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子育てほぼ卒業。バンド始めてみた♪ ❶

「面倒くさい」が「ワクワク」に変わる瞬間

定年退職した元上司から「おじさんバンドでビートルズやるんだけど、キーボードがいないんだよね。やらない?」と誘われた。
(バンド?私が?できない、できない!いや、今さら新しいことなんて面倒くさい)
思考回路が平常時であれば、即座に断っていたに違いない。ただこの日は職場の歓送迎会で、良い具合に陽気だった。
「キーボード?楽しそうですね~!最近、休日が暇だったんですよ笑笑」

2人の子どもは成人し、最近になり、休日はほぼ自分の時間だと気がついた。何をするわけでもなく「仕事の疲れを癒やす時間」と自分に言い聞かせて、ダラダラと過ごす週末。そんな矢先のバンド勧誘だった。

「よし!暇なら一緒にやろう。練習日が決まったら連絡するよ。」ということで、初のバンドメンバーとなってしまった。
「新しいことなんて面倒くさい」と思っていた私は、(調子に乗ってなんてことを言ってしまったんだ・・・)と後悔した。

ところが数日後、「楽しい!本当はやりたかったの!」と、違う私がワクワクしていた。実は音楽が大好きで、中学から高校まで吹奏楽部に所属していたし、今でも好きなアーティストのライブに出かけている。でもまさか、自分がやるなんて、やりたいと思っていたなんて・・・
いざ練習を始めてみると、できないことを頑張ることは楽しいし、できた時は嬉しい。仕事のことなんか忘れてリフレッシュもできている。誘ってくれた元上司が課長だった頃、「お先に~」とバンドの練習に向かう姿を思い出し、今なら許せるとうなずいた。
でも、ふと(何でだろう?このワクワクはどこから来た?私って、こんなタイプじゃないはず・・・)と不思議に思った。

それはバンド勧誘を受けた翌日のことだった。子ども達に「バンドやることになっちゃった。キーボードの練習しなきゃ」とテンション低めで打ち明けた。当然「60歳を前にして、これからバンドやるってどうなの?」と言われるのがオチだと思っていた。
ところが返ってきたのは、予期せぬ言葉だった。「すごーい!」「いいじゃん!」「かっこいい!」「がんばって!」と満面の笑みで応援してくれたのだ。
え?なに?この感情!すごく嬉しいんですけど。。。「ありがとう!がんばる!」
そう、この瞬間から私はワクワクしていた。


ずっと子ども達の夢を応援してきた。近頃は「子ども達が巣立ったあと私どうなる?」なんて不安に思っていた。でも「いいじゃん!」「がんばって!」と肯定の言葉で応援してもらったことで、「面倒くさい」が「ワクワク」に変わり、「ほんとはやりたかった」と知らない自分を発見することができた。

子育てを完全に卒業する前に、私は自分の夢を見つけた。
そして、バンドメンバーとの初顔合わせの日が来た。

ん?期待していたメンバーの反応が、何か違う。
「あれ?もしかして、私ってWelcomeじゃないかも?!」
現場からは以上です。

Hirorin
NPO法人ハートフルコミュニケーション認定コーチ


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