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遺言書を書いてみた~1日目(財産目録編)

税理士のオイラが遺言書を書き始めてから書き終えるまでの体験談。新型コロナウイルスで緊急事態宣言が出されることになり、自分の死んだ後のことが心配になって書き始める。そしたら、これが意外に大変な作業だと知る。みんなも命あるうちに書いておくことを勧める。

オイラは税理士だ。だから他人様の書いた遺言書はいっぱい見てきた。でも自分のは書いたことがない。

オイラは税理士だ。

税理士は相続税の申告書を作成するから、他人様の遺言書をいろいろ見てきた。

飼ってる猫の面倒を一生見てくれることを条件に、4,000万円をあげるというおばあちゃん。

身寄りが無いから、全財産を主治医にあげるというおばあちゃん。

放蕩息子にだけは遺産をあげたくないというおばあちゃん・・・etc

ここまで書いて気付いたけど、オイラが見てきた遺言書は圧倒的におばあちゃんが多かった。っつか、おじいちゃんいなかったかも。

まあ、そんなことはどうでもいい。

こうして他人様の遺言書をたくさん見てきたオイラだけど、自分の遺言書は書いたことがない。多分、働き盛りの人は大抵がそんなもんだろう。
持病も特にないオイラは、自分はまだ死なないと信じてきたし、もうちょっと年をとったら、病気になったら・・・と先延ばししてきた。

ところが、新型コロナウイルスで世界が混乱し、多くの人があっという間に死ぬのを見て怖くなった。

「オイラも死んだらどうしよう。」

遺言書を書くことを決意

オイラの配偶者は殿様だ。
(以降、殿と呼ぶこととする。)

殿は、殿様のように自分の家の台所事情は全く知らないし、そもそも興味がない。自分で銀行に行ったこともない。
自分の財布の中が乏しくなったら、「無くなった」と財布への追加補充をオイラに促し、オイラがストップをかけない限り、際限なく欲しいものをクレジットカードで買う。

ご飯も、
「〇〇が食べたい。」
こう言えば好きなものが食卓に並ぶと信じて疑わない。

「どんだけ甘やかしてきたんだよ。」と義母に文句を言いたくなるが、オイラも甘々にしてきたから仕方がない。

オイラが死んだら、殿は1人で名義変更、遺産分割協議、準確定申告、相続税申告などができるだろうか。そして、1人でお金を管理して生活していけるのだろうか。本気で心配になった。

殿に期待はできない。
わずかだが財産は少し残せるから、遺言書があればきっと誰かが助けてくれるだろう。

オイラは遺言書を書くことを決意した。

財産目録はめんどくせぇぇぇ

遺言書には3つの種類がある。

・自筆証書遺言
・公正証書遺言
・秘密証書遺言

この中で圧倒的にハードルが低いのは、「自筆証書遺言」である。
形式さえ整っていれば誰でも作れるし、なにより無料だ。
2019年1月13日からは、遺言書に添付する財産目録をパソコンで作成することが可能になっている。

自筆証書遺言に関するルールが変わります。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00240.html
法務省HP 自筆証書遺言の方式(全文自書)の緩和方策として考えられる例
http://www.moj.go.jp/content/001279213.pdf

よし、これで書こう。

遺言書を書くには、まず、財産目録を作らなければならない。
要は財産の洗い出しだ。

不動産、預貯金、株式、投資信託、生命保険・・・etc

不動産は簡単だ。
理由は、不動産持ってないから。アハハ。

次は預貯金。
パソコンに入力し始めてすぐに、これが結構面倒な作業であることに気付く。
銀行名と口座はわかっているけど、それをいちいち口座番号まで書かなければならいない。あ~めんどくせえ。

それに何なんだよ、楽天銀行のロックだのジャズだのっていう支店名は。
これは遺言書なんだよ。恥かしいだろ、オイラの財産がロックって、永ちゃんかよっ。

そんなツッコミをしてるから、作業は全然進まない💦

株式と投資信託も記載しなければ。

〇〇証券 口座番号△△ 銘柄×× 100株
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        ・

ふぅ~。これ、ほんとにイチイチ書くんかね。
書いてて嫌気が差してきた。

何が嫌って、銘柄を絞って、ガツンとまとめ買いしておかなかった自分が嫌になった。
優待目的で、チマチマ、チマチマと買い足してきた自分の人生が、何かこう、セコイ人生だったように思えてきたからだ。
オイラ、ちっちゃい人間なんだよ。

財産目録をここまで書くのに、4時間が経過していた。
オイラは通帳の保管場所とパソコンの前を何度も往復したし、金融機関のアプリとも随分とにらめっこした。

念のため言っておくが、オイラの財産は少ない。
ただ、数が多いのだ。

続きは明日にしよう。

続きは、遺言書を書いてみた~2日目(遺言書自筆編) をご覧くだされ。

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