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親と夏休みの宿題

子供たちの夏休みも間もなく後半戦。

そんな夏休みに私達親を苦しめるのが
制作系宿題である。

ドリルなどの勉強系宿題は進捗さえ確認して
適度なプッシュをしておけばある程度進むので
仕事をしながら平日でも対応できる。

だが、制作系宿題はそういうわけにはいかない。

子供が一人でできる範疇を超えるからである。

人権ポスター、自由研究などはそれなりに
何をどうするかと事前の考えがないと
上手く進められない。

しかも、私は子供たち自身が作ったものならば
多少クオリティが悪くてもいいと思っているが、
妻はそれが嫌らしく、
色々と口を出してしまう。

そうなると子供たちがヘソを曲げてしまうので
制作系の宿題をするときにはできるだけ
手を出しすぎない程度に手を出すようにしている。

共働き世帯の我が家にとってこの土日は
貴重な休日であるとともに、
夏休みの限られた制作系宿題片付け日でもあった。

私は息子の自由研究を担当した。

本当は1つのテーマに絞りたかったのだが、
実験の結果から息子が結論に至れなかった時用に
2つのテーマをあらかじめ息子と話して決めた。

一つが太陽光で料理ができるのか?ということ、
もう一つがスポーツドリンクを凍らせると
なぜ飲むタイミングで味がちがうのか?
ということである。

この二つ、多くの方も一度は感じられたことが
あるテーマではないだろうか。

特に暑い今年の夏では
「車のボンネットで目玉焼きが焼けるんじゃない?」と
思う日がしばしばあるが、
少し前に息子も同じようなことを口にしたので、
「そしたら太陽光で料理できるかやってみる?」と
テーマに選定した。

スポーツドリンクの件は体育会系の部活に
入っていた人ならよく実感している事象である。

スポーツドリンクをPETボトルのまま凍らせて
それを部活などに持って行って
融けた分を飲んだ際に、妙に甘い場所や
妙に水っぽい場所が生じるのだ。

これも先日息子のサッカーの試合用に
スポーツドリンクを1リットルPETに入れて
凍らせたものを持たせていたのだが、
「パパ、途中から全然味がせんようになったで」
と言っていたので、
「それ、なんでやとおもう?」とたきつけて
今回のサブテーマに選んでみることにした。

そして、昨日はまずそのナゾの再現試験を
してみることにした。

太陽光で料理の場合はさすがに独自の実験を
するのは難しいので、
ソーラークッカーを自作された方のHPを見て
段ボールとアルミホイルを使って
ソーラークッカーを息子と共に自作した。

設計図通りに段ボールを裁断し、
その上にハケで希釈した接着剤を塗って
アルミホイルを貼っていく。

どれも地味な作業ではあるのだが、
何だか妙に楽しい。

そして段ボールを切って、まげて、貼って
最終的に完成したのこちら↓

自作したソーラークッカー

早速スチール缶を黒く塗って加熱をしてみると
かなり熱いと思う温度まで水は温まったのだが、
3時間ほど出していても温度は50℃前後までであった。

料理をするにはタンパク質が変性する60℃は欲しい。

このままではぬるい湯で中途半端にふやかした
カップラーメンしか食べられないことになってしまう。

では、このやり方の何がまずかったのかを
息子と共に考察してみることにした。

すると色んな仮説が浮かんできて
次はそれを検証してみることになった。

しかし、この実験の困ったことは
いかんせん時間がかかるがゆえに
1日に何個も実験が重ねられないということである。

しかも天気がいい日にしか実験ができないので
息子が考えた仮説をいつ検証しようか、
夏休みの終わりまでに結論に至れるのか
いささか不安を残す結果で昨日を終えた。

2つ目のテーマであるスポーツドリンクの再現試験は
とてもシンプル。

上記のソーラークッカーを作りながら
実験してみることにした。

用意したのは粉のスポーツドリンクを
所定の水に溶かしたもの。

それを一部コップに採取して冷蔵庫に入れておき、
残りは500mlのPETボトルに入れて
冷凍庫で凍らせておく。

次に、それを部屋の中に出して30分おきに
融けて出てきた液体を
アルミカップの中に採取していく。
(概ね5時間で全て融けきった)

そして、その採取した液体を全て常温にした後、
スプーンですくって味を確かめて
その甘味を点数化していくというものである。

家族4人のスコアを合計し、グラフ化したものが
次のモノである。

私も学生時代から何度となく
凍らせたスポーツドリンクを飲んで
味が違う気がすると感じてきたが、
今回再現試験をしてみると
見事なまでに甘味の違いがあることが分かった。

この結果をもとに息子とどんな仮説が
考えられるのかを考えてみると
先ほどのソーラークッカーほどではないが
仮説がいくつか出てきた。

これなら再現試験はそれほど難しくはなさそうであるし
気候条件の影響を受けることもない。

早速次の検証用の材料を冷凍庫にセットして
昨日の実験を終えた。

この記事を読んで多くの方が
既にお気づきだろうと思うが、
これらの実験はどちらも私が一番楽しんでいた。

正直どちらも、どの程度まで結論に
導くことができるかはわからないが
時間切れならばそこまででまとめるのみである。

ソーラークッカーは改良の一環として
改良版のクッカーを作ることになったので
既に私は材料を購入してきた。

内心早く組み立ててみたくてウズウズしているが
あくまで主役は息子なので
彼を引き立てながら引き続き
残りの自由研究を楽しんでいこうと思う。

ちなみに自由研究を一区切りつけて
少し休憩しようと思っていると
妻から息子のポスターを手伝えという
ミッションが下った。

実験は好きだが、色塗りが苦手な私にとっては
快楽の後にやってきた苦行である。

その後淡々と苦行を行い、
妙な疲労感を覚えてしまった。

やはり夏休みの宿題は結構過酷なものなのかもしれない。

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