2023年1月8日(日) いつもの日曜日、アヘン王国潜入記

 考え事がしたいがために散歩に出かけ、本が読みたいがために電車に乗った。


 電車読書のおかげで無事「アヘン王国潜入記」読み終えました。

 ビルマ政府とか中国とかワ軍とかそのあたりの関係性についてこの本で初めて知ったので、まだちょっと理解が混乱しているんですが、とても面白かったです。

 アヘン栽培をしているとはいえ、作者の滞在した村の軍事責任者であるアイ・スンや村長のアイ・ムンなど、村人の持っている価値観は理解できるものに感じた(アヘン以外は)。
 アイ・スンもアイ・ムンも健在なら60歳前後になるんだろうか。この2人は作者と親しかったので作中でも沢山名前が出てくるんだけど、今元気にしてるかな、と読んだ後ふと気になった。

  作者はもうワ州の人々に会うことはないんだよなぁ。


 そして作者自らアヘン中毒を経験してレポートしているのはすごい…。
 アヘン=ヘロインのイメージだったから、アヘンを一度使ったら本当に死んでしまうんじゃないかと思っていたけれど、ちょっと違うようだった。
 といっても現代日本では絶対に使ってはいけないが。

 そしてアヘン中毒の状態について「喜怒哀楽が抜け落ちる」「欲望の器が小さくなる、いわゆる『煩悩』というものがなくなる」「心の平和さ加減では仏教の高僧にもひけをとらなくなる」と表現しているのが、なんかなんとも言えなかった。
 心の安定とか煩悩の滅却とかを目指していった先に何があるんだろう。
 人間は全ての悩みや欲望をなくすことができるのか?なくしたとしたらその人は人間といえるのか?


 ワ州のことも、作者さんのことも、知らないことばかりで面白かった。
 もっとこういった民俗学に関する本も沢山読みたい。なにから手を付ければいいか分からなくて困っているが。

ここまで読んでくれたあなたがだいすき!