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【教育・受験】脳を守り、メンタルを強くする

こんにちは、健康マネジメントスクール水野雅浩です。

滝のような雨の後、今日は、カラッと気持ちの良い晴天です。これから一気に秋に向かっていく境目なのかもしれません。

実はこうした「季節の変わり目」は、私達の体にも大きな影響を与えます。受験や試験の対策とおなじで「傾向と対策」ができていれば乗り切ることができます。しかし、これがないと、体だけでなくメンタルも壊しかねません。

今回、ご紹介するのは、受験生、そして、勉強を頑張る学生たちに、もっと食べて頂きたい、良質なたんぱく質を含み、さらに、脳を守り、メンタルを強くする食材です。

それが、魚です。


魚は、たんぱく質の栄養価を示す、アミノ酸スコアが非常に高い食材です。

アミノ酸スコアとはたんぱく質の最小単位を評価した指標です。バランス良く100に近いほど理想的。アミノ酸スコアの低い食材を食べると、体の中で十分なたんぱく質を生成できないのです。すると、冒頭に述べた通り、筋力、体力、免疫力、集中力の低下を招いてしまいます。

魚介類は、牛肉や豚肉のように消化に時間がかかる脂や筋が少ないので、胃腸にとても優しいのです。

魚介類では注目すべき成分はDHA・EPA。
頭がよくなる成分として、有名な成分ですね。

脳の劣化を防ぎ、脳をよい状態を保つために欠かせない3要素があります。

それは、
(1)認知力を低下させないよう、抗酸化物質で脳の酸化(老化)を防ぐこと
(2)オメガ3脂肪酸をはじめとする、脳に良い脂質を摂ること
(3)脳へのエネルギーを運ぶ、心臓と血管を健康に保つこと

この3要素を満たす成分がDHA・EPAです。

魚介類に含まれている、DHA・EPAという成分は、1980年代に英国の脳栄養学者のマイケル・クロフォード博士が「日本人の子供の知能が高いのは魚を食べているから」と研究論文を発表したことで一躍有名になりました。

ではDHA・EPAは脳内で何をしてくれるのかというと、その働きは大きく5つ。

(1)脳神経を再生し、脳内の情報伝達の維持に役立つ
(2)脳内の酸化ダメージから、神経細胞を保護する
(3)潤滑油のような働きで、脳神経間の情報伝達を滑らかにする
(4)脳内に酸素を運ぶヘモグロビンが増え、脳細胞が活性化する
(5)脳内のゴミと呼ばれる、アミロイドβの大脳皮質への沈着を減少させる

近年の米国ペンシルベニア大学の研究でも、中国の9~11歳の500人以上の生徒を対象に、「魚の摂取量と学力の関係」を調査したところ、毎週魚を食べると答えた子どものIQ平均点は、「めったに食べない」「まったく食べない」と答えた子どもよりも4.8点高く、「時々食べる」と答えた子どもの平均点も、頻度の低い子どもの点数を3.3点上回ったと報告されています。

さらに、英国オクスフォード大学の研究では、DHAの血中濃度が高い子どもは読解力・記憶力が高い」と報告されており、さらに、鬱(うつ)になるリスクが22%低下と報告されています。

さらに、近年ではDHA・EPAの強力な「抗炎症作用」にも注目が集まっています。体外からの細菌感染や外傷等によって組織が傷つくと炎症が起こるのですが、DHA&EPAが火消し役として活躍することが分かってきました。(参考研究:女子栄養大学基礎栄養学研究所 川端瑞江氏)

・ 脳のパフォーマンスを上げ
・ メンタルを守り
・ 細菌の感染に対しても強い抵抗力を持つ

これほど、健康への貢献度が高い栄養素を持つたんぱく質はたしかに、そうそうありません。

勉強を頑張る子どもたちを必ず待ち受けるのが試験です。これから中間テスト、期末テスト。そして、受験を迎える学生もいることでしょう。

テスト本番で100%の実力を発揮する「本番力」を上げるうえで頼もしい、縁の下の力持ちのような成分なのです。


魚は、健康への貢献度が高いことから、「奇跡のたんぱく」とも表現されます。

ところが、近年は肉食が増えており、平成18年からは魚を食べる率が減ってしまっているのです。
・ 調理に手間がかかる。
・ 骨や内臓などゴミが出る。
・ 食べるのがめんどくさい。

料理をする側も、食べる側も理由があるのでしょう。

しかし、これは受験生にとっては、もったいない!

日本の食卓では、平均して週に2回がボリュームゾーンと言われています。
しかし、受験生の脳をアップグレードするには、さらにもう一食増やしてほしいところです。

では、食生活の中で、魚の摂取量を少しでも増やしていくにはどうすればよいのでしょうか。

はじめの一歩として、私のオススメは、朝ごはんにしらすや、ちりめんじゃこを加えること。

ちりめんじゃこであれば、冷蔵庫から取り出して大さじスプーン一杯を、温かいご飯に振りかけるだけ。


DHA・EPAは朝がもっとも吸収率が高いので理にかなっている上、一日のメンタルを安定させるカルシウムもたっぷり。もちろん、たんぱく質も補給できるので、まさに受験生にぴったりな、食材なのです。

また、子供が好きなカレーの具材に、サバ缶を使ってみてください。
サバ缶は、たんぱく質も豊富ですが、DHA・EPAがリッチに含まれています。

魚が苦手な子供も、これなら美味しく食べられることをお約束します。

最後まで受験勉強という過酷なレースを勝ち抜けるのは、勉強も健康も、基礎からしっかり作った生徒たちなのです。

まずは、朝ごはんに、ちりめんじゃこを熱々のごはんにかけて食べること。
次に、週1回、週に2回と魚の登場回数を増やし、最終目標は、週に3回は、お魚を食べるよう、献立を組み立ててみましょう。

これが習慣になれば、血中のDHA・EPAの量は十分に満たされ、脳も常にフレッシュな状態になっているはずです。


健康マネジメントスクール代表。予防医学の専門家。ビジネスパーソン/受験生に向けて「パフォーマンスをあげる健康マネジメント」をテーマに講師・執筆。著書『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。『睡眠力』は健康ランキング1位。中央大学法学部卒業後、介護事業の全国展開、香港でのレストラン事業、大手サプリメントメーカーでの商品開発の責任者を経験。「予防医学」「栄養学」「行動変容ヘルスコミュニケーション」を理論と実地で体系的に学ぶ。現在は、トヨタグループ、富士通、中外製薬、岩手銀行など大手企業を中心にビジネスパーソン向けに仕事のパフォーマンスをあげる健康マネジメントの講座を実施。行政では鳥取県、宮崎県、岩手県などで健康経営の導入講座。教育機関では台湾大学・進学塾で受験生・保護者向けに「受験に勝つ、本番力をあげる睡眠力」「頭がよくなる食事力」をテーマとした連続セミナーを行っている。講義では分かりやすくすぐに実践できる内容と満足度97.6%の高評価を得ている。




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