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良いセラピストって何だろう?

今回は自分の経験も踏まえて、良いセラピスト(理学療法士やら、作業療法士、言語聴覚士やら、柔道整復師、鍼灸師、マッサージ師などやその他も含めて)って何だろうな?と考えていることを書きます。

もちろん、答えは1つではありませんし、求めているクライアントの要望によって、違いが大きく出る事があります。

そのため、1つに全く限定できません。

しかし、私が勤めた2つの病院や、維持期リハビリとしての経験、さまざまな人からのお話を踏まえて、今思うことを書いてみようと思うのです。

みちしるべとして担える

まずは怪我をしてからすぐの急性期であっても、その他の回復期や維持期などその病態が発症してからどれぐらいの時間が経っていようとも、クライアントへ道を示す事が出来るセラピストは強いです。

何かしらクライアントは身体機能や住環境など提供してほしい情報、方法、解決策を探しています。むしろ、それが無いからプロに頼みたいという願いがあります。

その時に、「これがスタンダードな方法ですよ」「これは時間がかかりますが、改善を探っていきましょう」「ドクターに相談してみましょう」という、現在地を示すことと、先を見据えるビジョンを渡す事が必要です。

関係性を築ける

この関係性という言葉は抽象的です。

新人の時に「所属長です」「経験年数20年目です」「学会賞を取りました」など、肩書き1つで納得してもらえる場面が多いのも事実です。

新人の時はそれを言うのはズルいな、と思ってました。

しかし、今思うと、それによって希少性が相手に伝わって信頼性を獲得することも現場では重要だと思ってます。

特別な存在であると感じられる

関係性でキーポイントとなるのは、そのクライアント自身がセラピストから特別な存在として扱われていると感じられるコミュニケーションを取る事です。

特に、維持期では重要なポイントです。

病院、クリニックでは「退院」や「痛みがなくなる」などの一定の目標が必ず存在しているため、クライアントもそれに必死に取り組んでくださいます。

しかし、維持期となると長期戦となり、方向性が揺らいだり、時には失敗して自信を失ってしまったりと、励ましが長期に渡って必要な場面があります。

その時に、そのセラピストでないと打てない一手という手段が存在しています。

人によっては優しい言葉や、寄り添う姿勢、何か最新論文から新しい視点を見つけだす、などのここ一番の行動が起こせる人はその利用者さんは特別に目をかけてもらっているという存在を感じられます。

時間外で何か追加で提供するなどの負担を請け負うという意味ではありません。色を出せるセラピストって意味です。

また、個人の情報を覚える、家庭内ルールを知る、感じ取れるというのも大切なポイントです。

よく、担当美容師さんが過去に話していた内容を覚えていてくれたら嬉しいって感じる事がありますよね?あの感覚を提供できるセラピストって信頼されますし、良いセラピストだと思います。

第三者へも理解を得ることができる

「治療者−患者」という基軸だけでは医療現場・介護現場では完結しません。時には家族さんや看護師、介護者、ケアマネージャーさんなど他職種の方との関係性が発生します。

その時に、私としての意見を踏まえつつ、介入している他の人の意見も耳を大きくして傾ける必要があります。

決定・決断するのがクライアント一人では無いのです。

例えば、認知症の患者さんだと、寝たきりになると介護量が増えてしまって、家族さんが疲弊してしまう。だからといって、体が身軽すぎると独りで外出してしまって行方を眩ましてしまう。

元気では居てほしいけど、元気すぎると困るというジレンマが発生してしまいます。

そんな時には職種間、家庭内、他事業所間での考え、方向性をデリケートにバランスを取らなければなりません。

「個人」としての意見を踏まえつつ、Win–Winを探らなければなりません。時に、パワーバランスからLose–Win、Win–Loseを選びたくなる事がありますが、そこを根気強く探求できるセラピストは良いセラピストだと思います。

継続と新鮮を織り交ぜられる

身体的機能としても継続しなければならないエクササイズがあります。

しかし、脳科学としては新鮮な、新しいエクササイズによって脳が賦活(活性化)され、刺激となって身体機能へ良質な影響を提供することができます。

ボディビルダーも重さを変えたり、動かし方を変えたり、回数を変えたり、同じ筋肉でも刺激の方法を変えたりして筋肥大を求める「ゴール」は同じでも「プロセス」を変えて取り組んでおられます。

良いセラピストは語彙力がある人がスラスラと喋るような鮮やかさで、色々なエクササイズを彩る事ができます。

病院でのリハビリで1ヶ月入院でも毎日同じメニューをこなしていたら流石に面白みがなくなって辛いリハビリになってしまいます。

競争心が強い人は時間を測り、ゲーム性を持たせたり、景色が好きな人は屋外歩行を多く取り入れて、自然に触れ合える方法を取り入れたりして彩りを加えれる。そんなセラピストは「問題」に対して「解決策」を提供できるセラピストだなって思います。

特に、多種多様のコンテンツの時代でもあるため、リハビリをコンテンツとして楽しんでもらえるようなエンターテインメント性も感じれる方法を選択できたら強みです。

最後に

今、抽象的だけどそれができるセラピストって良質なサービスを提供できるセラピストだと思う意見を書きました。色々想起しましたが、嘘つかない、傲慢、利己的など「ダメ目線」のセラピスト記載ってSNS上でも多く意見が出ます。でも、良いと思えるセラピストの特質って何かな?って現状で考えられるトピックを挙げて、自分で噛み砕いてみました。

もし、新卒のセラピストの人や理想とするセラピスト像が見えない時、また、利用者さんでセラピストに悩んでる人などが見ていただければ、これが一つのみちしるべになってくれれば嬉しく思います。




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