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【介護保険】訪問リハビリをいつ始めるのがベストなのか?

お友達や、介護保険のスペシャリストであるケアマネージャーさんから、「訪問リハビリっていつ始めるのがベストなのか?」と、ご相談をよく受けます。

この疑問って当然なんですよね。ケアマネージャーさんはプランを作成しますが、ご提案するご利用者さんの「おサイフ事情」が必ず絡んできちゃいます。
さらに、ご本人、家族のご希望も無いのにリハビリは勧めるなんて時は結果がどう転ぶかも分からず、ドヤ顔でオススメしにくいサービスなんです。

ケアマネさんとしては、訪問リハビリを勧めたは良いけど、お金はかかるし、効果は無いし‥‥となれば、本末転倒。
「意味なかったじゃん!」と言われかねません。
ケアマネさんもリハビリした方が良い!と分かっていても、リハビリを始めるタイミングが難しいのです。

今回は、リハビリを始めるにあたってのおすすめタイミングと、その理由を説明します。

リハビリ介入のタイミングはいつ?

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4つのタイミングがポイント

私が考えるリハビリ介入タイミングで逃してはならないタイミングはこの4つだと思っています。
・転倒、転落
・入院、退院
・介護負担の増加(ADLの低下)
・新しく介護認定を受ける、区分変更

とはいっても、訪問リハビリって何のためにやるんだろう?

それは「自宅で動きやすくなるため」に行います。言い換えれば、「自宅で動きにくくなった時に始める」サービスなんです。

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病状(身体機能)と日常生活活動動作(ADL)の関連性を図にすると、上記になります。
年齢とともに、同じ運動量だと身体機能は必ず低下します。
歳には誰だって勝てないんですよね。
だからこそ、タイミングって大切なんです。

①転倒・転落のタイミング

ご自宅で転んでしまったり、ベッドから落ちてしまったり、そのタイミングは何か利用者さんの身体能力と自宅環境のギャップが起こっているサインです。

環境を設定し直す、というタイミングでもありますが、環境アプローチは身体機能が低下してきた事に対する根本的な解決になりません。もちろん、ご家族の介護負担が増えるタイミングでもありますので、1つの選択肢としてリハビリをご提案してみてはいかがでしょうか?

②入院、退院のタイミング

分かりやすい介入タイミングです。内科疾患、外科疾患に違いはあれど、何らかのカラダの不調があって入院します。入院中は行動を制限することに他ならないので、カラダの動きは低下します。

骨折、脳卒中のリハビリオーダーでもっとも相談を受けるタイミングでもあります。病院での環境から自宅への環境の変化で、ご利用者さんは混乱状態となります。
ADLが少し低下しているのもそのせいで、どれだけ病院でのリハビリがうまくいったとしても、ある程度カラダの状態は低下すると考えるのが良策です。

③ADL低下・介助量の増加のタイミング

ADLの低下は明らかなカラダ不調和音のサインです。
もちろん、カラダが動かないので、同居家族の介護負担は増え、不満も増えます。
ここはご家族の踏ん張りどころでもあり、場合によってはご本人の意思に関係なく、「施設に入れる」という選択肢が出てくるかもしれません。
1度、リハビリをご提案するにはちょうど良く、より負担の少ない介護方法の提案をすることができます。

④新規介護認定、区分変更のタイミング

新規の介護認定は認知面、身体機能面での明らかな低下サインです。
認知症の入口に何が良いのか?と、良く話題になります。
編み物をしたり、色塗りをしたりと、「運動する」ことが大切です。
それはリハビリに他なりません。

リハビリは「歩くぞー!」「スクワットするぞー!」と鼻息荒く、ガリガリ運動するだけではなく、指先を使ったり、習慣として行えることを探すこともれっきとしたリハビリです。

初めて理学療法士や作業療法士と出会うチャンスでもありますので、1度お試し体験をやっている事業所へ相談してみたり、「これが良いんじゃないか?」という希望を伝えてみてはいかがでしょうか?

リハビリは機会であり、理解であり、期待である。

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もしかすると、リハビリなんてしなくたって、手すり付けちゃえばいいじゃん!ヘルパーさんに頼めはいいじゃん!その方が結果が早くでるじゃん!と思われた方、わたしもその通りだと思います。

だって、リハビリは効果が出るのに少なくとも3ヶ月ほどはかかるものだからです。
しかも、介護保険での在宅リハビリは退院直後でなければ週に120分の利用制限もあります(医療機関からの訪問リハビリは退院直後3ヶ月は240分の上限で可能)。

ただ、リハビリって機会であり、理解であり、期待だと思ってるんです。

機会(chance)がなければ習慣は変わりません。生活を変えるためには習慣を変えないと変わらないですよね。ダイエットと同じです。

理解(follow)がなければ、ご家族は不満ばっかりたまってしまいます。ここではunderstandではありません。ちょっと利用者さんに寄り添うようなfollowの理解が必要です(実際に英語でもfollowは理解するという意味があります)。わたし達はご家族との潤滑油になることもできます。

期待(hope)がなければ、ヒトは絶望の中で、もがき、苦しまないといけません。なにか期待を持てるような、顔がスクっと持ち上がるような日常を、期待も持って生活も良いものです。

リハビリと他のサービスとの違い

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先ほども書きましたが、ヘルパーサービス、福祉用具などは実動的で即時的です。それに比べてリハビリサービスは理想的で長期的なサービスだと思っています。

そんなサービスだからこそ、リハビリの介入タイミングの4つ
・転倒、転落
・入院、退院
・ADL低下(介護負担の増加)
・新規介護認定、区分変更
この時に「あ!そうだ!リハビリだ!」と思い付いてくれたら嬉しく思います。

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