が広くなって深刻にならずにすんだ感じだ。いつもなら「怖い」気持ちをぐっとこらえて時間がすぎるのを待つところだが、取材モードで臨んだおかげでそんなお得情報も収集できたと思う。

〜〜〜

以上が手術で得た情報です。

振り返ってみると、取材モードをオンにしたおかげで、いろんな情報を得ようという意識が働き、「怖い」という感情に飲まれず、客観的に手術の時間をすごすことができました。
漠然と「怖い」と感じていた感情が、視覚・聴覚・触覚と、各々の感覚情報として仕分けでき、対処法を思いつくことができました。
まさに「怖い」という感情をコントロールできた気分!

今後、「怖い」にとどまらず、「怒り」や「不安」など様々な感情に対しても、取材モードのスイッチをオンにすれば、自分なりの解法が見えてきそうだと思えた体験でした。

2024年8月12日
東京都/平沢恭子 
NPO法人ハートフルコミュニケーション認定ハートフルコーチ

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今回取り上げる日記は、和木郁さんの「子育てを楽にするのは自分」 です。
テーマは、「立ち止まる」。

子育てをしていて、思うようにはいかずイライラしたり、どうしていいか分からなくて不安になったりしたことはありませんか。ついそれを子どもにぶつけて、「やってしまった」と悔やんだり・・・。
和木さんも、上の子を育てているときがまさにそうでした。ところが今、イヤイヤ期まっさかりの下の子を育てている和木さんは違います。
その変化を起こしたのが、「立ち止まる」こと。
これができるようになったことで、それまでの「怒る」一択から、選択肢が増えたそうで
す。

なぜ、切り替えられたのか。立ち止まって、どんな気持ちの変化が起きたか。
子育てがどう楽になったのか。そして、お子さんにはどんな変化があったか。
などなど、楽しくおしゃべりしながら日記の背景をさらにくわしく聞き、あなた自身の子育てを楽にする方法を探してみませんか?

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