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なぜ耳なじみのない言葉を使うのか?

先日車でテレビをつけていると
とある俳優さんの訃報が報道されていた。

私はもう10年以上テレビドラマを見ていないので
残念ながらその俳優さんのことを
存じ上げなかったのだが、
まだお若くして亡くなられたことに驚いた。

そして、その報道がされていた際に何度も
とある言葉が連呼されていた。

それが「バイプレーヤー」という言葉である。

私はこの言葉を初めて聞いたので
一体どういう意味かと頭の中で考えた。

もしこの言葉が英語から来ているならば
バイとは倍数接頭語のBiなのか。

Biならば2を表す言葉なので、
Bicycleは2輪の自転車となるし、
男性も女性も恋愛対象になる方のことを
bisexuality(日本語ではバイセクシャル)と呼ぶ。

プレーヤーとは恐らく演じるのPlayから
演者のことを指す言葉なので、
何か2つの役を同時に演じ分けられることができる
俳優さんなのかと私は思っていた。

しかし、そんな想像がつかないような言葉を
わざわざニュース番組で連呼するだろうか。

何だかシックリこない気持ちになった私は
通りにあったコンビニに車を停め
スマホでバイプレーヤーの意味を調べてみることにした。

すると、驚いたことにこのバイプレーヤーという言葉は
脇役・助演者を指す言葉だというのである。

では接頭語のバイは何なのかと思うと、
biではなくbyらしいのだ。

英語のbyはとても意味の多い単語で
使い方次第で意味がゴロっと変わってくる。

なのでバイプレーヤーの接頭語がbyだと
わかったところで、
全く頭の中で脇役とは結び付かなかった。

しかも、よく調べてみると
このバイプレーヤーという言い方は
完全な和製英語らしい。

これでなんとかバイプレーヤーの意味は
理解したものの、
私の中で大きなモヤモヤが残ってしまった。

なぜ報道では「脇役」という誰もが理解しやすい
言葉を使わずに
バイプレーヤーという言葉を使ったのだろうか。

脇役という言葉は主役のオマケのような響きがあるので
それに配慮したとも考えられなくはないが、
少なくとも「名脇役」というほめたたえ方をされた
俳優さんは何人も知っている。

なので別に「脇役」という言葉が劣った響きを
示すものではないだろう。

では一体どういう理由なのか。

一般的に報道で使われる言葉は
色々な規制がされているので、
もしかすると何らかの理由で「脇役」という言葉が
放送禁止にされているのかもしれない。

そう思い、調べてみたがそのような表記は
どこにも書かれていなかった。

もしかして、私にとってこの言葉は
初めて出会った言葉であるが、
一般的にはものすごくポピュラーな言葉なのかもしれない。

そう思い、テレビをよく見る実家の母に
「バイプレーヤーって意味わかる?」と聞いてみると
やはりわかっていなかった。

母にしか聞いていないので、
これだけでこの言葉がポピュラーかどうかを
判断することは難しいが、
少なくともテレビをよく見ている高齢者にとっても
それほどよく知られた言葉でもないことが推測できる。

今やテレビの視聴数はかつてよりも減ったと言われ、
特に若年層が見ない傾向が続いているそうであるが、
視聴層が高齢に偏っているならば
なおさらわかりやすい言葉選びをすべきなのに
なぜバイプレーヤーという耳なじみのない言葉を
彼らは連呼したのか。

結局答えには行きつかず余計にモヤモヤしてしまった。

いつもこの手の記事を書くときには
何かしら自分なりに結論をつけるようにしているのだが、
今回ばかりは結論を書こうとすると
なんだかマスコミ批判をしているようになってしまうので
あえて書かないでおこうと思う。

最近再選された某都知事があまり耳なじみのない
横文字をしばしば使われることで有名であるが、
聞く人に寄り添った言葉選びをしないと
私のような人は聞く気が無くなってしまうことを
理解してほしい。

ちなみにバイプレーヤーという言葉が
前半でも書いたようなバイセクシャルと
どうしても頭のなかでリンクしてしまい、
妙な響きを感じてしまうのは私だけだろうか。

それが私のオーバーシンキングならいいのだが、
私のワードチョイスがディフィカルトなら
ぜひコメントでポイントアウトして頂けると
とてもハッピーである。

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