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ワンルーム投資でカモられて弁護士にケツを拭いてもらった話

この記事は↓の続きです。

はじめに: そうは言っても騙す方に非がある

まず前提として、投資はあくまでも原則として自己責任です。株が思ったより上がらなくても、Fxで有り金全部溶かしても、バブルが崩壊して転売目的で買ったタワマンの値段が下がっても、基本的に責任を取るのは自分です。何かあった時にケツを拭けないならその投資はやるべきではないです。

ただし、投資については違法性のあるアプローチでカモってくる人間がいるのも事実です。不動産投資においてもそういう手合が大昔からちらほら見られます。購入して日が経っていなければ、弁護士に助けを求めることで場合によってはなんとかなる可能性もあります。

そんなわけで、このnoteでは実際に弁護士にお願いした時の経緯や注意点などを書いていきます。ワンルームを掴まされ、同じ悩みを抱えている方の助けになれれば嬉しいです。

念のため但し書きしておきますが、私は法律の専門家ではないですし、本noteは不動産投資について推奨するものでも、特定の団体への利益誘導を意図したものではなく、本noteにより生じた一切の不利益、損害について、理由を問わず一切の責任を負わないものとします。


前回のまとめ

記事を初めて読む方向けに、弁護士に相談するまでの状況をざっくりまとめておきます。

  • 会社の福利厚生サービス経由で不動産屋の節税セミナーを申し込み、ワンルーム投資の営業をかけられた。

  • 新築ワンルームを購入。色々調べるうちにカモられたことがわかった(判断が遅い)。営業も確定申告で脱税を勧めてくるなど日に日に信用できなくなってきた。

まず判例に当たってみる

10-15年程持ち続けてローンの残債を減らしてから損切りすることも考えましたが、不動産屋を一切信用できなくなってきたため、早く売却する方向で外部の仲介業者や、Twitterで同じ様な境遇の方に話を聞いたりしていました。

色々相談している内に、そもそも営業の売り方がRETIOに掲載されていたこの辺の判例とだいたい同じだったことに気付きました。要は実態と乖離したシミュレーションを提示し、優良誤認させて不動産を購入させたのが消費者契約法に引っかかった、という話ですね。

このため、「何とか法的に解決できないか?」と考え始め、不動産交渉の経験が豊富そうな事務所をググって探して相談依頼をすることにしました。
シミュレーションによる優良誤認に限らず、不動産の営業はありとあらゆる手口で嘘をついてくるため、彼等の話に問題がなさそうか、逐一RETIOの判例検索と宅地建物取引業保証協会のサイト辺りを軽くチェックしておいて損はないです。

ブチ込め!内容証明!

というわけで相談依頼から始まり、弁護士に買い戻しの交渉をしてもらうことになりました。これを読んでいる方は弁護士を使ったことがないと思いますので、案件のステップを順に何をしたのか、(詳細実情はぼかしつつ)書いていきたいと思います。

1.無料相談(〜1日)

まずは初回の無料相談で経緯を説明し、このケースで勝ち目があるのかを確認します。この時はとにかく経緯を整理してから臨みました。私の場合、勝てそうだとある程度確信が得られたため、前金を振り込み交渉をお願いすることにしました。

2. ヒアリング(〜2週間)

振込が確認できたら案件スタートです。まずは担当の弁護士に改めて経緯を説明するとともに、ありったけの資料を提供し、状況に関する理解をしてもらうと共に、この案件をどう進めていきたいかを再度提示します。ちなみに私みたく売買契約後に入居がキャンセルされてハシゴを外された、というケースは最近散見されるようです。マジで許せん。サブリース組んでたら絶対気付けないやつだろ。

3. 内容証明作成(2〜3週間)

ヒアリングを元に、弁護士に不動産屋の違法性を指摘し買い戻しを迫る内容証明を作成してもらいます。基本依頼人は作成していただいた案文が事実に相違ないか、レビューをするだけで余りやることはないです。淡々と日々を過ごしましょう。作成には2-3週間ほどかかるため、ある程度気長に待つのが良いです。

4. 交渉(1〜2ヶ月)

内容証明を送り付けて不動産屋からレスが返ってきたら交渉開始です。私のケースでは、弁護士とも電話で何度も相談して何とか交渉をまとめました。

5. 買い戻しへ……(〜8週間)

不動産屋が作った基本合意書と売買契約書をチェックした後でサイン・捺印します。その後は抵当権抹消手続のための司法書士の手配、お金が振り込まれた当日にローン完済・抵当権抹消手続など、売却に必要な手続きをやっていきます。正直ここが一番しんどかった。。

弁護士相談をするにあたって

ここでは弁護士を使った時に思ったことを色々書いていきます。

証拠は全てかき集めてから行くべし

弁護士はあくまで客観的に証拠に基づき判断をし交渉に当たる存在なので、当たり前ですが証拠が全く揃っていない状況ではほぼ勝ち目はありません。相手とのメール/LINE、契約書、不動産屋が出してきたシミュレーション、外部の業者の査定結果、営業が銀行に提出した課税証明・源泉徴収票の写し など、出せるものは全て出しましょう。
特に大事なのは、営業の発言の録音です。ワンルーム屋はまぁまぁ倫理観がないので、法に引っかかる発言を息を吸うように繰り返します。何らかのアウトな発言があった場合、交渉や訴訟に発展する場合は有力な証拠になるので、営業と会ったり電話したりする時は全ての発言を録音しておきましょう。
ちなみに私は性善説の人間で相手を信頼しきっていたため、録音はほぼ取れていませんでした。今でも後悔してます。。

法律の専門家に交渉を任せられるので安心感はある

例え証拠が揃っていたとしても、不動産や法律に詳しくないパンピーが買い戻しの交渉をしたとして、百戦錬磨の不動産業界の人間には取り合って貰えず残念な結果に終わる可能性が高いです。特にお人好しほどすぐ丸め込まれます。よっぽど勝機を見いだせてない限り、不動産トラブルの交渉の経験が豊富な法律の専門家に交渉をお願いする方が良いでしょう。自分では勝てない喧嘩はアウトソースしましょう。

遅レスは許容せよ

弁護士は一人で複数の案件を抱え、案件ごとに優先度を(脳内で)設定しているので、自分の案件の優先度が低いと思われた場合、アウトプットの提出やメールのレスが時期によっては遅れ気味な傾向があります。もし不安に思う人は事前にレスの頻度をそれとなく聞いておいて覚悟しておいた方が良いでしょう。でないとだいぶやきもきします。

サラリーマンと期日に関する認識が異なるので注意

法曹界の人に共通している傾向らしいですが、期限に関する認識がサラリーマンと違うので注意です。マトモに仕事をしているサラリーマンは、タスクは期日を切ったら基本的には期日通りに遂行し、もしできない場合は事前にリスケの提案をするでしょう。しかし、法曹界的には(法的拘束力のある執行日などを除けば)期日は目安で前後するもの、という認識がうっすらとあるようです。このため、メールや文書で宣言した期日がズレてもそういうもんと思った方が良いです。

おわりに

不動産屋のスタンスにもよりますが、高値掴みされたワンルームも弁護士に泣きつけば何とかなるかもしれません。まずは無料相談に行ってみましょう。

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