研究者番号を持たない理学療法士が科研費を取得するまでの道のり
みなさんこんにちは!
今回は少し変わったテーマの記事を書いていこうと思います!
この記事は現職の理学療法士向けの内容となっています!
科研費とは
科研費とは日本学術振興会が行っている、科学研究費助成事業において支給される研究費のことをいいます。
一般的には、研究者番号といわれる、e-Rad(府省共通研究開発管理システム)において研究助成に応募しようとする研究者に付与される識別番号がないと研究費の申請はできません。
しかし、唯一、奨励研究といわれる、研究助成であれば研究者番号を持っていなくても申請することができます。
奨励研究の申請条件は、教育・研究機関に所属するものであって、他の助成金の応募資格を持たない者とされています。
したがって、大学病院など大学関連機関に勤めていれば、申請することができるため、勤め先次第でもありますが、理学療法士でも科研費の申請が可能となります。
研究費用は1年間で10万~100万円とされており、初学者が研究を行っていく上では十分な費用を助成してもらえます。
ただし、採択率は例年15%程度であるようで、少し採択率は低めの傾向にあるようです。
科研費申請のきっかけ
私が科研費を申請しようと考えたきっかけは、大学院修士課程において、金銭的な問題で論文投稿先が制限されてしまったことでした。
誰しも研究活動を行っていくと、それを形として残していくため、学会発表や論文作成を進めていくと思います。
しかし、論文を作成するにはたくさんのお金がかかることがあります。
例えば、理学療法学やThe Japanese Journal of Rehabilitation Medicineなどであれば、無料で論文投稿ができます。しかし、その他の学会誌になるとページ数にもよりますが、4~6万円程度かかるケースもあります。そして、これが英論文となると、さらに英文翻訳や校正費用がかかるため、一つの論文を作成するのに10万円以上かかることがあるようで
当時の自分の研究費では、年間1本の和文を投稿するので精一杯であり、その他の費用に研究費を当てられなくなってしまう状況でした。
そんな時、職場の先輩から紹介していただいたのが、奨励研究への申請でした。
科研費取得までの道のり
当時の、自分は大学院修士課程に所属しており、卒業後は博士課程に進学する予定でした。そして、1本は英論文を書くことを目標としていました。
ですので、博士論文を書くまでには科研費の取得が必要でした。
しかし、科研費取得には科研費申請書を作成していく必要があり、自分のこれまでの実績や研究実施体制に関して記載する必要がありました。
ですが、自分はこれまで学会発表は2度しか行っておらず、投稿論文もゼロな状態でした。ですので、このままだと申請書の実績はスカスカになり確実に採択はされない状況でした。
そこで、修士2年目からは年に2度の学会発表を自分の課題としました。
そして、ここで意識していたのが、優秀演題賞など”賞の授与”がある学会中心に発表をすることでした。
学会発表の目的は、自分の研究成果を報告し、他の研究者から新たな意見を頂き、自らの研究を発展させていくことが目的であります。
ですが、自分は実績を積むことも目的としてたため、賞の授与など+αが得られる学会を中心に研究発表を行っていきました。
その結果、6回の研究発表のうち2つの学会で賞を頂くことができました。
また、学会発表以外にも研究論文も可能な範囲で投稿をしていきました。
そして、3本ほど論文を投稿した時点で科研費の申請を行いました。
申請書作成に関して意識したこと
申請書作成においては以下の点に留意しました。
①自分のアピールしたいところを太字+大きくする
②なるべく図解を入れて視覚的にわかりやすくする
③時事問題に絡めた研究課題にする
奨励研究の申請は毎年3000-4000件ほど来るようで、審査員の先生方はこの申請用紙一つ一つに目を通し、それぞれ審査項目に応じたランク判定を行います。
1人当たり何件分を担当するかは自分もわかりませんが、おそらく相当な量をさばいていく必要があると思います。
ですので、パッと見て研究者の研究意図や実績がわかる申請書でないと、詳細まで熟読してもらえない可能性もあります。
自分は昔から懸賞が好きで、よく応募をしていたのですが、その際も、自分のはがきが選考員の目に留まるように色を塗ったり、その企業に対するお礼などをよく記載していました。
懸賞の選考方法は、どのような形式なのかはわかりませんが、これをやることにより、結構いろいろなところで当選することができました笑
余談になりましたが、科研費の申請書も第一印象が大事だと思うので、その点には気を付けて申請書は作成するようにしました。
そうしたところ、無事採択され目標としていた英文投稿も達成できました。
科研費の申請となると、少々敷居が高いように感じますが、大学病院など研究機関に勤めていれば理学療法士でも申請することができるので、研究費が足らずに困っている方は是非挑戦してみてください!!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
また次回もよろしくお願い致します。
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