家事とザク
毎日家事をしていると面倒だと思うことも
しばしばある。
特に食器洗いはやり始めるまでが
とても面倒だと感じてしまうので、
自分の心にムチを打ちながら
毎回スタートしている。
そんな家事であるが、実はごく小さな
密かな楽しみがある。
それは洗濯機をスタートさせるときの音を
聞くことである。
我が家は日立のドラム式洗濯機を使用している。
同じく日立の洗濯機を使っている方なら
あの独特のメロディを思い浮かべると思うが、
実は私が好きなのはその音ではない。
例のメロディが流れた後に
ドアをロックする際に流れる「ドゥン」という
機械音がたまらなく好きなのである。
とは言え、私は機械音マニアではない。
その音がなぜ好きかというと
ガンダムに出てくるザクがモノアイ(単眼)を
光らせる時に発する音に似ているからである。
機動戦士ガンダムは超有名なアニメなので
今更説明するまでもないと思うが、
私は小学校高学年ぐらいの頃に
このガンダムの初期シリーズを見て以来
何度もこのシリーズを目にしてきた。
初期シリーズ以外にもZやZZも
見たのだが、
それ以降はどうにも興味が持てず
古いシリーズだけをかじっただけの
にわかガンダムファンである。
そんな私にとって、初期シリーズに出てきた
ザク(厳密にはザクⅡ)が憧れの存在であった。
ガンダムを見たことのある方なら
ご存じであろうが、
実はこのザクはガンダムにとっては
敵キャラである。
一見すると敵キャラに憧れを抱くのは
何だか変な感じもするだろうが、
私はどうにもガンダムにおいては
敵キャラに妙な憧れを感じてしまうのである。
もちろんストーリーの中ではガンダムの
味方側を応援しているのだが、
敵として次々に出てくるキャラクターの
フォルム、色、動きなどは明らかに味方側よりも
かっこよく、
敵側にもかかわらず憧れを抱いてしまう。
そもそもガンダムは戦争の話なので
どちらが正義というものではなく、
どちらもがそれぞれの正義をもって
戦っているアニメなのだ。
そう言う意味では、私のように敵側のキャラに
憧れが抱くのはそれほどおかしなことでは
ないのではないだろうか。
そんな中でも私が圧倒的にすきなのが
ザク(何度も言うが厳密にはザクⅡ)である。
このキャラはいわゆるモブキャラで
ガンダムに次々と倒され、爆発していくのだが
明らかに性能的にも、動きの速度的にも
ガンダムに敵わないにもかかわらず
迫っていく様子がたまらなくカッコイイのだ。
このザクをはじめとした敵側(ジオン軍)の
登場モビルスーツは基本的に目が一つである。
そのモノアイ(単眼)を「ドゥン」という効果音と共に
光らせてガンダムに向かっていくシーンが
アニメの序盤で描かれるのだが、
そのシーンが私の頭にずっと焼き付いている。
その音と洗濯機を始動させた時に出る音が
似ているので私は楽しみなのだ。
だが、こうしてこの記事を書きながら思い返してみると
この両者の音はあまり似ていない気がしてきた。
退屈な家事の中に喜びを見つけ出そうと
私が勝手に頭の中で結びつけてしまったのであろうか。
ある意味家事は毎日嫌でもやってくる。
一つ一つのものはそれほど手ごわいものではなく
簡単に対処できるのだが、
こなせどこなせど目の前に現れる。
そう言う意味では家事自体がザクなのかもしれない。
ガンダム(私)にやられどもやられども
ザクマシンガンやヒートホークをもって
迫ってくるのである。
こうして朝活時間にnoteの記事を書き終わると
この次には朝にかけて洗濯機が仕上げてくれた
洗濯ものをたたみ、しまうという家事が
やってくる。
まさに、洗濯機を回した時に聞こえる
「ドゥン」という音は、
この洗濯ものをたたみ、片付けるという家事が
始動し始めた音なのだ。
それならばいっそ全ての家電から
ザクの音が鳴ればいいのに、
なんて思う土曜日の朝であった。
ちなみに私がガンダムは好きであるが
語れるほど詳しくもなければ、
プラモデルをこだわって作ったりもしていない。
もしこの記事をガンダムのガチファンの方が
読まれたならば、その点はご了承いただきたい。
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