カルチャーも事業も命も守りたい。テレワーク導入に悩む全ての人へ
緊急事態宣言を受けても、働き方に対して「特に何もしない」という回答が63%。初めてみた時は衝撃でしたが、もしかしたらこれは結構現実的な数字なのかもしれない、と感じています。
HeaR株式会社では、2月末から一部テレワークの導入と時差出勤の推奨を開始、3月末からは本格的に社員全員原則テレワークでの業務としました。「テレワークでも青春しながら働けるようね!」という私たち自身の学びをベースに、テレワーク導入支援なども事業として行なっています。
そんな私たちも、導入する前は不安だらけでした。
社員の命は守りたい。社員の大切な人たちの命も守りたい。でも、事業もカルチャーも捨て置いてはいられない。
当初「ミスコミュニケーションが起きるんじゃないか」とか、「会話の量が減って能率が下がるんじゃないか」とか、「商談、営業、クライアント様との会話は本当にちゃんとできるんだろうか」とか。ごく一般的に多くの企業が抱えているような不安を、私たちも抱えながらテレワークをスタートしたのです。
人事や総務、あるいは経営者の方と話すと、テレワーク導入の可否で頭を抱えている会社はまだまだ多いようです。冒頭の、「何もしていない」63%の中で、「テレワーク!?そんなん怠けだふざけるな!」と行っている会社さんの方が多分少なく、どうしたらいいかわからない、実務的にできない……と悩みながら現状、何もできていないという人の方が多数な気がしています。
悩みながら導入した私たちだからこそ言える、「カルチャーも、事業も、人の命も守るテレワーク」について、書きたいと思います。
テレワークで会社カルチャーを守るには
ほとんどの会社が、会社のカルチャーや色をとても大切にした上で人材の採用や事業展開を考えています。この”会社カルチャー”を小さく分解していくと、社員それぞれの行動指針に繋がります。
誰が、どのように、何を基準にして動くかを決める。これが会社のカルチャーを浸透させ、守っていくための秘訣です。
一般的に、会社のカルチャーや行動指針は、会社という枠組みに紐づいています。普段はそれぞれ別のところで別の人生を送っている人たちが、会社というフレームの中に入ることによってそのカルチャーや行動指針を共にするのです。
それにより、多くの人がイメージするテレワークの状態はこれ。
それぞれ働く人たちが、「会社の枠組み」の外に出てしまう、というイメージ。実は多くの会社で実際にテレワークを始めた時にこうなってしまいます。
なぜなら、カルチャーと共に行動指針が定義されていないから。です。
行動指針を定めることがカルチャーを守る
例えば弊社HeaRの場合、カルチャーは一言で言うと「働いて青春しよう」。社内にいれば、それぞれが仕事を楽しんだり青春している様子を見て自分もその青春の水準を合わせることができます。
しかしながら、会社から一歩出て「一緒に青春する人」「青春のお手本」がいなくなった時に、何をしていいかわからなくなる……この状態が生まれるとカルチャーが崩壊するのです。
会社カルチャーを個人ベースまで落とし込むには行動指針が必要です。そして、この行動指針は必ずしもオフラインで仕事をしていた時と同じである必要もなく、オンラインで仕事をするための行動指針にアップデートしなければなりません。
HeaRの行動指針は大きく分けて3つ。「愛」「守破離」「俺がやる!」「コトに向き合う」。これがカルチャーである「働いて青春」を全員で成し遂げるためのルールです。
このように、「個人ベースまで落とし込む行動指針」があれば、テレワークは機能します。会社という枠組みが必ずしも目に見える形でなくても、個人が会社という枠組みを家に持って帰り、その枠組みで繋がることができるのがテレワークの理想の形です。
▼会社のカルチャーや行動指針が整理できるシートをこちらで公開中です。
カルチャーが事業を守り成長させる
ここまででお伝えした通り、会社カルチャーとは分解すると個人の行動指針です。「テレワークで能率が落ちるかもしれない」と不安に思っている方は、ぜひこの行動指針を、テレワークバージョンにアップデートしてみてください。
テレワークバージョンへのアップデートとは、ものすごく簡潔に述べると「行動指針+その示し方(伝え方)を決める」ということです。
テレワークを始めると、どうしても会話量は減ります。それを活性化させること自体はとても重要なのですが、オンライン上での会話にはいくつかネックがあります。
・感情が伝わりにくい
・リアルタイム性が低い
・会話量に差が出てしまう
これらの改善を行うためのものが「行動指針と示し方」です。
例えば、成果報告のやり方。全員が気持ちよくコミュニケーションが取れるルール。オリジナルのスタンプや画像を作ってやり取りをしたり、WEB上で雑談ができる時間を設ける。
これらを会社のカルチャーに基づいて設計できれば、心理的安全性が担保されるだけでなく、それぞれの行動が可視化され能率が下がることもありません。
命を守るテレワークを導入すること
テレワークの導入を決めた企業の人事の方、情報システム管理の方、総務の方、経営者の方、お疲れ様です。勇気がいったと思いますが英断でした。
そして、まだテレワークの導入に踏み切れていない企業の方、お気持ちはすごくわかります。ですが、きっと大丈夫です。
テレワーク導入には、ツールの選定を含め多くの手順を踏む必要があります。そしてコミュニケーションが減ってしまったら……能率が下がって業績が悪化したら……と不安な企業が多い中ですが、従業員の健康と命を守りたいという気持ちは同じはずです。
気持ちのいいルールを作ること、見直すべきところを見直すことで、業績が伸びている企業もあります。良いところを見習って、テレワークの導入をぜひ検討してみてください。
スタートアップでがんばっております。ぜひ翼をさずけてください。