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日本の広告から垣間見える男尊女卑

日本にいた時はそこまでは思わなかった。いや薄々感じてはいたんだけど、今ほど強くではないと思う。

でもロンドンの日本食屋でバイトしていた時のこと。ランチタイム以降暇な店だったので、ネパール人の寿司シェフといろんな話をして時間潰しをしていたある時、彼がこんな事を言った。

”イギリスは皆んな平等だからね。男も女も、お客さんお店の人も、上とか下とかアジアみたいにないよ。”

やっぱり!!!!!?????そうだよね!?!?

というか本来どんなに偉い人でも結局はただの人間だから、どんな人々も、どんな国の人も、どんな宗教の人も、どんな仕事の人も、平等なはず。。と日本にいた時から思っていた事を、肯定してもらえて気がした。

イギリスは特に国の一番偉いとされている人がエリザベス女王だし、最近まで頑張っていたメイ首相は女性である。

日本は女性が首相になったことがない。女性議員も全体の10%ほど。女性の大変さや社会での問題点は女性にしかわからない。男性政治家が女性の気持ちになって、女性のための政治をするのは無理がある。だからいつまでも男性中心の社会になってしまう。

私はフリーランスのフォトグラファーとして仕事をしているので、運よく仕事の時男尊女卑を感じる場面は一般の会社員ほど多くは無いかもしれない。しかし、私は背が低く童顔なせいでたまに男性から舐められているなと感じることがある。なのでいつも髪を短く切り、スカートもハイヒールも履かない。というか持ってない。舐められたく無いから。

さて、日本に帰国していつも思うことは街中や電車の中の広告の多さである。しかもほとんどが人間の顔を広告に使っている。帰国してすぐは電車に乗ると人間の顔の写真が多すぎ、色んな方向から見られているようで、落ち着かなかった。

しかも大半が可愛いアイドルや女優さんを起用している。化粧品などの人間の顔に関連し商品なら分かるが、飲み物やサラ金の広告にさえ綺麗な女性がキャラクターのように起用されている。

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日本に久しぶりに帰国した時、アコムの広告を見てちょっと疑問に思った。サラ金って女の人関係ないのになんで綺麗な女性を広告に起用しているのかだろうか?それは綺麗な女性を使うと印象がよくなる、そういう女性にもてなされると気持ちがいいという感情が根底にあるからではないか。つまり、日本ではもてなすのは女性で、綺麗な女性には日本の男性はお金を出すということになる。考え過ぎ?

ロンドンの広告はと言えば、そもそも広告がそんなにそここそに貼られているものではないので、見る機会がないのと、広告も日本ほどごちゃごちゃとぜずシンプル。悪く言えば凝っていない。飲み物の広告だったら、飲み物単体でドーンと真ん中にあり、はい終わりそれだけ。という感じ。写真が広告に使われていない場合も多い。

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イギリスは移民が非常に多く、多種多様な人々に訴求しないといけない上に、共通の考え方や好みを探すのは難しい。なので偏った趣旨の広告を作っても意味がない。なので結果的にシンプルになっているのだと思う。

またイギリスには性別から特定の職業を連想させる表現、また痩せている方がいいなど、特定の体系を良しとする様な広告表現を禁止する規制も存在する。特定の価値観から何かを決め付けるのは、あってはならない事なのだ。

先日久しぶり見た日本のCMで驚いたのが、”あなたのシミ、消しませんか?”というセリフだった。顔のシミ、シワは年齢を重ねると誰もが気になるものかもしれないが、これだと人のコンプレックスにつけこんで、”シミが顔にあるお前は美しくないからこの商品買え”という風に受け取れる。歳をとるのも、シワもシミも、誰が美しくないと決めたのだろうか。

私は職業柄、ロンドンでモデル事務所と連絡を取り合うことが多かったのだが、モデル事務所のHPでモデルさんを探すとき、日本では女性モデル、男性モデルの項目しかないのだが、海外のモデル事務所にはCURVEという項目があるときがある。カービィ、つまり膨よかな体系のモデルのことである。プラスサイズモデルとも言われているが、最近この分野のモデルの活躍は海外では目覚ましい。

リンクはカービィモデルのカリスマ、アシュリーグラハムのインスタ↓

ロンドンでは今まで以上に、多様性とともに自分を受入れてもっと愛することを大事にしている様に感じた。だって生まれ持った体や歳をとって行くことは、誰にもどうにも変えられないことなのだから。

しかし日本は単民族の島国ゆえ、住んでいる人口のほとんどが日本人で、そこには男尊女卑の文化が今も根深く残っていて、若くて可愛いくて肌が白くて痩せている方がいいされてる一つの共通概念がある。そして他人に左右されやすい人種なのだと思う。自分の好きな女優さんがCM出てたから、ビール銘柄はこれにしよう。皆んなが行ってるなら私も脱毛行かなきゃ。肌が白い方が男の人に可愛いと思って貰えるから、日焼け止め塗らなきゃ。この結果が広告に現れていると思う。

こんないい記事見つけました↓

今広告を作っているのは30〜60代。恐らく決定権があるのは年上の人たち。広告を通して男尊女卑や人に特定の価値観を押し付けていることや、広告を作る側と受け取る若者に価値観のギャップがあることに早く気づいた方がいい。もちろん全部じゃないよ。たまにいい広告もあるけどね。

今回の話題についてハートさん、デザイナーのまなてぃとトークしたよ!見てみてね↓

Photo credit of London: Ojars saulitis

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