ケニア旅行 -ナイロビ編-
ケニア旅行 ードバイ編ー からの続きです。
ドバイから再びエミレーツに搭乗。
関空-ドバイ線とはうって変わって、ドバイ-ナイロビ線は乗客のほとんどがアフリカ人。
機内にはむせ返るような強烈な香りが充満し、結局また一睡もできないままナイロビに到着。
前日の夜に日本を出発して、11時間のフライトを経て、ドバイで5時間動き回り、更にもの凄いにおいに包まれながらの空の旅5時間・・・、それでもまだ15時。一体何時間起き続けているのか。
入国を済ませ、荷物が出てくるのを待っていた両親と合流。
荷物が出てくるまで随分と長いこと待たされ、ようやく空港を出ると、迎えに来ていた日本人現地係員(ドラえもんののび太にそっくり)と、今後ほとんど毎日一緒に過ごすことになるガイドのピーターさん(オバマさん似)の姿。
一見どこにでもいそうな、いたって普通の日本人男性であるが、移動中の会話で、彼が筑波大学の大学院出身で未婚の33歳と発覚した時点から、ママがあからさまにのび太に興味を示し始める。
「あなたなんでケニアで現地係員なんてやってるの?大学で勉強したことと何か関係があるの?」
「いやー、全くないですね。」
「ちょっと、あなたもったいないわよ。いい人(仕事)紹介するから、日本に戻ってきなさいよ。」
車中が突然ハローワークと化す。
「毎日食事はどうしてるの?」
「基本自炊です。外食するお金もないですし、贅沢できる身分じゃないですからね。昨日もハンバーグ作っちゃいました。」
のび太の株価上昇中。
「今日は長時間のフライトでお疲れでしょうから、このままジラフセンターに行って、ちょっとキリンを見て、ホテルにチェックインしましょう。」
「ジラフセンターって、キリンがいるだけでしょ?動物園みたいなものでしょ?」とママ。
「そうですねぇ。キリンにあまり興味がない方だったら面白くないかもしれませんが、大きな動物園だと思っていただければ・・・。」
「なんだかあんまり面白くなさそうだけど、行かなきゃいけないの?」
「無理にとは言いませんが、でもせっかくいらっしゃったんですからね。
ナイロビの1番の観光名所みたいな所ですし、お疲れでなければ見られたらどうですか?」
「ふーん。そこまで言うなら行ってみるわ。」
そして噂のジラフセンターへ到着。
大きな動物園というか、キリンしかいないとても小さな動物園。
のび太、完全なるミスインフォーム。
餌を持っていると寄ってきます。
希望者はキリンと接吻も可能。(感染症にはご注意ください)
キリンにはあまり興味が無いと言っていたのに、一番はしゃいでいたママ。
敷地内ではマサイ族の人形も購入可能。
この子はマサイ族ではありません。
1時間ほどジラフセンターで過ごし、再びホテルのあるナイロビの中心地へ。移動中、車の窓を開けて写真を撮っていると、
「マリさん、ナイロビはものすごく治安が悪いところなんです。窓を開けて写真を撮ってるとカメラをひったくられることが多いので気をつけてください。」
「そうなの??話には聞いていたけど、ここそんなに治安悪いの?」とパパ。
「半端じゃないですよ。僕もこの前一人で歩いていたら強盗にあって、財布もパソコンも全部取られちゃいましたもん。」
「えぇっ?ひったくり?」
「いや・・・突然背後から首を絞められて気を失っちゃったんですよ。意識が戻ったら、鞄ごとなくなってましたね。でも気を失ったのが不幸中の幸いでした。命までは取られませんでしたから。ですので、これからホテルにチェックインした後は、ホテルから出ないでくださいね。」
「ちょっとくらい平気だろ?」
「ダメです。本当に危険なんです。そんな服装で歩いていたら恰好のカモですよ。」
「じゃあTシャツに短パンに着替えて現地人に馴染めば大丈夫だろ。」
っていうかパパ・・・そこまでして街に出たいの?一体何のために?
「俺、初めての土地に来ると、危険だとわかっていても出歩きたくなるんだよなー。」とパパ。
私の無鉄砲な行動力と放浪癖は完全にパパ譲りであることが判明。
ホテルのチェックインを済ませ、のび太とピーターさんと別れ、ホテルの部屋へ。
全室スイートって謳っているホテルだけど、所詮ナイロビ。全然たいしたことはない。
キングサイズのベッドに倒れこみ、夕食までの間一眠りしようとウトウトしていると、
ドンドンドンドン!!!!!
