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離れてみて気づく価値

あなたが1週間いないと何が起こるだろうか。

いきなり何の話かと思うかもしれないが
一度想像してみて欲しい。

「別になにも変わらない」
そんな風に思うかもしれない。

1週間程度ならば営業マンの方なら
出張で不在にすることはよくある。

先日私が1週間出張で家に不在にした時、
私も何も変わらないと高を括っていた。

とはいえ、我が家には私の飼育する
昆虫たちがいるので、
彼らには1週間あけても大丈夫なように
余分にエサを与えて
鉢植えも妻に水やりをお願いしておけば
問題ないはずであった。

ところがである。

実際1週間があけて家に戻ると
困ったことが起こっていた。

その週は何度か雨が降ったので
結果として1度も水をやらなかった鉢植えに
ハダニが付いていたのだ。

ハダニとは植物の葉から栄養を吸って生きる
クモの仲間の生き物で、
我が家では過去にこのハダニによって
バラが枯らされてしまった苦い記憶がある。

その鉢植えはとある理由で葉が落ちて
新しい葉が出始めていたのだが、
出始めの柔らかい葉がこのハダニに
攻撃されていたのだ。

ハダニは一般的に水に弱いと言われており
毎日水やりをしながら
葉に水をかけてハダニの付着を防いでいた。

しかし、この1週間はそれができておらず、
ちょうど葉が新しいタイミングに重なったため
葉がかなり攻撃されてしまったのである。

これは私が妻に水やりの意味を
教えておけば防げた事象である。

妻からすれば水やりは植物に
水を供給する以外のものではないので
雨が降ればやらないのは当然である。

このようなことは仕事でも
しばしばみられる。

マネジメントシステムの導入のため
手順書やマニュアルは整備したものの、
その中に書かれていないノウハウが
作業者の中に暗黙で引き継がれ、
その作業者がいなくなると
上手く作業ができなくなる事例は
多くの製造業で見られることである。

私たちは日ごろ色んなことを学び、
そしてそれを実践して生きている。

通勤を快適にしようと
いつもと違う道を試してみたり、
人から聞いた安いスーパーで
買い物をしてみるのも
立派な学びと実践なのである。

その経験を通して私たちは
日々行動を変えていき、
最適な方法を模索しているのだ。

試してみた通勤路が結果として
早く到着できたのであれば、
その道がスタンダードになるだろうし、
スーパーが本当に安ければ
そこで買い物をするようになるだろう。

実は私たちは毎日同じように
生きているようで、
同じではないのである。

私も過去の経験を通して
ハダニをどのように駆除すればいいかを学び、
それを行動につなげていたのだが、
それが当たり前になりすぎて
その行動の意味が自分でもわからなくなっていた。

それゆえに1週間不在にすると
変化が起こってしまっていたのだ。

1週間の不在期間で見えてきたものは
他にもいろいろあった。

それはいずれも私が日ごろ無意識に
実施している行動が
引き継がれていないが故のものであった。

この話は一見するとネガティブなことを
言っているように思うかもしれないが、
決してそうではない。

仕事の場であれば、このような事象を
避けるべきであるが、
個人としては自分が意識しなくても
日々いろいろな方法を模索し、
改善していることの現れなのである。

自分がやっていることの
価値があまりないように感じられるならば、
一度その生活から離れる期間を
作ってみればいいのである。

そうすれば自分が無意識のうちに
している色んな事に気が付くであろう。

私たちは日々生きているだけで
十分に価値を作っているのである。

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