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元大学職員が考える支援が必要なお子さんの進学先(高校・大学)の選び方~岡山~

18歳人口が減少=一般校入学のハードルは下がっています

県教育委員会は、少子化が進んでいることを踏まえ、県立高校の再編計画を策定しました。
しかし、地域から県立高校がなくなると、地元の中学生の進路選択や、自治体の移住政策などに大きな影響を及ぼすとして再編は進んでいません。また、県内の私立高校は2校が募集を増やすため、募集定員はあわせて5620人となります。お子様の学力を懸念する保護者の方も多いと思いますが、定員割れの一般校は入りやすい状況にあります。

大切なのは子どもに合った学校選び(中学→高校・特別支援学校)

進路選びで大切なのは、お子様の困難を予想すること。但し、一定の負荷(経験)が掛からないと自ら成長するチャンスを奪うことになります。まずは各学校(一般校・特別支援学校)の特徴(受けられる支援)を理解ください。

オープンスクール(キャンパス)の歩き方

各学校の特徴を理解するにはオープンスクール(キャンパス)があります。但し、全体説明を聞いて満足してはダメです。ほとんどの学校は学生募集の為に“いい部分”だけを強調します。個別相談がある場合は必ず参加し、お子さんの心配事を伝え、学校側の対応について確認してください。この回答が曖昧ならば学校としての支援体制が構築できていない場合が多く、進学先として相応しくないでしょう。支援が整っている学校は改めて別の日に相談をするともっと詳細に答えてくれると思います。

高校卒業後における進学の考え方(高校→大学等)

お子様の選択肢を増やすために大学・専門学校等への進学を考える方も多いと思います。ここでも少子化の影響で入試制度も多様化し、入学しやすい環境になっています。障がいを持つ学生に対する合理的配慮も義務化され、受け入れ態勢は整いつつありますが、ご本人の特性理解が不足している場合、中途退学に繋がるケースも多くみられます。
入学後、すぐに躓くのは履修登録。単位制で自由度が高く、授業間の空コマの過ごし方に苦慮させる方もいらっしゃいます。また、単位は取れるが、資格取得の為の実習に参加できない方も多く、卒業要件の場合は退学に迫られます。
大学等へ進学を希望される方はシラバスの確認は必須です。卒業までにどのような関門があるのか入学前の問い合わせ窓口は入試広報室となります。そこから専門部署に繋いでもらうことが重要です。文科省より障害学生に対する配慮が義務化されていますので、ここでの対応が悪いようならば進学先として相応しくない場合が多いです。

ある進路指導室の生の声

こちらが生徒さんにとって相応しくない進路と説明しても、ご本人・ご家族の意思が強ければ、そちらを尊重します。本人の意思に任せるという保護者の方も多いですが、社会経験もない子どもに判断はできないでしょう。
その結果、自己理解が不十分で誤った進路を選ばれるケースも多々あります。世間体などを気にするより、保護者の方はお子さんの将来にとってプラスになることを責任もって考える必要があります。

お金の話(奨学金)

私立大学に進学する場合。文系で授業料だけで4 年間で400 万円以上。
日本学生支援機構で第二種奨学金( 利息付・貸与型) を4 年制大学で合計384 万円、およそ400 万円を利率0.50%で借りた場合。返済回数は240 回(20 年)、返済額は月々16,855 円/最終16,950 円。22 歳で大学を卒業した場合は42 歳まで返済をしていくことになります。
進学がご本人にとってプラスになるのか、負担になるのか検討が必要です。

進路選択には自己理解が大切です。

進路選択には自己理解が大切です。先ずは何が苦手で、何が得意なのかをしっかりと考えてください。100%満足できる挫折のない進路選択は難しいと思います。むしろ挫折経験が成長する機会でもあります。
バリアフリーの生活ばかりで高齢者の足腰が弱るのと同じように、お子様が乗り越えられるような壁(負荷)を意識することも社会に出る準備となります。


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