激しくドアが叩かれ、「開けて!!!!早く!!!!」と切羽詰ったママの声。
一体何事かと急いでドアを開けると、全裸で部屋に飛び込んできたママ。
( ゚д゚)
「シャワー浴びてたら突然お湯が水になって、しかもそのまま水まで出なくなったの!もうこれじゃ風邪ひいちゃうわよ。ちょっとシャワー貸して!」
と言って、私の部屋でシャワーを浴び、満足して自分の部屋に戻っていったママ。
どうやらナイロビの水周り事情は悪いらしい。
しばらくして夕食の時間。
ピアノの生演奏が流れているものの、いたって普通のレストラン。
メニューは英語で記載されているにも関わらず、イメージがわかないものばかり。
それぞれどんな料理なのか店員に説明してもらい、皆が同じものを頼むより、3品違うものを頼んで、3人でシェアしようというママの提案のもと、
「ナポリタンみたいな感じ」という説明を受けたパスタと
「チャーハンみたいな感じ」という説明を受けたご飯物と
「ほうれん草をクレープで包んだ感じ」という謎な料理をオーダー。
料理が出てくるまでの間、サラダバーでつないでみたけれど、残念ながら口に合うものはなし。
そして運ばれてきた今宵のメインディッシュ3品。
ママの前にほうれん草をクレープで包んだ感じの料理が置かれ、
パパの前にチャーハンみたいな料理が置かれ、
私の前にナポリタンみたいなパスタが置かれる。
ナポリタンの要素はあまり感じられないけれど、3品の中では見た目、1番無難そう。
とりあえずいただきます。
「あら、おいしい」とほうれん草のクレープ包みのようなものを食べたママのリアクション。
「・・・。」チャーハンもどきを食べて無言のパパ。
「うわぁ・・・」一口食べた瞬間、フォークを置いてしまった私。
なんとも形容しがたいけれど、こんな味のパスタを食べたのは生まれて初めて。
「これは、気をつけた方がいい。胃がおかしくなるかも。」と予め注意を促した上で、それぞれの食べ物をトレード。
ナポリタンらしきパスタを一口食べた瞬間、
「うわっ。なんだこれ・・・胃酸が逆流してくる・・・。」とパパ。
「わっ。何これ?ちょっとどうしちゃったの??」と吐き出すママ。
チャーハンもどきも、動物の餌のような味(動物の餌食べたことないけど)。
ほうれんそうのなんちゃらは、まぁ悪くない。
3人での交換タイムが終わり、再び私の目の前に戻ってきたナポリタン。
・・・。
「私、これにして良かった。2人とも頑張って残さず食べなさいね。」とママ。
え・・・??
3人でシェアするって言ったのはママだよね??しかも偶然ほうれんそうの料理がママの前に置かれただけの話なわけで・・・。
パスタに関してはもうこれ以上食べられないので、私のディナーはこれにて終了。
「ちょっと貸して。ママもう一口食べてみる。」と果敢に挑戦するも、
「ちょっとこれ、やっぱりどう考えても味がおかしいわ。支配人呼んで。」
でた・・・。
ケニア旅行における記念すべきクレーム1発目。
「どうかされましたか、マダム。」とすぐに現れた人の良さそうな支配人。
「ちょっと、これ食べてみて。」
「・・・????? 何か問題でもありましたか?」
「いいから食べてみて。」
パスタを口に運ぶ支配人の様子をレストラン中のお客が静かに見守る。
「・・・。」
「食べました、マダム。」
「・・・。これが普通なの??こっちではこれが普通の味なの??」
「お口に合わないようでしたらすぐに作り直してきます。」
「いや、こっちではこれが普通なら作り直してくれなくていいわ。」
「お口に合わなくて残念です。申し訳ございません、マダム。何か他のメニューをお持ちいたしますか?」
「マリ、どうする?あんた何も食べてないでしょ?」
「私今日はあまり食欲ないし。大丈夫。」と支配人に告げると、
「じゃあデザートをお持ちしましょうか。」というご提案。
そして出てきたデザートは、これまた口に合わず全てママの胃袋へ。
部屋に戻り、日本から持ってきた柿の種で空腹を満たし、シャワーを浴びて22時、これから1週間の食事に不安を抱きながら眠りに就きました。
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