一切皆苦、だけど

 この世には沢山の苦しみがあるかもしれないけれど、
そんな苦しみばかりの世の中をどう生きるかは選べるのかもしれない。

 苦しみがあるからつらい未来が待っていて、苦しみがないから幸せなんだと思っていたけれど、
苦しみのある世界でも、憂鬱だけに心を砕かず幸せのために生きる道も選べるのかもしれない。

 平日は憂鬱だけど、平日も休日みたいな幸せな気持ちで過ごせるのなら、たまにはありかなぁ、なんて。



 ミュージカル「エリザベート」の中の「私だけに」という歌の「たとえ王家に嫁いだ身でも 生命だけは預けはしない」という歌詞が好きです。

 魂を望まないものに明け渡さない。

 だとすると、自分の心は、魂は、どこにあるんだろう。
 多分、昼間に散歩している街角とか、お昼寝するベットの上とか、誰にも言えない頭の中で作った壮大なファンタジーの中とか、大好きな本のページとページの間に栞みたいに挟まってるとか、そんな場所に存在しているんじゃないかな。わからないけど、そんな場所をずっと失わないで欲しい。



 頑張れないことを正当化する理由がなければ頑張らなければいけないと思ってた。
 だから病気になりたかった。心も体もを壊して、頑張らなくていい状態になってしまいたかった。

 「頑張らないといけない」なんて、どうして思ったんだろう。
 よく考えたら、頑張らなくても死ぬわけじゃないのに。頑張らなくても生きていていいのに。
 義務なんかじゃなかった。


 もうずっと頑張りたくないと思ってた。

 だから頑張るの辞めようと思う。

 「頑張るの辞める」に対する他人の反応は十人十色だろうけれど、
「頑張らなければいけない」「頑張らないのは許されないこと」みたいな頭の中のノイズが消えて、ようやく自分の本音を認識することができた。


 もう自分で自分の心を削るような日々じゃなくて、なにもしないをするような、思考に沈むような穏やかな日々を過ごしたいんです。

 それをやってみようと思う。
 頑張るのが義務じゃないのと同じように、「なにもしない」をすることは誰にも禁じられていないのだから。




 ところで、厳密に言うと一切皆苦の苦って「思い通りにならない事」という意味らしいですね。生まれること・死ぬこと、老いること、別れること、とかって選べない。
 この世は苦しみばかりというより、まぁ自分じゃどうしようもないこともあるよね~、くらいの気楽な考え方の方がより好きです。

ここまで読んでくれたあなたがだいすき!