健康な腸を育てるためにできる第一歩は「よく噛んで食べること」

カラダの中で最も重要な「腸」を育てていくこと、優秀な腸を育てることの大切なポイントの一つに、実は食べ方があります。
腸機能を高める食べ方として、ダイエット効果にもつながる、今日からすぐに誰でもできる、簡単な方法をお伝えしたいと思います。

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私たちは食べ物を食べる時、まず口の中で噛んでから飲み込みます。そしてその時に「唾液」が分泌されます。唾液によって食べ物の分解が始まる、つまり全ての食べ物の消化は「口」から始まるので、咀嚼はとても大切だということが分かります。

また、よく噛んで食べるとお腹がいっぱいだと感じると思いますが、これは「満腹中枢」にレプチンというホルモンが働きかけることで、食欲の抑制とエネルギー代謝の調節を行っているからです。そしてこのレプチンは、血糖値を調整する役割のインスリンが増えることで作り出されます。血糖値は糖質を摂ると上昇します。

その糖質はどのように消化されるかというと、咀嚼する口の中で唾液が分泌されます。この唾液にはデンプンを麦芽糖に分解する酵素が含まれていて、分解された糖分が胃から腸へ運ばれ、小腸に存在する酵素によってグルコース(ブドウ糖)に分解され吸収されていきます。つまり糖質の消化も咀嚼がスタートですから、全ては噛むことにつながっているのです。

ところが、毎日の生活に追われている現代人は、咀嚼回数が少ない人、いわゆる早食いの人が多く、唾液が十分に分泌しないまま食べ物を飲み込んでしまう傾向が強くなってきていると言われています。また、早食いは肥満と深い関係があることも明らかになってきていますので、噛む回数を増やすことで消化吸収を助けると同時に、食欲を抑えることもでき、肥満を抑制することができるかもしれません。

ちなみに、唾液には発ガン物質の毒性を消す効果があることが分かってきており、唾液の中のいろいろな成分が毒消しの役目を果たしていると言われているようです。この唾液の効果は約30秒で最大となりますので、一口食べ物を入れたら目安として30回以上噛めばよいことになります。よく噛んで食べる=口の中で発ガン物質を迎撃してやっつけてくれる、というメリットと、よく噛むことで満腹感を高めることができる、という相乗効果も期待ができます。

そんなダイエット効果も期待できる、誰でも簡単に行える「よく噛んで食べるための術」をご紹介します。


1)時間に余裕をもち、しっかり噛んで食事をする

まずはしっかり噛みましょう。何か食べ物を口に入れたら、ひと口33回ほど咀嚼するように意識しましょう。食べ物が液状になって形がなくなるくらいまで、可能なら50回くらい噛むのがベストです。また、食事の内容にいくら気を配っていても、時間に余裕がなくて、いつも急いでご飯をかき込み、噛まずに飲み込んでしまうと、早食いの原因になってしまいます。食事時間をしっかりと確保することによって、食事に集中することができ、よく噛むことにも繋がります。ゆっくり食べることが大切ですので、特に昼ご飯や夕飯など、量を多く食べてしまう時間帯は、食事時間に余裕をもって、噛む回数をできるだけ増やすように意識しましょう。

2)水分を補充しながら食べる、但し噛んでいる時は水分は摂らない

飲み物を飲むタイミングは、口の中に何も入っていない状態がベストです。水分を摂ることで大食を防ぐことができます。しかし、せっかく食事中によく噛んでいたとしても、噛んでいる最中、つまり口に物が入っている状態で飲み物を飲んでしまうと、飲み物と食事が混ざって、飲み込みやすく、流されやすくなるため、嚼む回数が減ってしまいます。飲み物を飲むタイミングも咀嚼回数をあげるためにとても重要です。

3)口に入れたら箸を置く( 箸置きを利用しよう)

箸置きを使用することは、早食いの防止に役立ちます。食事中、ずっと箸を持ったままの状態でいることが多くなると、ついつい口に食べ物をどんどん運んでしまい、早食いになってしまいます。箸置きを使うことで、自然と箸を置くことができますし、箸を置いてゆっくり噛んで食べる、という意識にもつながっていきます。最近は家庭でもあまり箸置きを利用しなくなりましたが、ぜひ使ってみましょう。また外食する際に箸置きがない場合も多いと思いますが、そういった場合は一口入れるごとに箸を置くように意識してみると効果が期待できます。

4)食材を小さく切りすぎない、調理しすぎない

食材を小さく切ってしまうと、少ない咀嚼回数で飲み込めてしまいます。そのため、食材はなるべく大きく切って、咀嚼回数を増やすようにしましょう。また、長時間の調理で食材に火が通りすぎてしまうと、食感が失われてしまって咀嚼回数を減らす要因になってしまいます。炒め物などをする時は食感が残るように食材は大きめにし、加熱時間にも注意してみましょう。

5)食感が異なるものを一緒に食べる

食感が異なるものを一緒に、というのはどういうことかと言うと、口の中に入れる時に柔らかい物だけではなく、噛み応えのあるような、別の食感のものを組み合わせて食べるなどです。

例えば卵豆腐を食べる時に、海苔や納豆、キムチなどをトッピングして食べる、といった形です。卵豆腐だけ食べようとすると、噛まなくても、つい舌でつぶして飲み込んでしまいがちです。しかし、納豆などのように粒状のものや、海苔のようにそのまま飲み込めないもの、キムチのように食感があって噛まなければ飲み込めないものなどを一緒に口に入れることで、柔らかい豆腐を食べていても、自然と噛むことができるという効果が得られます。こういった組み合わせは食材で様々あると思いますので、ぜひ食べる時の組み合わせは工夫してみましょう。

6)楽しく食べる!

何より大切なのが「楽しく」食事を摂るということです。ストレスの多い状態で食事をしても、脳から必要なホルモンがちゃんと分泌してくれませんし、しっかり噛もうという意識も向けることができません。そして、消化酵素の分泌も低下しまいますので、胃や腸からの必要な栄養素の吸収も当然悪くなってしまいます。食事は楽しく、感謝して摂りましょう。

また、嚼む回数を増やすことで食欲のコントロールができるというメリットの他にも、もしかしたら「あごの筋肉をたくさん使うので、小顔にもなれるかも?」と思えば、ますます楽しみが増え、効果が増すのではないでしょうか。少しの工夫で食事量を減らし、食事の時間を楽しめると、自然とダイエットも辛くなくなりますよね。たくさん噛むことによって、優秀な腸管を育てることにつながってくるので、ぜひできることから始めてみてくださいね!

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