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本筋に関係のない一瞬にだって,作り手の愛が込められてるはず

 昨日書いた広告会社男子寮のおかずくん劇場版の感想で「この映画はストーリーの筋よりも,忙しい日々の中みんなで集まってご飯を食べる時間の尊さとか,江の島の景色と料理とか,そこで遊んでる風景とか,そういうものが真のメインなんだと思います.」と書いたのだけれど,
これを書いていてコクリコ坂からを見た時を思い出した.


 コクリコ坂,初めて見た時は,OPの朝ごはんの歌いいな,コロッケおいしそう,海ちゃんの三つ編みかわいい,結構いいじゃんか~,と思っていたんですよね.

 でも9年の歳月を経て最近見返したとき,えっ全然好みの映画じゃないって愕然としたんです(ごめんなさい).
 物語の中心をろくに理解もせず,覚えているのは本筋に関係ないコロッケとか三つ編みとかそんなところばかりで,そんな状態で好きな気になっていた自分にショックを受けた.面白かったなんて言いながらも大切な部分何一つ理解してなかった.

 とちょっと前までショックを受けていたんですが,
海ちゃんが夕食に揚げていたアジフライとか,風間くんと食べていたコロッケとか,三つ編みのツインテールとか,そういうのって確かにストーリーの筋ではないけど,ストーリーの筋を構成するシーンと同じように作り手が心を込めて作った一場面なんですよね.
 食べ物をリアルに描くのってすごく難しいから,おいしそうだと印象に残っているのはアニメーターさんがしっかり作画してくれたからだし,アジフライを揚げるパチパチ音も音声担当の人が厳選して選んでくれていたのかもしれない.

 そう考えると,どんな場面にも作り手の愛や魂が込められているのだから,ストーリーの大筋とか考えずにちょっとした場面でときめく楽しみ方も全然ありなんじゃないかなと思いました.

 孤独のグルメとかそれの最たるものだと思っています.
 食事シーンってある意味「○○は食事を終えると…」の1文を入れてしまえばストーリーに差し障りない.でもそんな大筋とは違う場面をつい見てしまう.だからそれをメインにしてしまおうっていう.


 なんだかそれを思い出して,映画ならある程度ちゃんと話の筋をちゃんと見たいという気持ちもあるけれど,もっといろんな作品を自由に楽しみたいなと思いました.

ここまで読んでくれたあなたがだいすき!