見出し画像

周りの目を気にするということ

もういつから始めたのかは忘れたが
英語の勉強を目的として
通勤時間に洋画を見るようになった。

私は仕事で英語を使う機会はあるが、
残念ながらこれまで
英語圏に長期滞在したことがないので
ビジネスのことは苦なく話せても
何気ない話題になると戸惑うことがしばしばある。

映画の中で繰り広げられる英語の会話は
まさに英語圏の人が日常会話で使うような
口語表現が多用されている。

それを聞きながら、
こんな時にはこんな風に言うのかと
気になったフレーズをメモ書きしながら
映画を楽しんでいる。

これまで数十本の洋画を見てきたが、
ちょうど今見終わったこの映画が
なぜか私の心にとても刺さった。

その映画がフォレストガンプである。

この映画は1995年に公開された
トムハンクス主演の物語で、
映画のタイトルは主人公の名前である。

主人公のフォレストは軽度の知的障害を持っており
そのフォレストがバス停で隣に座る女性に
話しかけるシーンから物語は始まる。

フォレストが子供の頃を語りだすと、
子供時代の彼の映像が流れるのだが、
案の定、彼は周りからいじめられてしまう。

このような差別に苦しむ話がここからも
どんどん展開されていくのかと
最初、少し気が重くなりはじめる。

ところが、フォレストはとても強く立ち向かい
色々なことを克服していくのである。

本人には困難を克服している実感など
まるでないかのように見えるのに、
フォレストは色々な場所で大きな成果を成し遂げ
周りにいた人たちを幸せにしていく。

ざっくりというとそんな物語であった。

こうして簡単に要約してみると
比較的ありがちな話の様にも見えるであろう。

ではなぜこの映画がこんなにも
私の心に刺さったのか。

それはフォレストの物事に対する姿勢に
憧れのような感覚を抱いたからである。

先ほどに書いたようにフォレストは
軽度の知的障害を持っている。

最初はそれがネガティブな要素として
描かれていたのだが、
話の途中からフォレストのその性質は
全く見え方が変わる。

なぜなら、彼はその性質故に
周りが言うことやバカにする言葉を
気にすることなく、
自分の信念に驚くほど素直に従って
行動することができるからである。

私達は何かをしようと思っても
ついつい周りがどう見ているか、
何かを言われないか、
そんなことを気にしてしまう。

これは私達が社会で生きる生き物なので
当然のことではあるが、
周りを見すぎるがあまりに
自分が本当は何をしたいのかが全くわからなく
なってしまうことが多いのではないだろうか。

フォレストはそれができない。

だが、できないがゆえに自分の信念に従って
行動をすることができるのだ。

実は、ちょうどこの映画と同時並行で
読んでいた本がこちら。

人気シリーズの最新作”夢をかなえるゾウ0”である。

このシリーズでは象の姿をした神様ガネーシャが
冴えない主人公のもとにやってきて
夢を叶えさせるための指導をするのだが、
まさに本作でのテーマは主人公に夢を持たせることから
始まっている。

そして、主人公が夢を持てなくなってしまった理由が
まさに周りのことを見すぎてしまうからだと
本書には書かれていた。

これまで進学して就職をするまでで色んな決断を
してきたが、
その決断は自分が本当にしたいからではなく
親や周りが喜ぶからしてきたもの。

自分が何かをやりたいと思ったとしても
「周りにバカにされる」「評価が下がってしまう」
そんなことを気にして何もできず、
そのうちに自分が何をしたかったのか
完全に見えなくなってしまう。

そんな主人公にガネーシャが課題を出していき
少しずつ変化していく話である。

まだ夢をかなえるゾウシリーズを
読んだことのない方は是非1~4までも含めて
読んでみて欲しいのだが、

今回読んだ夢をかなえるゾウ0の話と
フォレストガンプの生き方がまさに私の中で
リンクしたので、
とても心に刺さったのであろう。

かくいう私はフォレストガンプのように
生きられているかというと、
全くそんなことはない。

周りの目をついつい気にしてしまうし、
何かを判断しようとしても
自分自身の信念よりも周りの意見を
重視してしまう。

仕事や趣味で可能な限り自分がやりたいことを
やるように心がけてはいるが、
周りからの言葉を自分の心のブレーキにして
立ち止まってしまうことが多い。

なので、正直に言うと
私は夢をかなえるゾウ0の主人公に
自分を重ねながら読んでいた。

だが、誰でもいつでもフォレストのような
強さを得る事はできるのである。

それを得るために恥ずかしいことも
辛さを感じることもあるだろう。

しかし、それは永遠に続くものではない。

自分の信念を通す事が
恥ずかしいことではないと気づくときが
必ず来るはずであるし、
実際映画の中で奮闘するフォレストは
明らかにカッコよく見えた。

これはある意味でアドラー心理学が言う
課題の分離と同じであろう。

今私が感じている感覚はちょうど
アドラー心理学について書かれた本
「嫌われる勇気」を読んだ後に感じた
感覚に似ているのはあながち間違いではない。

あの本を読んだとき、私は自分の行動を変えようと
努力してきたつもりであったが、
10年近く経過して、
今度はフォレストガンプに同じスイッチを押されてしまった。

まさにこの10年の自身の行動をレビューをせよと
今言われているのかもしれない。

色んなことを考えさせられる名作は
公開されてから30年近くが経っても
全く色あせることはない。

改めてそんなことを感じさせられた
素敵な映画であった。

ちなみに同じトムハンクス主演の映画、
「ターミナル」もとても面白く、
オススメしたい映画の一つである。

この映画ではトムハンクスは英語が話せない
架空の国クラコージア人として登場し、
ひょんなことからアメリカの空港から出られないという
奇妙なシチュエーションに陥ってしまう。

一見すると絶望的なシチュエーションだが、
この話でもトムハンクス演じる主人公は
驚くほどしなやかな強さを見せるのである。

お時間があればぜひ観てみてほしい。

この記事が参加している募集

#スキしてみて

524,761件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?