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Report『小さな文法café@on-line_「意志動詞と無意志動詞って?」』

先日、初めての『日本語教師の皆様のための『小さな文法café@on-line①』を、開催させていただきました♬

2021年7月1日  15:00〜16:30開催
(実際は1時間も延長しちゃいましたが^^;)

な〜んの準備もせず、ただただ、ザックバランな雰囲気の中で、文法談義や、文法のお悩み相談なんかが少しでもできたらいいな〜くらいの気持ちで初回を迎えてみました^^;

今回は、参加者の皆さんの希望日時が合わなかったため、2日に分けての開催です。
➡️2回目は7月6日(火曜日)の14:00〜15:30です。1名キャンセルが出ましたので、どなたでもご興味ある方はお気軽にご連絡下さいませ♬
➡️ heart.international.japan@gmail.com


自己紹介、おしゃべり部分は割愛しますが、当日出たご質問と回答、というか、私の見解を少しまとめてみました。みなさんの見解と同じですか?!
(メモそのままで書いている部分もありますので、わかりにくかったらすみません^^;)
九州、関東、関西と、それぞれの場所からご参加下さいました^^


Q1:意志動詞、無意志動詞についてなんですが、結局「意思表現」ってなんでしょうか、、、?
例えば「人が集まる」って、、、意志動詞? 「水が集まる」って、、、無意志動詞みたい?
あと、「忘れる」、、、って無意志動詞だけど、「忘れたいって」、、、意志的?とか、分からなくなるんですよね〜。

A1:私は、なんですが、いつも生徒さんには「自分でコントロールできるかできないか」と、これだけ伝えています。
先ほどの「人が集まる」も、人が自分の意思で自分をコントロールしている実際の行動は、「歩く」とか「走る」とかで、その結果として、延長として「集まるという状態が繋がっている」と考えられるので、一見、「集まる」が意志動詞?のような印象を受けるかも知れませんが、やっぱり無意志ですね。

そして、「忘れます」に「たい」が付くと、「忘れたい」となって、これも意志動詞?無意志?と、ちょっと混乱するかもしれませんが、これも「たい」がついても「無意志動詞」ですね。忘れたい、という願望を持つのは自分の意思ですが、「忘れる」を自分でコントロールできるかというと、、、できないですよね?

ですので、やっぱり「意志動詞、無意志動詞」の分け方は、「自分でコントロールできるかどうか」という焦点だと思います。いかがでしょうか?!

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Q2:「ので」と「から」って、自分でもはっきりと違いがつかめてないんですが、、、。例えば、「暑いから窓を開けてもいいですか?」と「暑いので窓を開けてもいいですか?」って、「ので」の方が丁寧な感じはしますが、そういう違いってことなんでしょうかねえ、、、?

A2:こういう時は、具体的に場面を想像して考えて見ましょうか?
例えば
「暑いから 窓を開けてもいいですか?」
って、いつ使いますか、、、?
そう、ちょっと不自然ですよね?これが「あついから、窓を開けてもいい?」だったら、完全に教室で「生徒➡️生徒」に言っていますよね?
つまり、「カジュアルな場面」だったら失礼がないし、文法的にも「カジュアル文法」になっているので、場面と表現が完全一致しています。ですよね?

じゃ、「暑いので 窓を開けてもいいですか?」だとどうですか?
そうですよね、「生徒➡️先生」という場面が自然ですよね?!つまり「丁寧さ」が含まれているニュアンスを感じますよね?!

「文法の違い」に着目しすぎると、小さな、重箱の隅を突っつくような「点のような違い」を議論してしまうことが多くありますが、そうやって煮詰まったときは、逆に引いて見てみて、「全体的に場面を比べる」という風に見ると、「自然か自然じゃないか」「しっくりくるかこないか」という感覚で違いをはっきり捉えることができます。

日本語教師の目で見たり、日本人の目で見たり、と。
特に、「自然か自然じゃないか」「しっくりくるかこないか」の感覚は、「日本人の目」で見ることが大切です。っというか、そうすると、すぐ「答えが浮かび上がる」ことになります^^
頭じゃなくて、感覚、ですね。

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Q3:〜て あげる、を教えるときに、いろいろな格助詞が来るんですが、それがいまいち文法書を読んでもつかめなくて、、、。
例えば
●小林さんは李さん「に」日本語をおしえてあげる
●小林さんは李さん「の」仕事を手伝ってあげる
●小林さんは李さん「を」役所に連れて行ってあげる
の「に・の・を」の格助詞は、後ろに来る動詞によって、、、と書いているのですが、実際にどういう風に教えればわかりやすいのかなって、、、。

A3:ここは、まず、「〜て あげる」をとって、動詞だけで文を作ってもらいます。
●小林さんは李さんに日本語を教えます
●小林さんは李さんの仕事を手伝います
●小林さんは李さんを役所に連れて行ってあげる
という風に、です。ここで、まずは動詞と助詞の関係だけを確認して、ここが確認できたら、「〜てあげる」をつけて、助詞は元の動詞文のまま、という持って行き方をすればいいのでは?ということになりました^^
皆さんも同じでしょうか?!

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Q4:「いつ いくか わかりません」「いくかどうか わかりません」を教えたら、生徒から「かどうか、を言わなくて、「いくか わかりません」だけでもいいんじゃないですか?と言われました。よく考えたら私もこの言い方をよく聞くし、、、これって間違いなんでしょうか?

A4:確かに!と、私も今回、Yさんからこの質問を受けるまでは、全然この点について考えたことがありませんでした。
ですので、ここは私の見解、というよりも、参加者の皆さんから出たアイデアをこちらにまとめますと、、、

例えばビジネス場面で
「倉庫にあるか 分かりません」と言われたら、ちょっと対応に物足りなさを感じるな〜とのこと。
「倉庫にあるかどうか 分かりません」と言われたら、倉庫にある、という点だけじゃなく、「どうか」の中に、「他の場所のことも把握している」という感じが伝わる、とのこと。また、「倉庫にあるかどうか わかりません。ちょっと見てきます」と、誠意ある対応に繋がるニュアンスが含まれている、という見解でした。

つまり、カジュアルトークでいい場面は「かどうか」を省いても差し支えなく、フォーマルトークの場面では「かどうか」を省くと、丁寧さが省かれている感じがする。ということでした。

以上が、今回のcafétalkのまとめ、です^^

また次回のReportもアップしたいと思いま〜す♬


*2回目は7月6日(火曜日)の14:00〜15:30です。どなたでもご興味ある方はお気軽にご連絡下さいませ♬
(heart.international.japan@gmail.com)

はぁとinternational株式会社

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