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健康診断ラプソディ

昨日は会社の健康診断であった。

毎年”異常なし”の結果をもらうので
健康診断で緊張するわけではないが、
昨年から帯状疱疹やインフルエンザなど
自分の体が変化しているのを感じているので
例年よりも緊張しながら診断を受けた。

身長体重→血圧→採血→心電図→視力聴力
こんな順番で進んでいき、
残すは問診とレントゲンのみである。

年によっては問診の先生が長く
長蛇の列ができることがあるのだが、
今年の先生は話が長くないらしく
列に並ぶことなく問診室に入った。

シャツの裾をまくり上げ
胸に聴診器を当てられる。

まずは呼吸音を聞くために深呼吸をしながら
胸の音を聞く先生。

次に呼吸を普通に戻して心臓の音を聞くと
先生がおもむろにこんなことを言った。
「ゆっくりしたいい心臓の音です。
よく体を鍛えてらっしゃるなという感じの音ですね」

もちろん服の裾をまくり上げているので
私の胸やお腹は見られている。

なので、先生は私の体を見たうえで
そのようなことを言っているのだと思い、
心臓の音というのは後付けの話なのだろうと
その時は軽く受け流していた。

そして、そのまま問診、レントゲンが終わり
私の健康診断はものの15分ほどで終了した。

その後、服の裾をズボンに入れたりするために
更衣室で服を整えていると、
現場で働くマッチョな先輩Mさんが私に話しかけてきた。

「〇〇くん(私の苗字)、血圧はどうやった?」
以前にMさんとは血圧の話をしたことがあるが、
私の上の血圧が100あるかないかという
いわゆる低血圧なのに対し、
Mさんは上が150、下が100以上ある高血圧らしい。

今年も私の血圧は低かったので、その結果を話すと
Mさんは嬉しそうに自分は今年も高かったと
報告してくれた。

しかし、そんなに高くてはいつも病院で
再検診を求められるのではないか?
ふと気になったので聞いてみると
Mさんいわく、下の血圧も高いので
それほど問題はないと先生に言われているらしい。

どうやらMさんのように筋肉量が増えてくると
心臓も同時に鍛えられてきて
下の血圧が高くなるそうである。

今日二度目の心臓と筋トレに関わる話に
私は驚くとともに、
この話を聞いて先ほど問診の先生に言われた言葉が
急に心の中によみがえってきた。

果たして心音だけでその人が
体を鍛えているかはわかるのだろうか。

気になって調べてみると
どうやら筋トレや有酸素運動を
日常的にすることで心臓の機能は高まっていき、
安静時の脈拍数が低くなる傾向に
あるというのである。

これは心臓の機能が高まることにより一回の脈拍で
十分な血液を送れるため脈拍数が下がるそうである。

つまり問診の先生は私の心音を聞いた時
その脈拍数が少ないことを聞いて
「体を鍛えている感じの音」と言っていたのである。

それがわかると何だか急にうれしい気持ちになってきた。

別に心臓を鍛えようと思って始めた筋トレではないが
自分が思っても見なかった体の部分に
いい効果が見られていたからである。

冒頭にも書いたように昨年から免疫が落ちたと
感じることが増えたのは事実である。

しかし、その反面昨年から飲酒習慣もやめ、
筋トレを日常的に行うようになり、
そして息子のサッカーの練習に付き合うことで
自分の運動習慣もつくようになった。

毎年何の感情も持たずに受けてきた
健康診断ではあるが、
来年はどれだけ自分を変化させられるか
楽しみにする機会にもできるような気がしてきた。

人は自分では成長が実感しにくい生き物であるが、
確実に日々積み重ねていったことは
何かしら結果として出てくるものであろう。

今から来年の健康診断を楽しみにする
40代最初の健康診断であった。

ちなみに昨年あたりから周りには
人間ドックの受診を勧められるようになった。

自分のことをまだまだ若手だと思っている私であるが
周りからこのように言われるということは
そろそろ若手気分を卒業する時期が来たのかもしれない。

ただ、諸先輩方に一言言わせて欲しいことがある。

人に人間ドックをオススメするならば
胃カメラや大腸検査の辛さをアピールし合うのは
やめて頂けないだろうか。

まだ受診もしていないのにこの話を聞くだけで
オエっとなっている私の気持ちを考えてみてほしい。

とはいえ、年齢的に来年には初オエっを
体験してみようと思う。

せっかく来年の健康診断が楽しみになったのに
その気持ちがしぼんでいったのは言うまでもない。

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