Stay designed, stay healthy
(この記事の所要時間は約3分です)
こんにちは、デザインヘルスカレッジのいずみです!
医師として働きながら、「日常から健康に」をテーマに、アプリや日用品から健康、医療を「デザイン」の視点から研究しています。
今回は近年注目を集めつつある?「健康 / 医療とデザイン」についてのお話をしていこうと思います!
そもそもデザインとは?
デザインと聞いて皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
「今年の年賀状、どんなデザインにしようか?」
こういった文脈で用いられることが多いと思いますが、広辞苑では以下のように説明されています。
デザイン【design】
①下絵。素描。図案。
②意匠計画。製品の材質・機能および美的造形性などの諸要素と、技術・生産・消費面からの各種の要求を検討・調整する総合的造形計画。「建築―」「衣服を―する」
上記の「年賀状のデザイン」は①の文脈で使われていますね。
対して②意匠計画、と言われるとなかなかピント来ませんが、「目的を達成するための思考やコンセプトなどの設計」というとなんとなく伝わるのではないでしょうか。
医療の現場をおさらい
2025年問題などという形で世間では常に不安を煽るニュースは後を絶ちませんね。
しかし、実際に高齢者の増加割合に対し、労働人口の減少、負担増、医療従事者の不足は現に深刻な問題となっています。
ただ、暗いニュースばかりではありません。医療分野におけるAIの活用なども今世界中で研究が進んでおり、多くの疾患に対して発症予測、重症化予測モデル、などが構築されてきています。
じゃあそれで安心か?AIがすぐに医療現場に落とされるか?
答えはNoだと僕は思っています。特に日本では医療における産業規制やインセンティブストラクチャから、なかなか医療におけるIT化、イノベーションが起きづらい環境となっています。まだまだロボット、AIが活用される医療というのには、時間がかかるでしょう。
なぜ医療でデザインなのか?
それでは、AIやロボット、次世代の医療が確立される前にできることはないでしょうか。
その答えの一つがデザインを用いたアプローチであると言えます。
具体的には約2年ほど前になりますが、以下の本が一時有名になりました。
必ずしも合理的、最適な医療と、患者さんが求める医療が一致するわけではありませんが、これらに乖離が生じることで経済性におけるコストオーバーだけでなく、患者満足度の低下も同時に生じる場合があります。
患者さんと医療者との関係性を「デザイン」することで、バイアスから逃れて合理的な意思決定を導こう、というのが本書の言わんとする内容です。
簡単にいうと、ロボットやAI、未来のテクノロジーの導入、実装によるイノベーションよりも「誰でも安く、簡単に」解決できる問題がある、その糸口を見出すのがデザインというわけです。
例えばこんなアプローチはどうだろう
検診、皆さんも受けられている方が多いと思いますが、
「検診でリスクの高い数値結果を見ても、クリニック受診する人はほとんどいない」ことが、インテグレーションヘルスケア(予防から介護までの包括医療)という観点で、ボトルネックと言われています。
これに対して東京都八王子市の病院では、前年に大腸癌検診受信者に対して、便検査キットを自動で送っており、「今年度検診を受けなければ、来年は便検査キットを送付しません」というキャンペーンを行なっているそうです。
結果として一度検診を受けてくれた方を逃さない取り組みとしてワークしており、まさしく「短期的な損失を回避する」という患者の心理から行動をデザインした事例ということができる。
健康な人を健康なまま維持すること。まさしくこれからの日本の医療に必要な分野と言えるでしょう。
誰もが学ぶべき科目、それがデザイン
「医療課題を解決する」、そんなたいそれた目標から始まる必要もないです。
まずは目の前の家族や同僚、患者さんとの関係性において、どのような力が(自然と)働いているのか、少し視点を変えて見つめてみると世界が広がり、選択肢が増えていきます。
置かれている状況に対して、心理学的アプローチあkら自分が陥っているバイアスを知覚すること、大切な家族の最後を納得いく形で送り出してあげること、これらのデザインアプローチを通して、人生における後悔を減らすことにもつながっていきます。
医学、公衆衛生学、心理学、人類学、ソーシャルマーケティング、行動経済学など様々な分野に渡りますが、自分のライフスタイルをより良くしていくための「デザイン」。
そんな情報について語っていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
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