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紙パックと電子タバコ

「そんなんどうでもええわ」

そんな読者の方の声が聞こえてきそうな
テーマを今回は書こうと思う。

なぜか。私が単純に書きたいからである。

ぜひこの記事を読んでくださる優しい方は
心の中で「そんなんどうでもええわ」と
突っ込みながら読んで頂けると嬉しい。

さて、そんな今日の話題は何かというと
電子タバコである。

一応言っておくと、私はタバコは吸わない。

が、昔は喫煙者であった時代もある。
今から15年ほど前までは1日に1箱弱ほど吸う
スモーカーであった。

だがある時にタバコを吸っていることに
疑問を感じるようになり、
当時流行していた禁煙セラピーという本を読んで
なんの苦も無くタバコを止めることができた。

それだけタバコを止めてから時間が経つので
もう吸いたいと思うことは1㎜もないが、
何となく懐かしいなと思うことはある。

当時私が吸っていたのは言うまでもなく
普通の紙巻タバコであった。

自分なりにシックリくるタバコの吸い方を探し、
行きついたスタイルで喫煙を楽しんでいた。

その吸い方のスタイルを決めるときには
必ず「カッコいいか」という基準が
入っていた気がする。

今の時代では人前でタバコを吸うこと自体が
NGという雰囲気であるが、
当時はまだ人前でも吸ってOKという雰囲気があり
タバコを吸う姿は喫煙者でなくても
非喫煙者の人の目にも触れたものである。

そうなると、やはりカッコいいタバコの吸い方を
意識してしまうのが人間というものだろう。

当時の私も自分なりにカッコいいと思うスタイルを
意識していたような気がする。

そんな経験を持って今の時代を生きていると
一つ納得いかないことがあるのだ。

それが、電子タバコ(加熱式タバコを含む)である。

電子タバコ(加熱式タバコ)と一言で言っても色んな種類が
世の中には存在している。

小型のタバコを機械に挿して、先端を加熱することで
煙を味わうタイプのもの。

既に( )書きをしているように、このタイプを一般的に
加熱式タバコと呼ぶらしいが、
ややこしいのでこの記事ではこれも含めて”電子タバコ”と
呼ぶことにする。

細い棒状の中に液体状の成分が入っており
それを気化させたものを吸うタイプ。

他にもあるらしいが、いかんせん自分が吸わないので
このあたりで割愛する。

これらはいずれも紙巻タバコとは違い、
何かしら機械が付いているものなのだが、
どうもこれらの電子タバコを吸う姿が
カッコよくないのだ。

運転をしていて、対向車や後続車の人が
電子タバコを吸っている姿を見たことがあるだろうか。

小型の紙パックに入ったジュースをストローで
チューチューと吸っているかのような姿では
なかっただろうか。

特に小型のタバコを機械に差し込んで吸うタイプは
この紙パックのジュースのように見えがちで、
大変失礼ながら私には紙パックに入った日本酒
「鬼ころし」を飲んでいるように見えてしまう。

そして、その姿があまりスマートでないことを
喫煙している人も意識しているのか、
多くの喫煙者の方はこれらの電子タバコを
手で隠しながら、体を丸めて吸っている気がするのだ。

そして、その動作がさらに”鬼ころし”感を
高めてしまう。

先ほども書いたように私が喫煙していた頃は
タバコに対してカッコよさを求めていた。

それは周りに見られるからというのもあっただろうが、
その根底にはタバコを吸うことに対する
憧れがあったからだろうと思う。

私の中で憧れの対象だったのはルパン三世に出てくる
次元大介であった。

どんなシチュエーションにも冷静沈着に対処し、
ミッションの中でクシャクシャになった紙巻たばこを
咥えている姿に憧れがあった。

ところが、今の時代はアニメのキャラも
喫煙は基本的にしないし、
テレビドラマなどでも喫煙シーンは
殆ど流されることがないそうである。

そうなると必然的に人々の頭からタバコに対する
憧れの感情は消えていくことになる。

そして、その代わりにタバコに対する
ネガティブな印象が置き換わるようになり
今や多くの若者はタバコを吸うことに対して
非常にネガティブな感情を抱くようになった。

ある意味、私が気になっている
電子タバコの吸い方のカッコよくなさは
電子タバコという機械が生み出したものではなく
社会が生み出したものだと言えるのではないだろうか。

社会的にもあまり認められていないことなので
少し隠しながら吸いたいという気持ちが
吸い方に出てしまう。

まさに昼間にこっそりと紙パックの鬼ころしを
飲むのと構図としては似ている気がするのだ。

今の世の中、多様性を認めていく社会でなくては
ならないと言われる。

それは私も大いに賛成なのだが、
多様性という意味では合法に販売されているタバコを吸う人も
もう少し認められてもいいのではないだろうか。

少なくとも後ろめたい気持ちでコソコソと
タバコを吸うような環境でなくても
堂々と吸える環境であればいいと思う。

もちろん非喫煙者としては副流煙はしっかりと
対処してもらっての前提であるが、
これからの未来、カッコよく電子タバコを吸う人を
街や車の中で見かける日が来てほしい。


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